「また鳥~」という声が聞こえそうですが、自分の記録ですので、勘弁してください。
この旅を計画したのは、9月。
11月6日の伊豆沼のサンクチュアリセンターの観察会に参加したいと思って
申し込んだので、この日が旅のメインだったのです。
というわけで、6日は、午前5時半集合に間に合うように、
午前5時に宿舎を出発して懐中電灯で道を照らしながら
真っ暗な道をサンクチュアリセンターまで歩きました。
この日の観察会は、ラムサール条約に登録されている
伊豆沼・蕪栗沼・化女沼のラムサールトライアングルを回るツアーでした。
マイクロバスに乗せて運んでくれますし、研究員の先生たちのレクチャーや
望遠鏡つきです。
まずはじめは、5日にも個人で行った「獅子が鼻」でのガンの飛び立ち観察。
やっぱり飛び立つ気配をつかみきれないので、
またシャッターを切るのが一瞬遅れました。
でも、今までで一番多くのガンを低い位置で捕らえることができました。
この日は、北西風が強く、飛び立ったはいいのですが、強い風に押し戻され、
翼を一生懸命動かしながらもなかなか先へ進めない群れが多く、
途中から方向を変えて飛んでいったり、沼へ戻って下りたりするものもありました。
日本海やオホーツク海を渡る時にも同じようなことがきっとあっただろうと
渡りの苦労を垣間見た気がしました。
ガンの飛び立ちの後、しばし沼に静寂が訪れます。
残っているオオハクチョウやヒシクイが浅瀬で餌をついばんでいるところも
望遠鏡を使って見せてくれました。
この日先生方に教わって、初めてヒシクイがこの沼にやってきていることを
知ったわけです。
外見は、ガンとあまり変わりがないので、気づかないのです。
気温はさほど低くはないのですが、とにかく風が強く
帽子はもちろん、マフラーで口まで覆っていました。
飛び立ちの前に、温かいコーヒーやココアのサービスがあり、
暖を取ることができました。
この見学会は、飲み物付き、朝ごはん、バス代、保険料込みで1500円なんです。
7時少し前にサンクチュアリセンターへ戻り、朝ごはんを食べました。
日曜日のお昼だけご夫婦で営業している「四季味」さん。
その日は、ツアーに合わせて、朝早くから準備してくれた特別な朝ごはんです。
「農家なレストランなので、うちで作っている野菜を中心にした献立です。」
と、奥さんが挨拶されていました。
寒い外から帰ってきたので、野菜たっぷりの豚汁や、出汁で伸ばした山芋、
湯気の立つ新米のご飯、ダイコンの酢漬け、きんぴらごぼう、野菜の煮びたし、
ボリュームたっぷりの美味しい朝ごはんがいただけて本当に幸せでした。
ご飯は、ご主人がはいつくばって作った有機栽培米だと奥さんが紹介されていたのが
心に残っています。
8時前にまたマイクロバスに乗り、次の目的地へ出発。
10キロくらい離れているかと思いましたが、ここが蕪栗沼です。
伊豆沼に比べると面積は狭くて、観察するにはちょうどいいのかもしれません。
枯れ野に2つの沼が見えます。
2つの沼の間の道を10分ほど歩き、右側の沼へ向かいました。
柳の木の間から、まどろむオオハクチョウやヒシクイなどが見えています。
ヒシクイは、ガンの仲間ですが、名前の通りヒシの実を食べる鳥なので、
マガンと一緒に飛んでいく必要がないのでしょう。
研究員の先生が、沼の向こう側にいた1羽のヘラサギを見つけて教えてくれました。
ダイサギくらいの大きさですが、嘴が黒くてしゃもじの形をしています。
この辺りに飛来するのは珍しくて、1年に数回しか見られない鳥なので
ラッキーだとおっしゃっていました。
前で眠っているのが、ヒシクイです。
胸の毛は、モフモフしていて毛布に使いたいくらいです。
お目目がかわいらしいのは、先ほど紹介したモフモフ ヒシクイです。
オオヒシクイより少し小型です。
オオバンです。
昨年、大岡川にも飛来してきたのでお馴染みさんです。
オオハクチョウの飛来。
二羽仲良く飛んできたので、たぶんカップルでしょう。
ハクチョウは、夫婦仲がいいですね。いつも一緒です。
オオハクチョウの着水。
5羽でやってきました。
よく見ると、白いのが2羽、灰色が3羽ですから
これはご夫婦と3羽の子どもの家族に違いないでしょう。
夫婦愛だけでなく、家族に対しても強い絆で結ばれていますね。
これは、ハマシギ。
かわいいでしょう。
ほかの鳥から比べると、かなり小さくて
浅瀬をちょこちょこと動き回っていました。
アラスカあたりから越冬するためにやってくるのだそうです。
写真はありませんが、タゲリというのも教えてもらいました。
湘南の平塚辺りにも少数ですが渡ってきている鳥です。
またバスに乗り、向かったのは、化女沼。
ここは、ダム湖になっています。
ダム湖に浮かぶカモたち。
遠くだったので、ぼけた写真しか撮れませんでしたが、
ここには、ホシくんと同じ首が茶色いホシハジロがたくさん来ていました。
手前の首が黒いのは、キンクロハジロです。
カモたちだけで、それも数少なくちょっとがっかりでした。
陽が陰って風もあり、なんだかとっても寒そうなカモたちでした。
化女沼の観察館です。
ダムの説明板。
化女沼から、バスに乗り、伊豆沼のサンクチュアリセンターへ戻りました。
朝は、忙しくて気がつきませんでしたが、玄関を入ると、
模型のマガンが出迎えてくれていました。
入ったところにある1階の展示ホールです。
白い壁一面にイラストやはく製や模型などの資料がおしゃれに配置されています。
子どもたちが触って確かめるようになっているものもたくさんあって
広々とした素敵な空間でした。
階段を上って2階へ行くと朝ごはんを食べた「四季味」さんがあります。
昼ご飯は、費用には含まれていないのですが、とっても美味しかったので、
食べることにしました。
おかずはブッフェ形式です。
上段左から、野菜の煮びたし、サンマの煮つけ、里芋の揚げ団子、から揚げ、
真ん中、味噌の紫蘇巻、蓮の煮もの、酢ゴボウ、
下段、レンコンなどのサラダ、ウリの味噌漬け、ダイコンの酢漬け
有機栽培の新米と野菜たっぷりの豚汁。
これで1000円です。
お変わり自由ですし、すごく満足感があります。
こんな安心安全な外食ができることは、本当に貴重なことだと思います。
食べ物は、大事です。
サンクチュアリセンターの外観です。
蓮の葉をデザインしたような屋根が目を引きます。
建て替えられたばかりのようで、美しいです。
高台なので、庭からも伊豆沼を見下ろすことができます。
ドウダンツツジが見事に紅葉していました。
この日夕方の列車で帰ることになっていたので、歩いて宿まで戻りました。
二泊お世話になった「ウエットランド交流館」です。
隣の部屋の音が気になりましたが、
1人でも泊めてくれる安い宿舎で私にはとてもありがたかったです。
冬場は、もっぱら野鳥の観察で訪れる人が多いようです。
宿舎の管理をされている方がとても親切で
初めてだと知って、いろいろ教えてくれて有り難かったです。
これで、今回の冬鳥の飛来地を訪ねては、終わりです。
読んでいただいた方々ありがとうございました。