気仙沼6 塩釜編

 

 旅の最終日、朝から晴れました。追分温泉の女将さんが玄関の前で写真を撮ってくだ

さいました。頼んでおいたタクシーがちょうど来たところです。

 

 ここから塩釜へ行くには二通りの方法があることがわかりました。

 一つは、気仙沼線石巻線が分かれる前谷地という駅まで乗ってそこで乗り換える

か(この線では、もう1回乗り換えが必要)、もう一つは東北本線の在来線と接続でき

る小牛田まで行き、そこで乗り換えるか、です。

 

 こんなことを書いても鉄道好きの人しか理解いただけないと思いますが、塩釜はそ

んなに大きな町ではないのに、本塩釜、塩釜、東塩釜西塩釜 と塩釜と名の付く駅が

4つあります。私は初めていく街だったので、どこで下りたら行きたいところへ短時間

で行けるのかさんざん地図や列車の接続時間を調べ決めました。

 結局、東北線塩釜駅が帰りに仙台へ出るのにも都合がいいということで、小牛田か

ら行ける塩釜駅を選びました。

 

 塩釜といえば、社殿がりっぱな鹽竈神社へ行ってみたいと以前から思っていました。

 鹽竈神社というのは、陸前の一之宮で一番格上の神社です。

 

 下調べでは駅から塩バス(町民バス)に乗る予定でしたが、まだ予定時刻まで20分

くらいあり、待っている人に聞くと、巡回バスで鹽竈神社に行くには遠回りするので時

間がかかると聞かされたので、タクシーで行くことになりました。

 帰りに撮ったのですが、これが、鹽竈神社の表参道です。202段の階段で上れば

ご利益がありそうでしたが、疲れていると敬遠したくなる階段です。

 タクシーの運転手さんは、私たちを見て表参道から長い階段を上っていくのは大変だ

から、裏参道で上まで車で行った方がいいと勧めてくれるのでお勧めに従って、隣の志

波彦神社の駐車場まで行くことにしました。

 鹽竈神社の隣に志波彦神社があるのです。

 志波彦神社の茅の輪です。6月ですので、私たちも夏越の祓いを済ませお参りをしま

した。(なんで、鹽竈神社と隣り合わせの場所にあるのかとか、どんな神様をお祭りし

ているのかなどは、省略させてもらいます。)

 この門は、表参道の階段を上った正面にある随身門です。

 門をくぐると、さらに奥へと立派な社殿が続きます。

 

 狛犬です。ちょっと変わった狛犬だなと思いましたが、どうでしょうか。

 傾いているのは、私の心が傾いていただけです。普通は、本殿と呼ばれるところです

が、ここでは左右宮拝殿と呼ばれています。左側には武甕槌神タケミカヅチノカミ

右側には経津主神(フツヌシノカミ)が祀られています。どちらも戦いの神様だそうで

す。(ここは、北の守りの最前線だったからでしょう。)

 すみません。また傾いてしまっています。正面の左右宮拝殿に向かって右側にあります。

 実は、これが鹽竈神社主祭神をお祀りしている社殿で別宮と名付けられています。

 別荘のように2番目のという別ではなく、特別であるという意味の別であるのだと思

います。正面じゃなくて手前の横というのが解せませんが、後ろには海があるので、海

を背負って守っているのかもしれません。

 祀られているのは、鹽土老翁神(シオツチオジノカミ)海の守護神であり、製塩

方法を伝授したと言われている神様です。 

 

 ここで、塩釜観光協会のボランティアのベストを着た男性が説明させてもらえないか

と私たちのところへいらしたので、お願いしました。

 まだ始めたばかりだとのことでしたが、神社の裏手にある建物のことや、屋根の形の

ことなどざっと見てもわからないことをいろいろ話してくれました。

 

 その方は塩釜で育ち、その後塩釜を離れて働いていましたが、また塩釜へ戻って来た

のだそうです。地元のために何かできないかと思って、勉強してこのボランティアを始

めたそうです。

 まだ仕事をやっておられるので、土、日にここへ来て観光客に説明をしたりしている

のだと言っておられました。まだ上手にはできないけれど・・・と謙遜されてい

ましたが、熱意がすごく伝わって来ました。

 地方には気持ちの熱い人がいるんだなと嬉しくなると同時にそんな方と出会えた偶然

に感謝したい気持ちになりました。

(続きます。あと1回)