メアリー・カサット展

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 横浜美術館のメアリー・カサットの展覧会がもうそろそろ終わりというので

7日あわてて行ってきました。

 ウイークデーなので空いているかと思いきや、朝の10時半ごろなのに

チケット売り場には列ができていました。

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 メアリー・カサットの日本での展覧会は、35年ぶりだそうですが、

私は、名前も知りませんでした。

 彼女は、アメリカ人でフランスへ留学。

 サロン展に作品を出していましたが、

自分に似たところがあると思ったエドガー・ドガに誘われ

印象派の展覧会へ作品を出すようになったのだそうです。

 古典的な画風から水を得た魚のように自由な色彩・筆遣いへと変わっていきます。

 

 子どもを抱く女性や家族を描く眼差しはあたたかくしなやかでもあり、

他方、女性の自立を感じさせる強さも秘めていると感じました。

 

 印象派の絵画には、日本の浮世絵からヒントを得た作品が見られますが、

彼女もまた浮世絵からの影響を受けてたくさんの作品を描いています。

 

 油彩だけでなく、パステル画やエッチング、アクアチントなどの技法で

描かれたものもたくさんありました。

 

 メアリーだけでなく、その時代まわりにいたカミーユピサロエドガー・ドガ

ベルト・モリゾ、マリー・ブラックモン、エヴァ・ゴンザレスの作品、

それに影響を受けたといわれる喜多川歌麿葛飾北斎の浮世絵も展示されていました。

 

 混んでいてゆっくりは鑑賞できませんでしたが、

ランチの予約をしていたのでいったん食事をして

午後の時間に横浜美術館所蔵の

 「コレクションに見る女性の眼差し」を見るために戻ってきました。

 

 こちらはあまり期待をしていませんでしたが、

日本での西洋画の先駆けになった女性たちの作品にとても関心を持ちました。

 

 明治22年東京美術学校ができた当時は、女性の入学者は一人もいなかったそうで

女性が画業を学ぶのは大変困難な時代だったようです。

 

 その草分けとなったのは、渡辺幽香

 彼女は、画家五姓田芳柳の娘で、兄は西洋画の草創期の画家 五姓田義松。

 

 シカゴで開かれた博覧会の女性館に日本の代表的な女性画家として

「幼児図」という作品を出品。

 その博覧会の女性館の壁画をメアリー・カサットが担当していたそうですので

もしかしてこの二人は、どこかで出会っていたかもしれないという点からも

今回の展示は面白いと思いました。

 

 横浜美術館で今まで女性の作品ばかりの展示はしていなかったので、

今回は初めての試みだったそうです。

 渡辺幽香から始まり、上村松園片岡球子小倉遊亀・・・など

現代の作家さんの作品まで所蔵作品が展示されていました。

 

 それと合わせて、ちょうどカサットが生きていた頃のアメリカ

(1860年から1940年)の写真展も同時に開催されてました。

 

 この日は、ロイヤルパークホテルの地下1階のカフェ・フローラで

メアリー・カサット展とコラボしたランチがあるというので行ってみました。

 ここも女性客で満員。

 ウエーターさんに

「予約をしていただいて正解でしたね。」

と、言われました。

 シェフがメアリーの作品にインスパイアーされて作ったメニューだそうです。

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 前菜3種

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 キノコのポタージュスープ

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 メインはチキンを選びました。

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 デザート

 パレットを模したお皿の真ん中にチョコレートの粉で

MARY CASSATT 、筆で色を付けたようなソースもおしゃれです。

 今回の展覧会の半券で10%引き。

 1人では贅沢だと思いましたが、先月末が誕生日だった自分へのプレゼント。

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 帰りの道で見た夕焼けです。

 昼間の気温だけでは、秋を感じにくいですが、

夕焼けの雲の色を見ると、やっぱり秋なんだと思います。

 印象派の画家 モネの「印象・日の出」の色に似ているような気がしませんか。

 

 *この展覧会は、11日で終わりますが、

今日、電車の中で横須賀美術館のポスターを見たところ、

「女性を描く」クールベルノワールからマティスまで

(9月3日から10月23日まで)

というのがありました。

 

 今回の「女性が描く」女性と「女性を描く」の女性を見比べてみるのも

興味深いと思いました。

 横須賀美術館は、東京湾が目の前で

青い海も合わせて見られるロケーションのよい美術館です。

 お勧めです!