この映画は、2015年に公開された「ビハインド・ザ・コーヴ」の次作の映画であ
る。「ビハインド・ザ・コーヴ」は、「ザ・コーヴ」というアメリカの映画に疑問を抱
いた八木景子監督の反証にあたる映画だ。
「ザ・コーヴ」は、2009年に公開された。和歌山県太知町のイルカの追い込み漁
を問題視したアメリカのドキュメンタリー映画で、日本は、それ以来残酷なことをして
いるというレッテルが張られてきた。
2014年日本政府は、オーストラリアなど反捕鯨団体から国際裁判所に提訴され、
捕鯨のプログラムを見直すように裁定された。このことをきっかけに日本の捕鯨につい
てもっと深く知りたいと思い、「ビハインド・ザ・コーヴ」が制作された。
配給会社も付かず、長くこの映画が世界で見られなかったのが、2017年から大手
のネット配信が始まり、ようやく公平な立場でこの二つの映画が見られるようになった
そうである。
今回の「鯨のレストラン」は、「食」としてのクジラと「科学」としてのクジラを織
り交ぜながら提起してくれる映画だ。
科学者が難しい話もするが、他方環境問題とは無縁のクジラ専門料理店の大将
も出て、いろんなクジラの料理を見せてくれる。
八木景子監督は、前作の時は映画を撮るのも初めて、スポンサーがいないのですべて
自腹を切って公開まで持っていったそうで、本当にクジラの文化を知らせたい、捕鯨の
闇に挑戦したかったのだろうという熱意を感じた。
私は、小学生の頃給食でさんざんクジラの肉を食べた年代なので親しみがある。
しばらく食べていなかったので、展覧会を見に行くついでにさっそく訪ねた。
左は、クジラのステーキ。柔らかく臭みもなく美味しい赤身だ。残った肉汁もご飯にかけて食べる。
右は、クジラの尾の身。マグロの中トロに近い脂も感じる柔らかい身だ。
この週には、もう一度神田へ出かけた。その時食べたのが、刺身の五点盛りだ(一部
食べてしまった)。
左から赤身、ベーコン、胃袋、皮つきの脂身、尾の身。
ベーコンは、自家製で結構手間暇かけて作られる。胃袋は薄くて柔らかい。皮つきの脂身は、ガムを噛んでいるようで固いが噛んでいるうちに味が染みてくる。赤身も美味しいが、やはり尾の身は柔らかく脂の旨味を感じる。
ランチのステーキとか、竜田揚げ、ユッケ丼、刺身の三点盛りは、1000円で食べられるが、尾の身だけの刺身は、1800円、五点盛りは1500円。もっと高いかと思ったら、割合庶民的な値段なので、若い男性が次々訪れるのでびっくりした。