先週の日曜日、伊豆沼サンクチュアリセンター友の会のいも煮会へ参加してきまし
た。私が友の会へ入ったのは2016年。渡り鳥のことを調べているうちに、かつて
秋になると日本全国にマガンが渡って来ていたのに、開発が進み様々な理由でマガンを
見かけることが少なくなったようです。
それでもこの宮城県北部の伊豆沼辺りには、わずかに渡りが続いていたことがきっか
けでマガンを増やしていこうという機運が高まり、現在のように日本へ渡ってくるマガ
ンの8割から9割がここで越冬するようになりました。
この辺りは、田んぼが多く米や大豆を収穫した後の落穂が豊富であるために、エサに
困らないこと、沼があることで肉食の動物から襲われずに眠ることができること、沼が
凍らないこと(凍る年もある)など、マガンにとって好条件の越冬地なのです。
今年も9月にマガンの第一陣、10月に白鳥の第一陣がすでに到着していますが、
11月9日のサンクチュアリからの報告では、マガンが10万羽をはじめ、白鳥が約1
300羽、北の国から渡ってきています。
初めてここへやってきたときに、夕方三々五々竿になりカギになり隊列を組んでねぐ
らへ返ってくるマガンたちの様子や、明け方日の出とともに周りの田圃へと一斉に飛
び立っていく雄大な景色に圧倒されて、マガンたちの営みがこれからもずっと続くこと
を願う気持ちで、友の会へ入ったのです。
入ったのはいいのですが、友の会の春の会合や秋の行事にはなかなか参加できなかっ
たのです。一度は顔を出さなければいけないと思っていたので、そのうちにと思ってい
たら行こうと思っても行けなくなるかもしれないと思い、今年参加することにしたので
す。
サンクチュアリセンターの隣にある若柳ラムサール公園に着くと、もうセンターの職
員さんたちがすでに大鍋で里芋や野菜、きのこ、それに肉などを用意して煮始めていま
した。
仙台市や隣の古川市など近隣の地区からお子さんを連れた家族連れの方などがいらし
ていて作業が進んでいました。遅く着いた私もエプロンを付けてさっそくたくわんを切
り、その後沼で獲れた「ヌマエビ」と人参と玉ねぎを入れたかき揚げづくりを手伝いま
した。
昔は、沼で獲れる魚などはこの地域のたんぱく源でもあり、ヌマエビを獲る漁師さん
がそれを生業にしていたのだとあとから聞いて知りました。5㎝くらいしかない小さな
エビなのでそれだけでは量がないので、かき揚げがちょうどいいようです。
これは、雷魚の唐揚げ。白身で臭みもないので美味しく食べられます。雷魚も外来魚
ですが、ブラックバスやブルーギルほど繁殖力が強くないので、駆除されずにいます。
ナマズのから揚げです。細かい骨があるので、雷魚のように無防備で口に入れること
ができませんが、これも淡泊で美味しくいただけます。
友の会の近くの方が育てたサツマイモを焼きいもにしてくださったものです。
色が黄色いのは、シルクスイート、黄色いのは紅あずま系の芋だそうです。
準備が一通り終わった後、友の会の会長さんのご挨拶などがあり、この地区の農家さ
んたち(主に男性)、以前この地区に住んでいて今は同じ市内の山の方からみえた方、
それに家族連れの方々などと話をしながらごちそうを食べ親睦を深めました。
私はいも煮をお椀に2杯、焼き芋を1本、それにヌマエビのかき揚げ、雷魚とナマズの
唐揚げと一通りいただき、持って行ったおにぎりを食べる前にお腹は満腹でした。
初めての収穫祭でしたが、皆さん和気あいあい。沼の収穫物も食べることができて
伊豆沼への親近感が一層わきました。
この日は、曇っていましたが、日の入りの時間に近づくと三々五々それぞれねぐらへ
帰ってきました。昨年は、来ていなかったので久しぶりにがんの鳴く声を聴き、ほっと
安堵しました。