初めての傍聴

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 もう2週間も経ってしまいましたが、

’11月16日は、東京地裁

「TPP交渉差し止め・違憲訴訟」の第2回目の口頭弁論が行われました。

 1回目は、9月でしたから2か月ぶりです。

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 午後1時半より、地裁門前で、集会が持たれました。

 ざっと200人余りが集まりましたので、

2時から傍聴券の配布でしたが、人数がオーバーしているので

整理券をもらって並びました。(この日は98人の枠)

 整理券番号で抽選が行われ、くじの当たりにはとんと縁のない私ですが、

この日は、当たって無事法廷に入ることができました。

 

 1回目は、傍聴の抽選に間に合わず、

訴訟の後の報告会に参加しただけだったので、全く初めてのことです。

 

 第2回の原告代理人は、元外務省国際情報局長・孫崎亨氏と

NPO法人アトピッ子地球ネットワーク事務局長・赤城智子氏のお二人で

とても楽しみにしていたのですが、

結局このお二人の意見陳述は聞けませんでした。

 

 第1回目の時は、3人の原告代理人が意見陳述できたのに、

なぜ今回はできないのか納得がいきませんでした。

 仕方なく、原告の弁護士が代わりに意見を述べるにとどまりました。

 

 裁判を開く前に原告、被告、裁判官で進め方についての打ち合わせが

あるのだそうですが、その際認められなかったということです。

 それでも、原告団の弁護士は、裁判の進め方について

原告代理人から、直接口頭での意見を聞き裁判に反映すべきだと

とうとうと裁判官に訴えたのですが、受け入れられませんでした。

 

 内容については、「TPP交渉差し止め・違憲訴訟の会facebook」を

見ていただければ詳しい報告がされています。

 

 ただ、今回の裁判では、今まで3回目までしか予定が入っていなかった裁判が

「4回目も予定しましょう。」の言葉が裁判長から聞かれたこと。

 

 もう一つは、被告の国側に早くTPPの英語版

日本語に訳したものを提出してもらわないと

これからの裁判の進め方に関係するので、という要求に関して、

検討して連絡をするというところまで答えが返ってきたこと。

 

 この2点は、収穫といっていいのではないでしょうか。

 

 だいたいTPPの文書が、英語、フランス語、スペイン語で表されているものは

あるのに、日本語はないのはおかしいです。

 1000ページもある膨大な文書を日本は、

英語から翻訳することでしか内容を把握できないのです。

 これも日本は要求してこなかったということです。

 言葉というのは、微妙で 

国は、オブラートに包んだような言葉にして出すつもりなのかもしれません。

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 裁判が終わった後、衆議院第一議員会館の集会室で、

報告会が行われました。

 国会議事堂の裏手なので、地裁からは坂を上り移動します。

 安保関連法案の集会のあった頃は青々としていたイチョウやケヤキ

今は、赤や黄色に色づいて経った時間を感じさせました。

 集会も開かれていないのに、一部道路を封鎖し、

大勢の警官を動員して警備していました。

 フランスでのテロを受けての警備なんでしょうか。

 

 傍聴できなかった人たちは、先にここへ移動して

韓国から第1回東北アジア通商専門家交流会に参加している弁護士さんから

「韓米FTA(二国間自由貿易協定)履行4年目の韓国の変化」

という講演を聴く機会を得られたということでした。

 

 二国間並行協議というのは、TPPの裏で

日米間でも進められていると聞いていますし、

大変興味のある内容です。

 韓国では、アメリカ産の牛肉が入ってきて、

7割の畜産農家が廃業に追い込まれているというのは顕著な例です。

 これからは、義務輸入とされている米の量も多く、

韓国の主食である米にも早晩影響はあるだろうと考えられます。

 重要な点は、国民にTPPの影響がすぐに出ないよう

徐々に変化させていくという点です。

 日本も同じ道を歩んでいくのではないかと危惧されます。

 

 日本ではTPPがもう決まったというような報道内容ですが、

まだ、各国で批准がされなければTPPは締結されません。

 これからなんです。

 カナダの若い首相は、TPPについて

広くパブリックコメントで意見を聞こうとする姿勢を見せています。

 日本でも、内容が国民に知らされていいはずです。

 都合のいいことだけを出すのではなく、

すべてを出して、広く意見を聞き、決めていくべきだと私は考えています。