バルチット城
学校の参観を終え、さらに登って、カリマバードの村を一望できる高台に建っているバルチット城を見学した。
この城は、この辺りを治めていたミール(藩主)の居城であったが、現在は博物館になっている。
このフンザのミールは約960年もの間この地域を治めていたので、イギリスがインドの一部としてここを統治していたときも、藩王国を利用し、間接的な支配にとどめていた。
1947年パキスタン独立後もイギリスに習って同じような方法をとって統治していた政府が、ブット首相の時に政府の直接統治へと変えたため藩王国は1974年に終焉した。
しかし、今も王家所有の広大な土地があり、この地域の人々に大きな影響力を持っているとのことだ。
城がどこかチベットのポタラ宮に似ているのは、王家にお嫁に来た王女様のふるさとから職人を連れてきて作らせた城だからだそうである。
暖房設備が整っているわけでなく、背後が氷河なので、春の今でもなんとなく寒いのに、冬はどうやって凌ぐのだろうと思いながら部屋を見学した。
南側の日当たりのよいバルコニーからフンザの谷が一望できる。
日本のお城も高いところにあるのと同じ意味があるのだろうが、「村人の家から夕餉の煙は、あるやなしや・・・・」と思う藩王であったかどうだかは定かでない。
すぐ下にクリケット場があり、その様子を生ライブで見て楽しんでいたという話は聞くことができた。
イギリスが支配していたので、この辺りの村にはクリケット場がある。アルチット村に行ったときは、ちょうど日曜日でもあったせいか、クリケット場では、人がたくさん集まり、大人も子どももクリケットを楽しんでいた。野球と違って下から、それもワンバウンドで打つことが多い。(ノーバウンドでも可)
政治支配が終わってもスポーツはちゃんと根付くようだ。
次へ続く