3日目は、晴れたり雨が降ったりの目まぐるしい天候だったが、
干潮の時しか現れないというパワースポット、「ハートロック」を探しに出かけた。
私たちが宿泊していたロッジからさほど離れていないはずなのに、
海岸へ下りていく道が一向にわからない。
人に聞いて、ここだろうという道を探し下りていく。
両側には、ソテツ、クワズイモ、ゲットウ、アダンが茂っている。
左は、クワズイモの花で、右は、クマタケランではなくゲットウの花。
房が垂れていているところ、蕾が丸くて桃の実がイメージできるだろうか。
海岸が見えるところまでやってきた。
この辺りの海岸は、直接波が打ち寄せている。
右側の手広海岸では、サーフィンもできるのだそうだ。
アダンの気根がむき出しになっている暗いトンネルのような道は、
ちょっと怖い感じがする。
暗い道を下りると浜辺へ出てくる。
案内表示もなく、誰もいないので、聞くわけにもいかず、
とりあえず砂に残っている足跡を手掛かりに歩いてみた。
侵食によってできただろう大きな岩もあり、
その先に岩のお皿のような潮だまりが点々としている。
お目当てのハート形の潮だまりを探して歩く。
写真を見ると、海の色がエメラルドグリーンになっていて
恋人たちがうっとりとするような潮だまりだが、結局それらしいのは見つからない。
恋のパワースポットが今さら必要でもあるまいと、途中であきらめ
「私のハートロック」と心に決めたのを写真に納める。
小さめなので、パワーのご利益も小さいかもしれない。
広い砂原には、グンバイヒルガオが群生しているのが見られた。
ここのはすごい。
「はまひるがおの小さな海」の背景は、きっとこんなところだったのだろうと
改めて想像してみた。
こちらは、アダンの実。
沖縄で初めて見た時は。パイナップルかと思ったくらいよく似ているが、
普通は食さないそうだ。
まだ花が咲いていないのでわからないが、これは、「ハマゴウ」だろう。
紫色の美しい花で、実は、漢方薬に使われる。
さて帰ろうと思ったが、海岸への出口を確かめておかなかったので、
見まわすところがどこも同じような景色に見え、ずいぶん探し回った。
もしかしてこんなところで遭難なんてことはないとは思っても
今は干潮だが、満潮になったら水に浸かってしまうかもしれないとちょっと怖かった。
それでも、何とか道が見つかって無事浜から脱出できた。
一度食事をするためにロッジへ帰り、午後は奄美パークへ。
奄美パークは、奄美の自然、歴史、文化などを展示や映像で紹介し、
それに「田中一村」の美術館も併設されている。
上の写真は、一村美術館の建物だ。
なかなか個性的な建物だ。
庭には、一村の絵に登場する植物を植えてあり、
その向こうに360度奄美大島が見えるという展望台もある。
時間がなくて、この日は展望台には登っていない。
一村の絵は、30年くらい前に新宿のデパートで開かれた展覧会で見たことがあるが、
生命力あふれる生き物の絵を新鮮な気持ちで受け止めた記憶がある。
彼の絵は、およそ日本画に登場してこない南国の植物や鳥をモチーフにしている。
今回買った絵葉書。
右は、クワズイモとソテツ
今日は、ここまで。
(つづく)