紹介してもらった展覧会が23日までということでしたので、
昨日は、葉山にある神奈川県近代美術館へ行ってきました。
京浜急行で新逗子まで行って、そこからバスで20分くらいで着きます。
目の前が海で、とても開放的な空間が演出されています。
ちょっと雲がかかっていましたが、海の向こうに大きな富士山が見えました。
麓の方は、少し雪が解け始めているらしく、右の方は、だいぶ青くなって見えます。
風もなく、とても穏やかな海で、ヨットやウィンドサーフィンがたくさん出ていました。
庭に咲いていたのは、砂地に育つハマダイコン。紫のオオアラセイトウとは花びらの色が違います。
湘南は、やっぱり春が早いです。
珍しくもありませんが、小ぶりで色が鮮やかです。
今回の展覧会のタイトルは、「柳瀬正夢展」(やなせ まさむ) 時代の光と影を描く。
柳瀬正夢は、1900年に生まれ、1945年に亡くなった画家です。
少年時代を四国松山と北九州門司で育ち、14歳の時に上京して自ら見て学び、15歳のときに、第二回院展に入選するなど早くからその才能を開花させました。
美術学校へ行ったわけではないところは、二宮の「二見利節」(ふたみとしとき)と同じです。
初めの頃の作品を観ていると、点描の技法で描いたものや、セザンヌを髣髴とさせる風景画など鮮烈な色彩感覚、勢いのある筆致の油絵がたくさんありました。
関東大震災を経て、大きく人生観が変わり、その後は、プロレタリア運動にかかわり、たくさんの風刺漫画やポスター、新聞や絵の挿絵などを作品としていました。
戦争に突入した後は、投獄され、表現活動を制限される中で、また再び油絵を描くようになっていきます。
この画家は、アトリエでこもって作品を作るというよりも、旅の中で見たものを描くことが好きだったようで、日本の各地を歩いたり、中国へ渡って描いた 風景画のような作品が多いのが特徴でした。
1945年5月、後3ヶ月で終戦だったのに、空襲でなくなったということです。