冬鳥の飛来地を訪ねてー伊豆沼・内沼その2

午前5時起きで、昨日の夕方ねぐら入りを見た同じ場所へ。

まだ辺りは暗いのですが、東の空には太陽の気配がしています。

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 この土手には、すでにたくさんの車がずらっと停車し、

三脚を立ててカメラをセットしている人が鈴なりです。

 みなさん、太くて長い、素晴らしいカメラをお持ちです。

 コンパクトカメラは、おそらく私一人だったでしょう。

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 だいぶ明るくなってきました。

 赤い雲を水面に映しながら、徐々に朝がやってきます。

 蓮のオブジェも鳥がいるのも見えてきました。

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 ガンたちは、とっくに起きていたようでお食事中です。

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 午前6時過ぎ、飛び立ちました。

 沼を飛び立つのは一斉なんです。

 いつどのガンが合図をするのか、

それとも各々が明るさを計る照度計を持っているのか、とても不思議な光景です。

 水面から飛び立つ瞬間を撮りたいと思うのですが、間に合いません。

 飛び立ってから数秒後にやっとシャッターを切るので、

こんな写真になってしまいます。

 ガンの飛び立ちは姿だけでなく、声もすごいのです。

 一斉に「キュルキュル」と鳴きながら飛び立つのですから、

それはそれは大迫力です。

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 自分の餌場へと思い思いの方向へ飛び出します。

 この日の日の出はいつまでもどんよりとしていましたので

日の出の太陽を背景に飛び立ちを撮ろうとしていた人には

ちょっと残念だったことでしょう。

 行っていらっしゃい!

 

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 昨夕宿に着いた女性「Oさん」とここで出会いました。

 「Oさん」は、車できていたので、私を隣の内沼へ誘ってくれました。

 車で2,3分くらいのところに内沼があります。

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 内沼は、見てもわかるように、伊豆沼より小さい沼です。

 こちらには、まだガンがたくさんいました。

 どうも、雲が多く暗かったのか、飛び立ちが遅れているようです。

 ハクチョウは、毛づくろいに余念がありません。

 ガンたちは、いつ飛び立とうか思案中なのでしょう。

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「Oさん」が食パンをたくさん持ってきて

「コッコちゃん、コッコちゃん、おいで。」と言いながらパンを投げるので、

オオハクチョウオナガガモがすぐ近くまでやって来ます。

 中には、取り合いをして喧嘩するのもいたりして

姿は優雅なのに、気が荒い鳥なんだと思いました。

 野生の鳥にとって、食べ物は死活問題ですから、恨みは大きいのでしょう。

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 灰色のは、今年生まれた幼鳥です。

 3500kmくらいを親と一緒に飛んできたのです。

「Oさん」は、この子たちに優先的にあげようとしていました。

 成長は、大きな声を出して要求しますが、

この子たちは、まだ大きな声も出ないので どうしても負けちゃうのです。

 

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 オオハクチョウの陰でちょこまか動いているのは、オナガガモです。

 オスが2羽、後はよく見ないとわかりませんが、メスと幼鳥らしいです。

 小さくても、ハクチョウよりも素早くパンを取り、

その場を去る俊敏な動きには感心しました。

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 「ちょっと、ちょっと見てよ!」

 羽を広げると私などよりもずっと大きなハクチョウです。

 時には、冷たい風に逆らいながら翼を動かしてやってきたハクチョウの

胸の筋肉に思わず見取れてしまいました。

 オオハクチョウは、体重が12㎏くらい。

 10㎏のお米の袋よりも重いのですから、体を持ち上げるだけでも大変です。

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 満を持して、ガンが飛び立ちました。

 伊豆沼のが飛び立ってから30分くらい遅れての飛び立ちです。

 残ったハクチョウは、大好物の蓮を食べたりできるので、

あわてて田んぼへ飛び立って行かないようです。

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 この2羽は、きっとご夫婦でしょう。

 因みに、白鳥の寿命は20年くらいだそうです。

 一度ペアーになると、どちらかが不慮の事故や病気で亡くなったりしない限り

一生添い遂げるのだそうです。

 健げな感じがするのはどうしてでしょう。

 ガンも同じです。

 そういう鳥は、メスもオスも外見上はっきりとした違いがありません。

 

 カモは、寿命が5年程。

 しかも毎年ペアーを変えるので、

オスは、メスから選ばれるように美しく強くあらねばならないのだそうです。

 メスの前で求愛のダンスも踊れなくてはならないし、結構大変そうです。

 人間のオスの方が楽かもしれませんね。

 

 午前七時、そろそろ朝ごはんの時間なので私たちも帰ることにしましょう。

「ハクチョウさん、ゆっくりお休みください。」

冬鳥の飛来地を訪ねてー伊豆沼・内沼その1

 写真は、伊豆沼です。

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 去年の冬、横浜の大岡川にも冬鳥が来ているのを見たのがきっかけで

野鳥に興味を持ち始め1年が経とうとしています。

 たくさんの本を読んだり、DVDを見たりしながら調べているうちに、

マガンが宮城県の伊豆沼・内沼に飛来していることを知り

ぜひ実際に見たいと思っていました。

 10月下旬には多数のガンは渡ってきているのを知って、

11月4日から6日まで出かけてきました。

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 今回行ったのは、宮城県北部、栗原市にある伊豆沼です。

 ここは、北海道の釧路湿原に続き、日本で2番目にラムサール条約

登録されました。

 日本に飛来するマガンのほぼ8割から9割がここで越冬。

 多くの飛来は、水が凍らないこと、周りに田んぼがたくさんあることが

その理由に上げられるようです。

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 新幹線の栗原高原駅からタクシーで10分のところにある

ウェットランド交流館というところに宿をとりました。

 交流館の窓からは、この伊豆沼の風景が手に取るように見え、

マガンやハクチョウやカモたちの声が沼から這い上がってくるように聞こえます。

 

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 さっそく夕方のねぐら入りを見るために、

宿から15分くらい歩いた「獅子が鼻」といわれる土手に行ってみました。

 日の入り前、ガンはまだ帰ってきていません。

 枯れた蓮の茎がいろんな形を作り、それが水面に映って静けさを感じさせます。

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 西の方から帰ってきました。

 この日過ごしていたまわりの田んぼから一家族や

もっと大きな単位の家族が一緒になって次々沼をめざして飛んできます。

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 北からも南からも東からも飛んできます。

 歌にもあるように、「鍵になり、竿になり・・・」帰ってきました。

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 ぶつからないように高度もいろいろで、低く飛んでいくのもいます。

 

 スピードを上げて飛んできたガンが沼の水面が見えると、

翼を動かすのをストップし、左右に体をくねらせて落ちてゆく姿は、

ちょっとユーモラスでした。

 飛行機の錐もみ状態と同じで、それを落雁と呼ぶようです。

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 沼が蓮で覆われているため、水があるところに着水するので

この時間帯は、ちょっとしたラッシュ状態で宿の方も、

「今日は、黒い団子状態でびっくりした。」なんて話していました。

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 10月21日で55000羽くらい来ているということでしたので、

もう8万羽にはなっているのではないでしょうか。

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 西の空がわずかに明るんでいますが、陽が沈みました。

 ガンたちは、今日1日の出来事をしゃべっているのかいつまでも声は止みません。

 

初めて食べたアイナメ

 

 アイナメの塩焼き            アイナメのから揚げ

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 みをつくし料理帖によく出ていたお魚にアイナメというのがありました。

 名前は、聞いたことがあるけれど、

買って料理をしたことがなかった魚だなと思っていたところ、

日曜日、閉店間際のデパートの魚売り場を覗いたら、

偶然にもこのアイナメに出会ってしまったのです。

 今まで気がつかなかったのか、夕方には残っていなかったのか

出会えなかった魚なんです。

 ちょうど半身になっているし、値段も半額まで下がっているし

これは買うしかないなと思ったしだいです。

 大げさですが、ちょっと運命的な出逢いでした。

 

 この魚、産卵前の春、夏が旬の魚で、

日本全国どこの岩礁にもいる魚だそうなので、

アブラメとかアブラコとか地方地方によっていろんな呼び名があるということです。

 いずれにしてもアブラののった人気のお魚ですから、

近くのスーパーなどでは見たことがない高級魚です。

 

 その日のアイナメは、北海道産、体長は40cmくらいです。

 外観を写真に撮るのを忘れましたが、スズキのような灰色っぽい色です。

 

 みをつくし料理帖には、中の身を覆う黒い皮を取り、骨切りもするし

手間がかかる魚だと書いてありましたが、

今回は、始めから下準備はされているものなので、

うろこ取りと骨切りをやってみました。

 

 魚屋さんに聞いたところ、

「虫がいるので、生はやめて煮魚か塩焼き、天ぷらもいいよ。」

とのことでしたので、塩焼きと、残りはから揚げにすることにしました。

 さすがアブラがのった白身のお魚、

塩焼きにしてもから揚げにしても好評でした。(友だちにも持って行ったので)

 本のお蔭で新しい食材にも出会えて秋を満喫中です。

 

 おまけ

 10月のある日のお昼ごはん

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 左側から、

 しめじと厚揚げのみぞれ和え

 けんちん汁(ダイコン、ニンジン、ゴボウ、こんにゃく、油揚げ、さつまいも)

 ハヤトウリのぬか漬け

  今、このハヤトウリを友だちからもらうので、

 もっぱらぬか漬けで食べていますが、

 歯ごたえがパリッとしていて何とも言えない美味しさです。

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左上から

カボチャのフライパン焼き

ちりめんザンショ

切り干し大根の炒め煮(切り干し大根、ニンジン、ツナ缶)

サンマの佃煮(ショウガ、梅干し)

それに、玄米とナメコのお味噌汁

 ちりめんザンショ、切り干し大根の煮物、サンマの佃煮は、

多く作るので何回も登場します。

 時間がある時に、いくつか作り置きできるものを用意しておくと、便利です。

 決して、贅沢なものは使っていませんが、

滋養があるものを食べられて幸せな気分になれます。

 

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「みをつくし料理帖」 を読んで考えたこと

 

美雪晴れ―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)  天の梯 みをつくし料理帖 (ハルキ文庫)

 ブログで紹介されていた「みをつくし料理帖」高田 郁 著を

図書館で借りながら、本日その10巻目を読み終えた。

 まったく予備知識もないまま読み始めたのだが、山あり谷ありのストーリー展開、

それに難しい言葉が使われていないので、のめり込むとあっという間に読めてしまう。

 

 舞台は、江戸時代の大坂と江戸。

 七歳の時に大坂の街が洪水になり、両親を亡くした主人公の澪(みお)の16年間を

描いた物語である。

 江戸の頃としては珍しい女の料理人として生きていく澪の生き様や

澪を囲む人々の庶民の暮らしぶりが生き生きと描かれている。

 

 移り変わっていく自然のようす、裏店と呼ばれる長屋の生活、武家のしきたり、

吉原のきまりごとなど、初めて知ることが多く興味深い。

 

 それに何よりも料理の話が話の骨格を形作っているので、

江戸時代の食材や料理方などが添えられていて、

食べることが大好きな私には、なによりだった。

 一番、心に残ったのは、

「食は天なり」

「人の体は、食べるものによって作られる。」

 という言葉だった。

 ”医薬同源” という言葉があるが、健康を支えるのは食べ物。

 食べ物によって病気を予防し、食べるもので病を治していく。

 

 江戸の頃は、身近にある食材を使い、暑い夏には、体を冷やすもの、

寒い冬には、体を温めるものを提供する。

 具合が悪い人を見れば、病状に合わせた食べ物を食べさせ、

医者が漢方の薬を処方する。

 化学肥料も農薬も使わず、この上なく安全で安心できる食が保障されていたことを

今回改めて認識した。

 

 ガンを患っている知人が、食べ物で免疫力を上げて克服したようすを

目の当たりにした今の私には、すごく身に染みる。

 

 食べ物に求められる一番大切なことは 

「体のためにいいもの、体を健康にしてくれるもの」。

 料理人は、そのために旬の食材を使って、美味しく料理するということであるはず。

 ところが現代は、どうだろう。

 

 旬でないもの、見てくれさえ良ければと農薬を使って栽培したもの、

効率的に添加物を加えて調理したもの・・・、

 値段が安ければいいのではない。

 

 忙しければ忙しい人ほど、外食やインスタント食品など素性がしれない食べものを

口にすることになっていないだろうか。

 食は、まず安全でなければならないはず。

 

 今、国会のTPP特別委員会では、政府が強行採決ありきで

審議時間だけを稼ぐような審議をしている。

 国会の答弁を聞いていても、何の根拠も示さないまま、「大丈夫です。」

「安全です。」を繰り返すのみ。

 

 そもそも中身が知らされていないのに、

「国民が納得するように丁寧に説明する。」

という話は、空虚でしかない。

 

 このままでは、日本は、海外から輸入される安全でない食べ物を口にし、

年月が経って体に良くないことがわかっても条約を破棄することができない。

 

 ご存知だろうか。

 2001年、BSE(狂牛病)に対して、

全頭検査という厳しい検査を要求していた日本が、

今年の9月にアメリカの要求で

検査がすべて撤廃されることに決まったそうである。

 

 植物検疫のお粗末さも以前紹介した通り

大量の輸入農産物の検査をやっていられないので、

もうすでに口に入ってしまった頃、すごい濃度の残留農薬が検出されたことが

わかるなどということもあるらしい。

 ついこの前、輸入されたオクラからは

基準の26倍もの濃度の農薬が検出されたとか。

 

 アメリカでさえ承認できないでいるTPPは、

どこの国も承認作業に入っていない。

 なぜ、日本だけが前のめりになって承認せねばならないのだろうか。

  

 マスコミが放棄して何も報道しないことは、不気味なこと。

 これからを生きる人たちのためになるものかどうか、

下記のサイトで中身をぜひチェックして見てほしい。

  https://www.facebook.com/tpphantai

               

ビロードテンツキ移植会 (茅ヶ崎)

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 22日(土)に砂原植物の移植会へ行ってきました。

 晴れるといいなと思いながら茅ヶ崎へやってくるのですが、

いつも曇りがちでまともに富士山が見えたことがありません。

 朝9時半の海辺には、釣りを楽しむ人、波乗りをやる人、犬を散歩させる人、

ランニングを楽しむ人となかなかの賑わいです。

 

 前回の2日には、ハマボウフウハマヒルガオの移植をやったのですが、

今回は、新たに ビロードテンツキ の移植をやりました。

 

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 ビロードテンツキ は、パッと見はカヤツリグサを小さくしたような植物で

どこにでも生えていそうな気がしますが、 

神奈川県の絶滅危惧種1Bに指定されている貴重な植物なのです。

 

 種をまいて、ここまで育てるためには、水の管理がたいへんなんです。

 特に夏場は、毎日のように水やりをしてやらないと枯れてしまうので、

茅ヶ崎に住まわれている方々は、連絡を取り合って水やりに通いつめ

やっとこの日を迎えられたのです。

 私は、移植の時だけですから、本当に頭が下がります。

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 この辺りが前回に続いて移植する砂原です。

 結構茎が伸びているハマヒルガオや、まだ葉が少ないハマボウフウ

ちゃんと砂原に根を張っているようです。

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 ハマヒルガオコウボウムギの間をちょろちょろと動き待っているのは、

ハクセキレイです。

 色を添えてくれているのでしょうが、ちょっと地味過ぎますね。

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 まず、苗が植えてある牛乳パックを同じ植物がくっつかないように

適度に間を開けて置いていきます。

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 次に、スコップで牛乳パックが埋まるくらいの穴を掘ります。

 いろんな植物の根が出てきますが、この根は切ってしまっても、

砂原の植物は、二つに分かれて成長していく力があるから

切れても心配ないと聞いたので、大胆に掘っていきました。

 砂は、濡れていないと掘っても周りから崩れてすぐに穴を塞いでしまうので

たかが穴掘りですが、されど穴掘り、簡単なようで手間がかかります。

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 穴を掘ったら、次に牛乳パックの底をきれいに破いて

穴に入れます。

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 埋めたら、一番上のパックが少し見えるくらいに砂を寄せます。

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 最後に水やりです。

 水やりも牛乳パックを目印にしてやればいいので、この方法はとても便利です。

 

 しばらくして根が張って’牛乳パックが邪魔になってきた時にも、

パックの底に穴を開けているので、

上に出ているパックを引っ張るとスルッとたやすく抜けるというのです。

 この方法を考えたのは、NPO法人ゆい の方々だそうです。

 本当にすごいなとひたすら感心してしまいます。

 

 今回は、総勢40名ほどのボランティアが集まり、ビロードテンツキ のほかに

ハマボウフウハマヒルガオと合わせて400本ほどの苗を移植しました。

 

 移植は、水やりのことを考えると、気温が低くなった秋が最適なようで

10月には、大人が2回やりましたが、そのほかに

地域の幼稚園や保育園の子どもたちの活動として2回行われたと聞いています。

 子どもには、まだ難しいことはわからないかもしれませんが、

自分が植えたことで砂原の植物に愛着を持ち、

その大切さに気付くいいきっかけになるのではないかと思いました。

 

 おまけ

 ちょうど、12時くらいに終わったので、駅へ向かう途中

前回通った時に気になった「黒糖茶房」というお店に入りました。

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 濃いブラウンが基調で落ち着いた雰囲気のお店です。

 テーブルの上にサツマイモとカボチャ、棚には、秋の実物とガマの穂が活けてあり

目からも秋の雰囲気を感じられました。

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 ランチメニューは、干物定食、カレー、うどんなど。(よく覚えていません)

 私は、干物定食を頼みました。

 小鉢まで丁寧に作られている気がしました。

 特に切り干し大根のお菜は、スパイシーで美味しかったので

ご主人に入っているものをお聞きしたら、ちゃんと教えてくれました。

 さっそくうちで作ってみましたら、大体同じような味になりました。

 こうして面倒がらずに教えてくれるお店は、材料はちゃんとしたものを

使っているという私なりの価値観があります。

 

 飲み物付きでしたので、私はコーヒーを頼みましたが、豆を引いて

入れてくれました。

 このカフェは、日本で唯一の沖縄黒糖を使った和カフェだそうです。

 何種類もある黒糖のうち、この日は、波照間島の黒糖 の日。

 コーヒーについてきたお菓子は、その黒糖でした。

 黒糖は、確かに美味しいのですが、

後を引くので私にとっては、ちょっと危険です。

 お茶の時間は、いろんな飲み物やお菓子があって美味しそうです。

 時間を変えてまた行ってみたいと思いました。

ホシハジロ日記 12

*ご存知ない方へ

 このホシハジロは、去年の暮れに北の国から仲間と一緒に渡ってきたのですが、

左の羽を故障していて仲間が北へ帰る日が来ても、帰ることができずに

それ以来ずっとこの大岡川へ残って生活している鳥なんです。

 見守るしかできないけれども、この川を渡る時には必ず消息を訪ねて

時々記録しているものです。

 ホシハジロのオスなので、私は勝手に「ホシくん」と名前を付けて呼んでいます。

 前回の9月10日に見てから、約1か月、私の目からは行方不明のホシくんでした。

 9月15日、この日は通った時は、満ち潮でした。

 いつも大井橋の向こうにいるだろうと思っていたのですが、見つかりません。

 この日は時間があったので、その向こうの鶴巻橋、蒔田橋、井土ヶ谷橋まで

足を延ばして探しましたが、川幅も広く水深もあり、

下流には水にぬれないでいられる場所は、ほとんどありません。

 仕方なく戻って、今度は観音橋よりも上流を探してみました。

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 ちょうど観音橋のところには、ヒガンバナが咲いていました。

 お彼岸まで一週間、本当に季節をたがわず律儀な花です。

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 上流は、ガマなど水生植物も結構生えていて、逃げ場所があるのですが、

今までこちらに来ているのは見たことがありません。

 カルガモは、こちらに来ていることも多く、

なぜホシくんはこちらへ来ないのか不思議に思っていました。

 この日も、結局一つ上流にあるさくら橋まできましたが、

見つけることはできませんでした。

 

 カルガモが一羽パタパタパタと飛んで着水しました。

 いつもは、水かきで泳いでいるところしか見ないので、

カモは、飛べるんだと改めて感心しました。

 ホシくんの飛ぶ姿、見たいです。

 

 9月25日、ここのところ体調が悪く

スポーツセンターをお休みしていましたので、大岡川へくるのは久しぶりでした。

 この日も満ち潮でしたので、大井橋の向こうの土管へ直行したのですが

いたのは、亀吉くんばかりが10匹。

 結局見つけることは叶いませんでした。

 一体どこにいるのでしょうか。

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 10月11日今週の火曜日です。

 あまりホシくんの不在が長いので、行く前に潮見表を開いて、

干潮の時刻を調べてみました。

 この日は、朝の6時ごろに干潮で、昼頃満潮になることがわかりましたので、

いつもは、ヨガを終えて帰りに見回るのですが、

今回は朝早めに出て満潮になる前に探すことにしました。

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 近道をして川へ出たところにアオサギとカワウが来ていました。

 秋になり、たくさん小魚が上がってきていますから、肉食系の彼らにとっては

大岡川はまさにパラダイス、どこでもレストランです。

 さあ、弘岡橋までやってきたら、橋をくぐった先にいました、いました。

 カルガモさんと一緒にいました。

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 私にとっては、約一か月ぶりの対面です。

 少々、気弱になっていましたので、見つけた時は本当に嬉しかったです。

 元気でよかったあ!

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 反対岸には、いつも鯉がたくさん群れています。

 この橋のたもとでいつもパンくずをやる人がいるのを何回も目にしているので

鯉が集まるのは当然です。

 鯉だけでなく、ドバトもたくさん来ます。

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 これまでは、大きな鯉がいるところは、避けて通るようなホシくんでしたが

今日は、自ら近づいて行きました。

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 ぼけていてみずらいですが、おそらくパンの魅力に取りつかれたのではないかと

推測しています。

 野生の子は、強いです。

 これも生き抜いていく術なのでしょうね。

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 昼頃通ると、この時間は満潮ですから

やはり土管の上で眠っておりました。             

 

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 帰宅しようと、戻っていきましたら、サギよりもずんぐりしたシルエット。

 もしかして、ゴイサギかな と思って近づくと

ゴイサギにしては羽の色が青くありません。

 そこで対岸にいたカメラマンの常連さんに、

「この鳥、なんですか?」

と聞くと、

ゴイサギ。まだ子どもだよ。もう一羽来てるよ。」

と返事が返ってきました。

 あわてて撮ろうとしたら、向こう岸へ飛んで木の陰に隠れました。

 日陰なので、色目がよくわかりませんが、

たぶんゴイサギの幼鳥だと思います。

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 このカワセミポイントは、魚を獲るのには絶好の場所なんでしょう。

 いろんな肉食系の鳥がやってきます。

 この日は、ホシくんとも再会できたし、初めてのゴイサギも見られて

とても好い日でした。

 

浦賀散策 その2

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 東側の船着き場に到着しました。

 あっという間の船旅です。

 渡し舟が始まったのは、1733年。

 船の修理などは、東西の浦賀村が協力して当たることが条件で認可、

船頭さんの生活を、1軒当たり6合のお米で支えたそうです。

 

 この船は、平成10年から就航。

 現在は、御座舟風のデザインで「愛宕丸」という名がついています。

 朱色が鮮やかで、船がどこにいるかすぐにわかります。

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 待合室は、ナマコ塀風。

 ここからは、陽が沈むところがよく見えると聞きましたので、

夕日を眺めながらもう一度渡ってみたいと思いました。

 

 町の大きな道路の交差点には、

渡し舟が就航しているかを知らせる看板が。

 やはり、生活に直結している渡しだと思いました。

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 船着き場からさらに東へ行ったところに「東叶神社」がありました。

 

 ここは、房総を見渡す城があったところで、その後は明治まで

修験道のお寺だった場所だとか。

 勝海舟が、太平洋を渡る前にこの境内にある井戸で水垢離をし、

奥宮で断食をしたそうですが、

この日は、時間がなく実際にその場所を見ることは叶いませんでした。

 奥宮の本殿が火災で焼失したので、創建800年を記念して

35年くらい前に新しく作られたのがこの本殿だそうです。

 

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 ここにも階段の両側に樹齢を重ねた大きなソテツが植えられていました。

 上からのぞくと丸い白い円形の花が見えました。

 うちへ帰って調べたところ、これはメスの花だそうです。

 オスの花が咲いていたかどうかは気づきませんでした。

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 本殿からの眺めです。

 ここの狛犬さんは、子どもを手の中で慈しみ、

もう一方は乳を含ませている珍しい姿でした。

 西叶神社で、勾玉の石を購入し、東叶神社で石を納める袋を買って入れると

願いが叶うといわれているようです。

 若いカップルや、受験を控えた学生さんなどが訪れるようで、

西でも東でも、願い事を書いた絵馬がたくさんさがっているのを見ました。

 お商売といっては失礼なのかもしれませんが、この仕組みをラジオで聞いた時は、

どちらの神社にとってもよくできた試みだと感心したものです。

 

 天気が良かったらここから観音崎まで海沿いを歩いて

横須賀美術館まで行く予定でいたのですが、空がどんよりしてるせいで

海もドローンとしているので、バスで向かうことにしました。

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 観音崎でバスを降り、海沿いを歩きます。

 右の山の上に観音崎灯台が立っています。

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 5分くらい歩くと横須賀美術館に到着です。

 海が青いとそれだけでこの美術館へ来た甲斐があるほど南側が海へと続いていて

気持ちがいいところです。

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 今回の展覧会は、1850年くらいから100年ほどの間に描かれた女性の絵の展示です。

 ちょうど、産業革命がヨーロッパを席巻した頃で、社会の変容も著しかったし

その技法も、写実主義印象派フォーヴィスムキュビスムなど様々でした。

 

 「女性の肖像」「画家とモデル」「家庭の女性」「働く女性」「余暇(レジャー)」

「夢の女性」という6つのテーマに分けての展示で、興味深い構成だと思いました。

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 展覧会が終わりに近づくと混んでくることがわかっていたので、

この日無理やり来て正解でした。

 時間も午後3時近くだということもありましたが、

都内の美術館では考えられないほど、ゆっくりと鑑賞できました。

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 出てきたら、午後5時。

 一日出てこなかった太陽が、この一瞬だけ雲を夕焼け色に染めてくれました。

 トンビが3羽ほどゆっくりと旋回しています。

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 浦賀水道を行き交う船にも灯が入りました。

 5時7分のバスで、馬堀海岸の駅を経由して帰途につきました。

 

 おまけ

 西浦賀にあった「精栄軒」という老舗の和菓子屋さんで

 黒糖カステラと最中を買いました。

 どちらも神奈川県の指定銘菓に選ばれたお菓子だそうです。

 もう一つ黒糖まんじゅうを買いましたが、こちらは歩きながら食べてしまいました。

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