観たいと思っていた映画が2本あったので
朝から名画座へ出かけた。
1本目は、この「ひつじ村の兄弟」。
アイスランドの映画。
アイスランドの映画は昨年の馬の映画に続いて2本目だ。
今回は、ヒツジ。
アイスランディックと呼ばれる純血家畜用ヒツジでは、
世界最古のヒツジ’だそうだ。
くるっと巻いた角が特徴的で毛足が長く縮れているヒツジだ。
アイスランドは、人口が約30万人、羊は100万頭だそうだ。
ヒツジは、とても大切な家畜。
舞台は、馬の時と同じような放牧地にヒツジがぽつぽつといった感じの
荒涼な土地である。
隣に住みながら40年もの間口をきかない不仲な兄弟が主人公。
兄の自慢のヒツジが疫病にかかっていることがわかり、
この村のヒツジは、すべてが殺処分されることになった。
2年間は、新しいヒツジを入れることも叶わない。
毎日ヒツジの世話をして生きてきた村人たちは、
何もすることが無くなるわけで、収入はもちろんのこと一大事。
この二人の兄弟がどういう行動をとったか、
それが、映画のラストに凝縮されていく。
映画のラストは、いつも感動的だ。
厳しい自然の中で暮らしている人々が
最古の純血種を守ろうと思う気持ちは、すごく強いものがあり、
ヒツジへの深い愛情が生半可ではないこともわかる映画だ。
2本目は、「放浪の画家 ピロスマニ」
この映画は、グルジアの独学の天才画家ニコ・ピロスマニの半生を
描いた作品である。
1978年に日本で公開されていた映画だそうだが、
ロシア語版のプリント上映だったのを今回は、
グルジア語のオリジナル版で、デジタルㇼマスター版の再上映となった。
古い映画なので、音声が正常でないところもある。
場所は、グルジアのチフリス(トビリシ)、19世紀後半が舞台。
幼くして両親を亡くした彼は、長年世話になった家を離れ流浪の生活を始める。
酒場や食堂の看板や壁にかける絵を描いては、日々の糧をえるような生活だった。
ピロスマニは、「百万本のバラ」の歌で、
女優に恋した貧しい絵描きのモデルになったといわれている。
絵の題材は、動物、人物、人々の暮らし、風景など。
自分の思うまま、独特の画風で描いている。
彼の絵がそのまま写し撮られたような
静謐な映像に魅せられた。
*ひつじ村の方は、29日まで。ピロスマニは、2月5日まで
ジャック&ベティにて公開中。