4月22日「ハマヒルガオ」
砂浜に拡がるハマヒルガオが見たいというだけで、ネットでたまたま知った「NPO法人ゆい」が実施した植物観察会に参加したのが2年前。
参加している方々は、大学や高校の先生方や学生さんなど茅ヶ崎に住んでいない方もいるのですが、ほとんどは茅ヶ崎の住民です。
ふるさとの砂浜に昔のような海浜植物を復活させ自然豊かな浜辺にしようという試みに賛同し、日常の細々した活動にすぐに参加できる方たちの中に混じって一人横浜から参加しているのが私です。みなさん、2年前に飛び入りで参加した変わり者にもかかわらず、他の方とわけ隔てなく接してくださるので、ついずるずると活動に参加しているというのが実態です。
「ハマエンドウ」
種を取り、砂をつめた牛乳パックに種をまき、発芽させて植栽させるところまで苗を育てる作業など地道にコツコツやっていくことが本来のすごく大事な活動です。
地元の茅ヶ崎市や藤沢市のサポート、企業や地域のロータリークラブからの環境活動への支援、学校や保育園の子どもたちをも巻き込んで一つの大きなうねりもあって活動の量も質も年々上がってきているのが目に見えてきています。
春と秋は砂浜の外来植物の除去と牛乳パックで育てた苗を植える植栽会が主な活動で、それ以外にも海浜植物の座学や広報活動としての展示会や苗のお渡し会、地域のお祭りへの参加など、月に1回は何かしらイベントがあります。
私はそんなイベントがある時だけ参加しているわけで自分でもこれでいいのかなと自問自答の2年間です。
「ハマダイコン」
4月22日には2年前と同じように茅ヶ崎漁港をフィールドとした観察会がありました。
今までも観察会はありましたが、自分たちが植物のことをもっと知ったうえで活動していかなくてはということで、計画された観察会です。
「ハマボウフウ」
うちのハマボウフウとはけた違い、砂にしっかりと張り付いて砂嵐や強風にも負けそうもない力強さを感じました。
ハマボウフウは、湘南海岸の代表的な植物で、昔はこの地域の人たちは春の出たばかりの若い葉を食べていたそうです。私たちが植えたものを見て通りがかりの人から「懐かしいなあ。」という言葉がよく聞かれます。昔から漢方薬の材料やお屠蘇の中にも使われてきた貴重な植物だそうです。
侵食による砂浜の減少や海浜をあまりにも人が踏みつけることが増えて減少の一途を辿っています。
「コウボウムギ」
茅ヶ崎漁港がある後方のスペースは、荒れ地になっていて「テリハノイバラ」「ハマダイコン」「ハマエンドウ」「コウボウムギ」「コウボウシバ」「ハマヒルガオ」など外来植物も含め種々雑多な植生となっているのですが、それを過ぎたあたりから西は、風が吹けば砂が移動し、高波があれば海水が上がってくるような過酷な環境になっている砂浜になっていました。
高波にも強風にもさらされる最前線に生えていたのが「コウボウムギ」と「コウボウシバ」それに「ハマヒルガオ」でした。
今まで、プリントで説明を受けたことがあったにも関わらず、実際はこんな過酷なところに彼らは根を張っていたのかと知識と感覚が一致した瞬間でした。
「ハマヒルガオ」も波が上がって崖のようになったところに根を張り「コウボウムギ」や「コウボウシバ」と共に砂を取られまいと頑張っている姿に感動しました。
代表の方がいうには、津波などが押し寄せてくる時に、こういう植物が生えていることである程度食い止めてくれるのではないかと 防災上の観点からも海浜植物は大事なのだと言っていたことも想像できるような気がしました。
座学で写真やプリントによる説明は受けてもすぐに名前を覚えるということも、ましてや砂草が本来持っている性質やら、浜辺のどのあたりをその生息地にしているのかを理解することが老化と共になかなか叶わずこの日の観察会は有意義なものでした。
6月9日に市や企業の後援を受けた植栽会があったので参加してきました。この日は、近隣の高校から30人くらいの高校生の参加がありました。企業の社員、その家族なども含め総勢60人くらいだったかと思います。
暑い日でしたが、大勢だったのであっという間に仕事は終わりました。こういう環境を守っていく活動に若い人たちの参加は必要です。受け継いでくれる人がいなかったら続いていかないからです。今までも地域の保育園や小学校の子どもたちが参加してくれたことがありましたが、高校生の参加はまた新たな展開につながるかもしれないなという予感もありこの日は明るい気持ちになりました。
もう海の家を建てる工事が始まっていました。7月は、お祭りもあり海水浴など海のレジャーも本番を迎えます。サイクリングロードの内側になったところで柵もあるのですが、植栽をした植物たちが踏みつけられて消えてしまわないよう祈りたい気持ちです。