6日の日に三浦半島へ行ってきました。
いつもは、茅ヶ崎とか辻堂などの砂植物しか見ていないので、岩海岸の植生との違いを確かめるために出かけました。
辻堂集合で134号線を鎌倉、逗子、葉山と東へ進み、三浦半島の西側の先っちょに近い荒崎を目指しました。
この日は、曇りという予報でしたが、みるみる晴れてきて青い海が見られ気持ちのよい一日となりました。夏は、たくさんの人で混んでいそうですが、もう秋ですので、駐車場もガラガラです。
「荒崎海岸」です。数十年前、城ケ島へ来た時に、この海岸に寄って、潮だまりにいる魚や貝やウミウシを見つけたことがありましたが、今回のような植物の観察は初めてです。
地層のことはよくわからないのですが、灰白色に見えるところがシルト岩と砂岩、黒灰色の地層がスコリア凝灰岩だと教えてもらいました。岩盤の上にいきなりローム台地が乗っかっていて、砂地がほとんどありません。
もう少し先へ進むと、いきなり崖になっているところに砂海岸には見られない植物たちが生えていました。
「ハマゼリ」です。ハマボウフウにも似ていますが、白い花の中がピンクに色づいてなかなかかわいい花をつけています。実は、この花の種が取れる時期だというので、種の採集をする予定だったのですが、まだ少し時期が早かったようです。
「ボタンボウフウ」です。ハマボウフウとは仲間ですが、ここにはハマボウフウは1本も生えていませんでした。わずかな岩のすきまに根をのばしてたくましく生きています。ボウフウ仲間なので、白いニンジンのような花を咲かせるようです。
ぼけておりますが、「ソナレムグラ」といいます。もっと成長しているのがありましたが、花をつけていたのは、これだけでした。4枚の花弁の白い花です。漢字を充てると、「磯慣れムグラ」磯の環境に適応したという意味で、ソナレと付いたそうです。砂植物の中に外来種で「オオフタバムグラ」というピンクの小さな花をつける種類と同じ仲間ですが、外来種の方は、除草の対象になっています。
「タイトゴメ」といいます。セダムのように肉厚の植物ですから、少々水分がなくても自分でたくましく生きられそうです。
すっかり枯れていますが、「ハマエノコロ」といいます。エノコログサですが、丈が短くて花の部分がふさふさしていてボリューム感があって高級に見えます。
「イソヤマテンツキ」といいます。砂地に移植した「ビロードテンツキ」と同じテンツキ仲間ですが、丈が長くて、表面に毛が少ないのだそうです。
「トベラ」の実です。崖のわずかなスペースに生えています。
ちょっとうすよごれていますが、「マルバアキグミ」です。小さな赤い実をつけています。グミだから食べられそうですが、ほとんど果肉はなさそうです。下に生えている緑の葉をつけているのは、「イソギク」です。
手前にあった砂地に茅ヶ崎にも生えていた「ツルナ」が元気に葉を伸ばしていました。小さな黄色い花もまだつけています。葉の表面が白く光って見えるのは、塩です。体内に取り込んだ水分の中に入っている余計な塩分を中から出しているのです。ニュージーランドホウレンソウといわれるくらいですから食べられると聞いているのですが、まだ食べたことがありません。
砂地の部分には、このほかにもハマダイコンが生えていましたが、砂地と岩海岸では植生が違っているのがこの荒崎だけでもわかりましたが、もう一つ「新浜海岸」へ行ってさらに観察を続けましたが、長くなったので続きは次回へ。