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「もうひとりの息子」

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 東京映画祭でグランプリを取った作品なので、もうすでに公開されてから久しい映画だが、いつもの通り名画座ですので、年末になってようやく観る機会を得ました。

 日本の是枝監督の「そして父になる」という映画と似ています。

 出産時に赤ちゃんが取り違えられ、違う父母に育てられた映画というところは似た設定ですが、この映画は、片やイスラエル、片やパレスチナの二つの家族。

 宗教は、ユダヤ教とイスラム教。言語は、ヘブライ語とアラブ語。

 イスラエル側の父親は、軍の大佐で裕福な家庭。

 パレスチナの家族は、イスラエルが占領している高い塀に囲まれた西岸地域に暮らし、通行証と身分証明がなければ検問所を通り抜けることもできない。

 いろんな対立軸を持つ二つの家族であり、息子である。

 家族とは何ぞやという深い命題とは別に、国同士が戦争状態ならどうなんだろうという別の要素も含まれ、最初から息詰まる映画だった。

 ちょっとあらすじに触れると、イスラエル側の父母に育てられた息子が18歳になり、軍に志願するため身体検査の一環で血液検査を受け、生まれるはずのない血液型であるという結果が出たために、この事件が表に出てくる。

 湾岸戦争のときに、ハイファというところにある病院で同日に出産。戦争の混乱で、避難を余儀なくされたため、この事件が起こってしまった。

 ただ、日本の映画とは違って、この息子たちは、二人とも18歳。

 親の混乱はもちろんあるのだが、二人の息子たち自身がどう乗り越えようとしたかというところが大事な点であり、この映画の見所と言える。

 今月27日まで、Jack&Bettyで公開中の映画である。