東側の船着き場に到着しました。
あっという間の船旅です。
渡し舟が始まったのは、1733年。
船の修理などは、東西の浦賀村が協力して当たることが条件で認可、
船頭さんの生活を、1軒当たり6合のお米で支えたそうです。
この船は、平成10年から就航。
現在は、御座舟風のデザインで「愛宕丸」という名がついています。
朱色が鮮やかで、船がどこにいるかすぐにわかります。
待合室は、ナマコ塀風。
ここからは、陽が沈むところがよく見えると聞きましたので、
夕日を眺めながらもう一度渡ってみたいと思いました。
町の大きな道路の交差点には、
渡し舟が就航しているかを知らせる看板が。
やはり、生活に直結している渡しだと思いました。
船着き場からさらに東へ行ったところに「東叶神社」がありました。
ここは、房総を見渡す城があったところで、その後は明治まで
修験道のお寺だった場所だとか。
勝海舟が、太平洋を渡る前にこの境内にある井戸で水垢離をし、
奥宮で断食をしたそうですが、
この日は、時間がなく実際にその場所を見ることは叶いませんでした。
奥宮の本殿が火災で焼失したので、創建800年を記念して
35年くらい前に新しく作られたのがこの本殿だそうです。
ここにも階段の両側に樹齢を重ねた大きなソテツが植えられていました。
上からのぞくと丸い白い円形の花が見えました。
うちへ帰って調べたところ、これはメスの花だそうです。
オスの花が咲いていたかどうかは気づきませんでした。
本殿からの眺めです。
ここの狛犬さんは、子どもを手の中で慈しみ、
もう一方は乳を含ませている珍しい姿でした。
西叶神社で、勾玉の石を購入し、東叶神社で石を納める袋を買って入れると
願いが叶うといわれているようです。
若いカップルや、受験を控えた学生さんなどが訪れるようで、
西でも東でも、願い事を書いた絵馬がたくさんさがっているのを見ました。
お商売といっては失礼なのかもしれませんが、この仕組みをラジオで聞いた時は、
どちらの神社にとってもよくできた試みだと感心したものです。
天気が良かったらここから観音崎まで海沿いを歩いて
横須賀美術館まで行く予定でいたのですが、空がどんよりしてるせいで
海もドローンとしているので、バスで向かうことにしました。
観音崎でバスを降り、海沿いを歩きます。
5分くらい歩くと横須賀美術館に到着です。
海が青いとそれだけでこの美術館へ来た甲斐があるほど南側が海へと続いていて
気持ちがいいところです。
今回の展覧会は、1850年くらいから100年ほどの間に描かれた女性の絵の展示です。
ちょうど、産業革命がヨーロッパを席巻した頃で、社会の変容も著しかったし
その技法も、写実主義、印象派、フォーヴィスム、キュビスムなど様々でした。
「女性の肖像」「画家とモデル」「家庭の女性」「働く女性」「余暇(レジャー)」
「夢の女性」という6つのテーマに分けての展示で、興味深い構成だと思いました。
展覧会が終わりに近づくと混んでくることがわかっていたので、
この日無理やり来て正解でした。
時間も午後3時近くだということもありましたが、
都内の美術館では考えられないほど、ゆっくりと鑑賞できました。
出てきたら、午後5時。
一日出てこなかった太陽が、この一瞬だけ雲を夕焼け色に染めてくれました。
トンビが3羽ほどゆっくりと旋回しています。
浦賀水道を行き交う船にも灯が入りました。
5時7分のバスで、馬堀海岸の駅を経由して帰途につきました。
おまけ
西浦賀にあった「精栄軒」という老舗の和菓子屋さんで
黒糖カステラと最中を買いました。
どちらも神奈川県の指定銘菓に選ばれたお菓子だそうです。
もう一つ黒糖まんじゅうを買いましたが、こちらは歩きながら食べてしまいました。