山手西洋館のクリスマス1

「ボブという名の猫」の上映が22日までだということなので21日の木曜日に見た帰りに、山手の西洋館へ世界のクリスマスの展示を見に行ってきました。

 午後3時半を回っていたので、イタリア山の外交官の家とベーリングホールと111番館と焦点を決めて見ました。

 関内まで歩いて石川町まで一駅電車に乗り、坂を10分ほど登るとイタリア山です。

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 陽が西に傾いていたので、メタセコイアの枯れ葉は夕焼け色に色づいています。冬至の前の日ですから。

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 庭の枯草越しに見えるラウンドマークタワーもマリンタワーベイブリッジもみんな西日を浴びてあかね色です。

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 さて、今年の外交官の家の展示は、ルーマニアです。ルーマニア黒海の港町コンスタンツァと横浜が姉妹都市という縁があるそうで、今回取り上げられたようです。かつて東欧と呼ばれた国にはポーランド以外は行ったことがないので、とても興味がありました。上の写真は、クリスマスの食卓をイメージしたテーブルセッテイングです。

 ルーマニアでは、24,25,26日の3日間がクリスマスのお休みで、飾り付けもするし、基本は家族が集まってクリスマスを過ごすそうです。

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 棚の上に置いてあった花瓶とルーマニアのホレズ焼きといわれるお皿。

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 ルーマニアのクリスマスに欠かせないのが、「コゾナック」。ココアが入ったマーブルケーキのようです。パンのようでもあり、ケーキのようでもありますが、クリームでデコレーションしたような派手なものではありません。残念ながらお味見はできませんでした。

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 民族衣装です。素俗な感じですが、細かい刺繍が入っているのは東欧らしいと思いました。母親から娘に受け継がれていく伝統が消えないでまだ残っているといいのにと思います。

寒波の到来

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 今週の火曜日は、横浜にも寒波が訪れました。この日は大岡川を渡ってスポーツセンターに行く日だったので、寒波が楽しみでもありました。以前なら寒波と聞いただけで心も体も縮こまってしまったと思うのですが、この寒波に乗って渡り鳥がきっとやってきているんじゃないかと思うせいか、ワクワクして心が温かくなってくるのです。

 ヨガを終えて、大岡川まで来ると予想通り来ていました。カモの群れです。遠くからでも茶色い頭と黒い頭が見えたので、ホシハジロキンクロハジロが来ていることがわかりました。1年ぶりの対面で懐かしい友だちに会ったような気がしました。

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 右上から、左はホシハジロのオス、右はオオバン

下の段左は、キンクロハジロのオス、右は、キンクロハジロのメスです。

 この日の飛来は、キンクロハジロがオスメス合わせて20羽ほど、ホシハジロがやはりオスメス合わせて10羽ほど、それにオオバンが6羽ほど。この冬の私の初認です。ずいぶんと賑やかになってきました。

 

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 最後は、ユリカモメ。右側のユリカモメの写真は、11月28日に川を渡った時のものです。この日は2回目です。渡り鳥がやってくるようになると朝ごはんも工夫が必要です。

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 12月に入り、朝ごはんはとにかく体が温かくなるように汁ものに具をたくさん入れて作ります。この日は、宮城県のマガンの観察時後に食べた朝ごはんが脳裏に焼き付いていてけんちん汁、トロロ芋、自分で漬けた白菜の古漬けです。けんちんには、ダイコン、ゴボウ、ニンジン、レンコン、里芋、シイタケ、しめじ、長ネギ、油揚げ、白菜とこれだけでボリューム満点でしかも野菜がたっぷりとれます。トロロ芋は、出汁で割って醤油と少しみりんを入れていますが、食がすすみます。

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 これも、同じように野菜をたっぷり入れた汁ものと、切り干し大根の煮物、ちりめんザンショ、カブのぬか漬けです。ちりめんザンショは、私の好物の一つで、山椒の実を冷凍しておいたものを使って煮ているので、自家製でいくらでも作れます。

 皆様の献立のヒントになれば幸いです。寒い冬を乗り切るには、土の下にできる根菜類をたくさんとることが大事だと思います。

 

 

こんなものを食べてます。

 8月に「チャイナ・スタディ」を読み終えてから、毎日の献立を考えるのにずいぶんと時間を費やしています。材料を駆使してなるべく野菜だけの料理を作ろうとしているからです。ベーコンだとか肉、チーズなどをちょっと入れることでコクを出すのは楽なのですが、何とか動物性のタンパク質に頼らないで食べて満足が得られるようと考えるのは、料理歴が浅いものとしてはなかなか大変なことです。

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 これは、ある物のかば焼きです。先週の火曜日に八王子の友人の家で持ち寄りの食事会があったので、試作でしたが持って行ったものです。この料理は、先月の宮城県サンクチュアリセンターの農家レストランさんで出されてきたおかずの一つです。何だろうと思って食べたらそのおいしさに驚いて作り方を聞いてきて作ったものなんです。

 

 これは、レンコンのかば焼きなんです。三分の二をすりおろし、三分の一をみじん切りにしたレンコンに小麦粉と出汁とこの時は玉子も入れました。これを海苔に載せて揚げ物にします。揚がってから、醤油とみりんとキビ砂糖でタレを作り、たれの中につけてかば焼き味にします。かば焼きのタレの濃厚な味とさっぱりとしたレンコンの出会いは新鮮でした。歯ごたえを残すためにみじん切りを入れたのは、成功だと思いました。結構喜んで食べてもらえたので、自己満足ではなかったようです。

 

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 外出の予定がないと朝と昼の間あたりに朝食を取りますが、そういう時は一応一汁三菜を目指します。この日の献立は、大豆とこんにゃくのピリ辛煮、切り干し大根の煮物、こかぶの塩漬け、それに具だくさんの味噌汁と小豆入りの玄米です。

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 この日新しく作ったのは、こんにゃくと大豆のピリ辛煮です。大豆は、あらかじめ茹でてある缶詰のものを使いましたが、胡麻油で炒めてから醤油と酒とみりん唐辛子で味付けしたものですが、この素朴なおかずの美味しさに驚きました。

 

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 うちのベランダの前の紅葉のようすです。4日のものですから、今はほとんどの葉が散ってしまいましたが、今年の紅葉はとても美しいと思いました。ケヤキは透明感のある黄色からオレンジに代わり、ゆっくりと茶色になっていきました。ここへ越してきてから一番の紅葉だった気がします。

宮城県ラムサールトライアングル(伊豆沼内沼、蕪栗沼 化女沼)の旅3

 26日のブログの続きです。

 朝食後、マイクロバスに乗って次の目的地蕪栗沼へ移動しました。南隣の大崎市方向へ30分くらい走ったところにあります。バスを降りて左側の白鳥地区と右側の蕪栗沼のちょうど真ん中の通路を歩いて行きます。

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 赤く色づいたツルウメモドキの間から蕪栗沼が覗けて見えます。たくさんいるのは、オオヒシクイです。

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 北側に山の姿が見えていたのに、一瞬雲が覆って北側から冷たい風が吹き付けてきました。

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 風は見えないはずですが、小さい無数の粒が撫でるように風の模様を描きます。我々は冷たくてマフラーをかき寄せてしまいますが、オオヒシクイたちは平気そうです。

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 オオヒシクイというのは、ガンの仲間ですがマガンよりも大きく体はコハクチョウくらいの大きさです。遠くから色だけ見るとマガンと区別がつかないのですが、朝から田んぼにも行かないでお休み中なのは、ヒシクイは水生植物のヒシの実やマコモを食べるからかもしれません。

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 胸の筋肉がもこっとしてすごいのはハクチョウと同じです。シベリアからやはり4000キロばかりを旅してくるので胸の筋肉が発達しているだと思います。昨年、ハクチョウやオオヒシクイの胸を見て、鶏の胸肉は絶対に力が付くと思ったものです。今年は、食べ物を変えてきているので胸肉もご無沙汰です。

 後ろに立っているのは、ヘラサギです。ガイドさんが、「ヘラサギは、なかなか見られないんですよ。」と話していましたが、昨年もたった一羽のヘラサギがここにいて、やっぱり「珍しい鳥がいます、ヘラサギです。」と言っていたのを思い出し、2年続いて見られたのはすごくラッキーなんだなと思いました。ところが、このヘラサギは、ヘラサギの一番の特徴の嘴を見せてくれないんです。望遠鏡を合わせて見せてくれている間、ちっとも動かないんです。

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 15分くらい経ったとき、ようやく歩き出しました。「しょうがないな、ちょっと見せてやるか。」とばかりにヘラを見せながら数歩前進。結構大きなヘラです。このへらを左右に動かしながら水の中の小さな生き物を食べているのだそうです。

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 オオヒシクイがみんなお尻を向けている前を一羽歩いているのは、なんだろうと思っていましたが、一見去年見たハマシギかと思うような体の色ですが、少し大きくくちばしも長いような気がしました。ガイドさんから「ツルシギ」だと教えてもらいました。うちへ帰ってから調べたところ、夏の羽の色は、背中辺りは黒だそうで、もっとはっきりとした色合いのようです。冬はどの鳥もグレーだとかベージュだとか自然の中に溶け込むような色になるようです。

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 かなり距離があるので、ボーっとしか写せません。ツルシギは、三羽いました。

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 最後は、オオハクチョウが沼の中に首を突っ込んで、マコモの地下茎を食べているところです。ハスも好きなのですが、マコモは大好物なんだそうです。真っ白い首も台無しですが、すぐに汚れが取れるようです。

 ここは、伊豆沼よりもずっと全体像が見やすく、鳥たちの自然な姿がより身近に見られて私はとても気に入っています。ヨシ原にいる小動物をねらってチュウヒやオオタカを見ることができましたが、猛禽類を見たい人にとってもいいポイントだそうです。マガンは、日の出と共にまわりの田んぼへ食事に出かけていてこの時間はいませんが、日の出の飛び立ち、日暮れのねぐら入りは伊豆沼と同じように今年も7万羽を越える数が飛来しているそうです。

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 最後の化女沼です。蕪栗沼から西の方向へ行ったところです。三つの沼を結ぶとちょうど三角形が描ける位置にあるところから、トライアングルと呼ばれているのです。

 化女沼は、左側がダムとなっているのでなんだか自然の沼っぽく見えませんが、右側が沼です。ゆっくりと沼のまわりを歩くことができるといいのですが、このツアーでは無理のようです。

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 ここにももっといろんな鳥がやってきているはずなんですが、遠くてよく見えません。望遠鏡でようやく見えたのは、首が緑色のマガモカルガモ。浮きが並んでいるとことろにいるのはカワウです。去年もここでは、オオバンキンクロハジロホシハジロが見えただけ。もう少し寒くなるとパンダガモといわれるミコアイサもくるそうですから、季節を変えて再訪したいものです。

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 最後に、もう一度伊豆沼方面へ戻って、田んぼの中の道を車で通ってマガンを近くからもう一度見てみました。本当に用心深い鳥で、車から降りようとすると首をパッと挙げて一斉にこちらを見て、それ以上こちらが動くものなら一斉に飛び立ってしまいます。今回は、窓からそうっと写真を撮りました。「雁首をそろえてやってくる。」という言葉は、一斉に群れが首を上げてこちらを見るマガンのようすからできた言葉だそうですから、かつては日本のどこでも見られた鳥だったということがわかります。「がんもどき」も同じようにガンの肉に似せて作ったものだということですから、日本の食文化にも貢献した鳥だったと思うと興味深いです。

 今年ようやくわかったのは、マガンの額は白いということ、マガンの成鳥は胸に黒い模様があるけれども、幼鳥は模様がないということでした。オオヒシクイとマガンが並ぶところが見られないので、さっと区別できるかまだわかりませんが、来年くればまた新しいことがわかるかもしれないと思っています。最後に農産物直売所に寄ったりしているうちにみぞれっぽい雪が降ってきました。私にとっては、この冬初めての雪でした。

 これで今回の旅のブログは終わりです。

宮城県ラムサールトライアングル(伊豆沼内沼、蕪栗沼 化女沼)の旅2

 23日付のブログの続きです。

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 19日明け方の獅子が鼻(伊豆沼をせき止めている西側の堤)です。朝5時半に伊豆沼のサンクチュアリセンターに集合して、ここまで車で連れてきてもらいました。日の出前のこの時間は一日のうちでも一番気温が低く、この日は晴れていたので一段と冷え込んでいます。靴下2枚、重ねズボンの上にレッグウオーマー、ライトダウンにゴアテックスの上着、耳あて、毛糸の帽子、マスク、手袋 去年の寒さを覚えているので、ダルマのように着ぶくれて夜が明けるのを待っていました。

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 だいぶ明るくなってきたところです。風も弱く、東の空の雲が少ないので今年は結構いい飛び立ちが見られるなと期待していました。

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 東の空が茜色に染まり、第一陣のマガンが飛び立ちました。でも、まだ一斉にという感じではありません。飛び立ってもなぜかUターンして戻ってくるマガンの群れも見受けられます。

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 飛び立ちが一区切りつき、しばらく元の静けさに戻ります。まだたくさん残っているようです。

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 太陽がちょっと顔を出し、まわりの雲は金色に縁どられています。

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 日の出です。太陽の光線が沼に金色の帯を引き沼全体が輝いて見えました。そろそろ飛び立ちが始まりそうな予感がします。今年の日の出は素晴らしい!

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 光線が強くてまっすぐに太陽を見ることができないくらいです。写真に撮ると四方八方に拡がる光線がピンク色に見えるのに気づきました。沼の中では、そろそろだぞとウオーミングアップしているのもいるはずですが、そこまでは見えません。

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 だれが合図を送ったのかはわかりませんが、2回目の飛び立ちです。

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 2回目でほぼ全部のマガンが飛び立ちました。去年は、西からの風が強くて西へ向かおうとしたのは、風に押し流されて沼へ戻ってきたㇼ、南や東へと方向転換したりなかなかそろわなかったのですが、今年は見事に思う方向へ飛び立つことができました。美しい日の出とマガンの飛び立ちの瞬間を見るとまた来年も来てみたいと思うのです。

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 一区切りついたところへ手拭いで作った袋に小鳥を入れている男性が現れました。手に持っているのは、ウグイスです。こんな近くでまじまじと見たのは初めてです。美しい毛並です。ガイドさんが、この方は、バンダーだと教えてくれました。バンダーというのは、野鳥調査のためにカスミ網で鳥を捕まえ、必要な情報を記録した足輪をつけて離し、また捕獲した時に足輪がついていたら、その情報を提供するボランティアなのだそうです。こうやってこの地域の鳥の生態の研究に役立てるということです。

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 次にまた袋から出して見せてくれようとしたら、一羽逃げてしまいました。エナガだったそうです。私たちのためにもう一羽出して見せてくれたのが、この子です。「羽がウグイスよりもきれいだろう。」と 広げて見せてくれました。これも始終見ているシジュウカラなのにこうして見ると確かにとても美しいと思いました。こうしたボランティアは全国で450名ほどいるということ、バンダーになるにはバンダーとしての鳥の知識や実地訓練も必要でだれもが成れるというわけではないということが後で調べてわかりました。

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 午前七時、マイクロバスでセンターに戻って来て朝食です。寒かったのでこの朝食が昨年もすごく嬉しかったのを思い出します。さっそく湯気の上がった朝食をいただきました。日曜日だけセンターでランチ食堂を開いてくれている農家レストラン「四季味」さんが、今日のような朝のイベントがある時だけは明け方から用意をして出してくれるのです。去年の朝食と同じメニューを期待していたらその通りでとっても嬉しかったです。

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 野菜が盛りだくさん入った豚汁、しかも薄味でいうことないです。サラダや漬物、それにとろろご飯です。このとろろご飯は、出汁が効いていて皆さんとろろだけをお代わりしていたくらい絶妙な美味しさなんです。

 農家さんですから野菜は自家製、米も有機栽培のもの。奥様は料理がとても上手で、この地域の料理の講習をされているそうです。ご主人のことをいつも立てて、「このご飯は、うちの主人が夏の暑い時に田んぼの草取りに汗を流して作ったものです。」と挨拶されます。残念なことですが、今年はとうとう米作りをやめることにしたので、来年はこのご飯は出せないし、日曜日のレストランもどうするか決めていないと言っていたのが、すごく寂しかったです。

この続きは次回に。

宮城県ラムサールトライアングル(伊豆沼内沼、蕪栗沼 化女沼)の旅1

 18日、19日と去年に引き続き、宮城県のラムサールトライアングルの見学ツアーに参加してきました。朝早くうちを出たので、まずは腹ごしらえ。東京駅でさっそく駅弁を買って食べました。

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 これは、「野菜弁当」。以前から「野菜弁当」なんてあったかなあとふと考えましたが、たぶんなかったと思います。近頃は、それだけベジタリアンも増えて需要があるということなのかもしれません。単にサラダっぽいものだけでなく、油で揚げたものやカボチャを甘く仕上げたデザート風のものも入っていて、それなりに工夫されているようです。

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 ここから突然宮城県です。

 東北新幹線で約2時間半、「くりこま高原駅」で下車します。今回は友人も一緒だったので駅でレンタカーを借り、ナビを使って栗原市から25キロくらい離れている隣の登米(とめ)市まで昼食を食べに行きました。レンタカーを借りたら隣の市まで行って食べようと思っていたものがあったからです。登米市というのは、宮城県でも有数のひとめぼれの米の産地です。道中刈り取ったあとの茶色い田んぼがずっと続いていました。

 

 この街に一時宮城県の県庁があったというので昔懐かしい木造の洋風建築の建物やら古い酒屋や味噌やが集まっていて、歩いて回る価値のありそうな町です。街の東側に東北の大河、北上川がとうとうと流れています。昔からこの川を好ましく思っていたので蛇行して流れているその先へも行きたくなります。川岸の大きな木の上に猛禽類の鳥がじっと止まって川面を見つめていました。近づいて写真を撮ろうとしたら、対岸へ飛び去ってしまいました。近頃は、景色の中に鳥の姿があるとどうしてもそこへ目がいってしまいます。大きさといい、色といい、おそらくトビだと思います。

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 土手の上に車を停めて、下りたところにお目当てのうなぎや「清川」があります。江戸時代から続いているうなぎ屋さんですが、建物も新しくされたようで快適な空間になっていました。2階の部屋から北上川の景色を見ながら食べることができます。

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 私はうな重、友人はひつまぶし。どちらも肝吸いと漬物が付いています。それに肝焼きを余分に注文しました。夏場だと北上川で捕れるうなぎが食べられるそうですが、今の時期はないそうなので養殖うなぎでしたが、うなぎもご飯も多くて満腹を通り越した感がありました。伊豆沼へ2回目に行った時は、このうなぎを食べようという思いが叶いましたが少々苦しかったです。

 どなたから「ベジタリアンになるんじゃないの?」という突っ込みが聞こえてきましたが、こういう時は、居直って美味しいものを食べることにしています。ただ間違ってもステーキには手を出しません。うちではベジをめざして日夜野菜、大豆製品、キノコ、海草(たまに魚)の生活を続けております。

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 うなぎを見に来たわけではないので、すぐに折り返して伊豆沼の東側へ戻ってきました。ここは、東北本線の「新田駅」の近くで「野鳥観察センター」の古い建物がある小さな池のようになったところです。

 去年も立ち寄りましたが、やはりオナガガモがたくさん、それにオオハクチョウとほんの少し黒いキンクロハジロもいました。ここは、お客さんが米を膨らませたポン菓子をくれるので、オナガガモは、人懐っこく土手にも上がってきてついばみます。ハクチョウは、その辺は悠長でうまく食べることができなくてカモに取られてしまいます。

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 オオハクチョウの成鳥と灰色の幼鳥です。今年シベリア方面で生まれて数か月で3000キロから4000キロを親と一緒に飛来してきたのかと思うと「よく頑張ってきたね!」と声をかけたくなります。鳥というのはこの1回の飛行でルートや目的地をちゃんと覚えて次回からも間違いなくやってこれるというのですからすごい能力が備わっているのだと思います。

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 車で10分くらい西へ移動して内沼へきました。去年は、一人で土地勘もなかったのでこの道をずっと歩いて行き来していました。歩いているとコスモスのピンクやケイトウの赤が際立っていたなとか、赤とんぼやヒョウモンチョウがとんでいたなとか、ガンが鳴きながら飛んでいたなとかそんなことが、思い出されるものですが、車だとすぐに着いてしまうのでそんな余禄はありません。

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 またオナガガモがたくさんいます。こちらの黒い鳥は、オオバンです。谷津干潟でもオナガガモが優勢でしたが、今はオナガガモがたくさん押し寄せてきているのかもしれません。

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 オオハクチョウが毛づくろいをしています。大きなおなかが水について冷たくないのかなと思いますが、翌日案内してくれたガイドのお兄さんの話によると、お尻のところからろうのようなものが分泌されていて、それを体に付けて水をはじかせているので、こちらで思うほど冷たく感じていないそうです。足はいつも水に浸かっていますが、足の途中に熱交換システムが内蔵されていて、体からの温かい血液と足元から上がってくる冷たい血液が入れ替わるようになっているというような説明を聞きました。難しくてその辺りはこれ以上よくわかりません。それにしても大きなおなか、レンコンやお米をたくさん食べて満腹状態なのかもしれません。うな重で満腹の我がお腹をみるようです。

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 黒いものが背中に乗っているなと思ったら、水かきでした。ハクチョウの足は、意外と短くて太くてしかも黒いんですね。なんだかこうやって見る前は、アヒルと一緒で黄色い足と水かきというボーとしたイメージがありました。「あっらよっと」と言っているわけではないのでしょうが、フラミンゴのように1本足で立つこともあるのは、新発見でした。去年も見ているのに、見ているようで見ていないことってあるものだと思いました。左のハクチョウがくちばしにお弁当を付けていますが、それがポン菓子です。通りの反対側にある昆虫館で100円で売っているのを買うのです。それが野鳥保護の寄付になります。

 本当は、この日は午後から雨の予報でしたが、何とか持ってくれました。午後4時、伊豆沼の宿泊施設ウエットランド交流館へ行く途中、車を停めて、四方八方の出先から帰ってくるマガンたちをしばらく見上げておりました。ねぐら入りです。

 続きます。

谷津干潟(ラムサール条約登録地)

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 11月は外出予定も多く、図書館にリクエストを出していた本も次々に届いて忙しい日々でした。

 11月5日は、朝起きると天気がよかったので、前々から行ってみようと思っていた谷津干潟へ行くことにしました。谷津干潟は、ラムサール条約特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)登録地です。東京湾の千葉県側に位置し、南半球からはるかシベリアまで行ったり来たりするシギやチドリの仲間が途中で休憩する飛来地としてとても重要な干潟です。

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 東京駅から京葉線に乗って南船橋駅で下車。そこから10分ほど歩くと公園内の散策路に到着です。散策路へ入ったところでさっそくカモたちが迎えてくれました。ここに写っているのは、オナガガモの雄と雌です。

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 見たことがない鳥がいます。近くに観察をしている人がいたので、聞いてみるとセイタカシギ別名水辺の貴婦人という名前で呼ばれている)だということです。長くて赤い足が特徴で、一度覚えると忘れずに済みそうな鳥です。

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 公園の入り口から10分ほど歩くと、センターの建物があります。中は、干潟を臨めるようにガラス張りの広い窓に望遠鏡が数台設置され、レンジャーがいろんな質問に対応してくれます。子どもたちもたくさん訪れるので、鳥の特徴を表わした帽子が展示され自由にかぶって鏡で変身ぶりを見ることもできます。

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 これは、鳥のぬいぐるみです。特徴を布で表わしているだけでなく、抱くことでその鳥の重さもわかるようになっています。

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 これは、バードデコイです。鳥の特徴をつかむにはとても便利だし、実際の鳥の大きさがよくわかります。

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 お昼も過ぎていたので、センター内のカフェで昼ご飯を食べることにしました。淡水池を眺めながら食事ができる素敵な場所です。カワセミもよく現れるらしいですがこの日は、オナガガモでした。

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 11月の特別メニュー、おでん定食を食べました。私から食べ物を取ったら何も残らないほど食べ物に執着するたちなので、何が食べられるのかがとても気になります。肉は食べないことにしているので、魚のすり身に落ち着きました。

 この後、茨城県の涸沼(ひぬま)から鳥の写真を撮っているボランティアの方からスライドを見せてもらいました。涸沼は、水戸からまた電車に乗らないといけないところだそうなので、ちょっと日帰りでというのは難しそうです。オオワシの素晴らしい写真を見て、ぜひ今度は、涸沼へ行ってみたいものだと思いました。18年くらい同じ個体が律儀に涸沼へ通ってきているのだそうですが、オオワシの寿命が20年か25年くらいといわれているので、いつまでも見られるわけではなさそうです。オオワシのピンバッジやスズガモとオオワシのイラストのついたステンレスポットや鳥の絵ハガキ10枚をお土産にもらってなんだかとっても嬉しかったです。

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 初めて来たので、ちょうど引き潮の干潟を半周してみることにしました。公園のまわりは住宅地になっていて、散策路はジョギングをしたり、犬を散歩させたり、思い思い三連休の最後の夕暮れを楽しんでいる人たちでにぎやかでした。

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 サギの大集合。ダイサギアオサギコサギ、何羽もいます。中には魚を取ったサギのそばへ近寄って魚を落とすのを待って横取りしようとするサギもいます。

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 引き潮の干潟は、入れ食いに近い常態ですから大岡川ではめったに見られない魚を捕まえるシーンを何回も見ることができました。このアオサギは、嘴で串刺しにしてから徐々に挟むようにして口の中に入れていきました。ボラかなと思いましたが、ハゼのような気もします。

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 たぶんボラです。

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 大岡川でも一度見かけましたが、たぶんアカエイ。これが大小4匹ほど泳いでいましたが、エイにはだれも手を出しませんね。

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 午前中見たセイタカシギ。オスメスでも色が違うのでしょうし、夏羽と冬羽でも色が変わるので詳しいことがわかりませんが、たぶん背中が黒いのでオスだろうと思われます。近頃では、このあたりでも繁殖するのがいるそうで、遠くへは行かない種類のシギだそうです。

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 センターへ戻ってきたら、小さいのがたくさん来ていました。去年の11月宮城県の蕪栗沼で見たハマシギです。このシギは、アラスカの方から渡ってくる冬鳥です。体長21cm、小さいけれども長い嘴を突っ込んでいるところは、やっぱりシギの仲間なんだなと思いました。

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 一羽色は似ているけれど、体型がちょっと違うのがいたので、レンジャーさんにこの写真を見てもらったら、イソシギだということでした。胸の白いところが上に食い込んだように入り込んでいるところで見分けるそうです。あの映画いそしぎの曲から想像するともう少しスリムなイメージでいましたが、冬仕様ですからダルマのように膨らんでいるのは仕方がないのかもしれません。チドリやシギの仲間は、ほとんど見たことがないので、もっと見る機会を増やさないと名前は覚えられないなと改めて思いました。

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 声はよく聞くのだけれど、なかなか写真が撮れないでいたモズです。ヨシ原のこの鉄の棒がお気に入りのようでよく止まっているのだそうです。体長20cm、こんなに小さくても肉食の鳥です。

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 午後4時、元来た道を駅の方へ帰っていく途中、夕焼けにたたずむアオサギ2羽に出会いました。同じアオサギだとはとっても思えませんが、首の長さを自在に変えることができるのです。向かい合ってどんな話をしているのでしょうか。

 三連休の最終日、ディズニーランドの帰りのお客さんと一緒に東京駅に着くと、そこは旅の思い出をたくさん詰め込んだキャリーバッグを引いた人でごった返していました。