先日東神奈川駅のホームで穴子天ぷらそばを食べたことがきっかけで急に生麦の魚河
岸まで出かけようという想いが募って、蒲田へ用があった帰りに寄ることにした。
およその地図は頭に入っていたものの、道を歩いていたご婦人に道を尋ねた。
「私も同じ方向へ行くので一緒に行きましょう。」
と、JRの鶴見線のガード方向へ歩いて下さった。
ここがJRの国道駅。
電車は上階を走るので、左側に灯りが漏れているところから階段を上ることになる。
これがその改札口である。以前ここまでは来たことがあって、その時は、柵が設けら
れていて、電車の時刻になると駅員さんが改札口に出て来て、世話をしてくれていた
が、今は無人駅のようでスイカかPASMOの読み取り機と、駅名が書いてある紙が出てく
るものと、切符を入れる箱が置いてあるのみである。
首都圏でもこんな駅があるのだとびっくりする。
同じ駅の様子を2013年に写したものがあるが、確かに駅員さんが電車が到着す
ると出て来て灯りを点けて切符を受け取っていた。思えばもう10年も前の話なので、
さもあらんと納得。
このレトロな通路を通って通り抜けると旧東海道。
魚河岸は、朝早くからやっているので昼過ぎの時間帯は、魚屋さんは、ホースで水を
出しながらトロ箱を洗い店の片づけに余念がない。1軒だけやっている魚屋さんがあっ
たが、魚屋さんの数も私が見た限りでは、10軒あるかないかで想像していた魚河岸の雰
囲気は感じられない。
案内してくださった方が教えて下さった居酒屋さんだけランチの提供をしていた。
今日のおすすめに書いてある刺身定食を注文した。
刺身は、大きなぶり、クジラのベーコン、 マグロの中トロ、キンメダイ、つぶ貝、ホタテ、それにピカピ
カ光ったホタルイカ。 ちゃんと季節を感じられる魚が入っている。それに何といっても新鮮でおいしい。
味噌汁には若芽がたくさん入っていて春の香り満載だ。煮豆とたくわん、それにキュウリにつける梅味噌
が美味しい。小さなお店だが、酒の肴にできるような美味しいものがそろっていていいお店だなと思った。
「裏は、鶴見川だから河畔を散歩すると気持ちがいいですよ。」と勧めて下さったので、路地を抜けて遊歩
道へ出てユリカモメやキンクロハジロがぷかぷかしているのをしばし見ていた。
食は、春満載だったが、この日は日差しがあっても風が冷たかった。
初めて来たところなのに、生麦が魚河岸と呼ばれるのもそんなに長くはないかなと思うと寂しくなった。
(この記事は、3月7日のことで下書きのままになっていたもの)