紅葉が見頃ー鳴子温泉

 翌日6日朝、宿舎の交流館から20分ばかり歩いて獅子が鼻までマガンの飛び立ちを

見に行きました。月曜日だというのに結構な数のカメラマンが三脚を立てて用意をして

いました。

 6時20分ころ、曇っているものの東の空が赤く染まってきたので、そろそろかなと

思っていると、沼の奥の方の群れが一斉に飛び立ちました。手前のマガンたちは、羽を

ばたつかせているものの飛び立ちません。

 

 この日は、第2陣、第3陣とおよそ3回の飛び立ちになりました。よく晴れた日の出

だと1回で飛んでいくので、その迫力はすごいものになります。

 

 今年は伊豆沼の水がずいぶん少なくて驚きました。今まで何回も行っていますが、こ

んなに水位が低くなっている沼を見るのは初めてです。夏の蓮の花もずいぶん少なかっ

たようですし、異常気象のせいかもしれません。

 

 せっかくここまで来たのにそのまま帰るのはちょっともったいなくて、鳴子温泉に浸

かって帰る計画を立てました。くりはら高原駅から、新幹線で一駅戻り、古川駅から陸

羽東線というローカル線に乗って、鳴子温泉の一番奥の中山平駅まで行ってみました。

 

 まず、古川駅で海外から来た方たちが大勢いるのに驚きました。欧米から来た人もい

ましたが、ほとんどは、中国か台湾か区別ができませんが、中国語が飛び交っていまし

た。

 

 鳴子温泉駅から次の中山平駅に行く途中、鳴子温泉の紅葉時期のポスターに使われる

鳴子峡谷に来ると電車はスピードを落としてサービスしてくれます。電車の窓は汚れて

いるのできれいな写真は撮れませんが、一斉に人が張り付きます。画面の上にある橋の

上にもたくさんの人が張り付いているのが見えました。すぐに次のトンネルに入り、し

ばらくすると中山平駅です。

 

 駅から峠道を30分弱上ると電車から見た橋の上に到着です。

 峡谷の断崖と赤、オレンジ、黄色に色づいた木々の葉が織りなす風景がここは格別に

美しいのだと思います。

 橋の手前に駐車場とレストハウスがあります。展望台から下を覗くとさっき通った線

路とトンネルが見えました。誰が配置を決めたわけでもないのに、見事な紅葉です。

 電車から見えた大深沢橋です。この街道は、まっすぐに行くと、山形県新庄市へ抜

ける国道47号線です。

 

 この車道をしばらく行くと車専用のトンネルに入ってしまうので、脇道を上り下りし

ていくと「日本こけし館」に出てきました。

 温泉町には昔からお土産のこけしを作る職人さんがいるようですが、鳴子は、その中

でも有名で私もここのこけしを一体持っています。このこけし館には、古い時代からの

こけしや、鳴子だけでなくほかの温泉地で作られているものや、コレクションした方の

寄贈のものなどずいぶんたくさん収蔵されていました。

 鳴子のこけしの特徴は、首が回りキュッキュッと音がするところです。シンプルな形

と造りですが、顔の描き方も個性があり、丁寧に見ていくと興味が尽きません。

 今の人は素朴な木の人形にどれくらい興味を持つだろうかと思うと、何となく寂しさ

も感じました。

 館の人が鳴子温泉駅への帰り道を丁寧に教えて下さったので、景色も楽しみながら下

り道を40分くらい歩きました。

 駅の通りで見つけた鳴子名物「栗団子」。大きめのみたらし団子です。中に栗が

一粒入っているので大きいのです。

(今日はここまで、続きはまた。)