想う 山 たち -雲あり 月ありー

 今日は、大谷一良木版画展へ出かけてきました。

 成城学園にある緑陰館ギャラリーは初めて行くのですが、閑静な住宅街の中に歩道に入り口が開放され、並木の緑の風が出入りできる素敵なギャラリーでした。

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 大谷さんの作品は、数年前横浜のランドマークの中にあるギャラリーで一度拝見したことがありましたが、本当に山が好きで山に魅了されていらっしゃるんだなと感じておりました。

 山の雑誌「アルプ」とか「岳人」などの雑誌の表紙を飾った版画や画文集、画集からの作品なども展示されています。

 50年、山をモチーフに作品を作り続け、今年で80歳になられるので、一つの区切りとして、今までの作品や、最近の作品なども合わせて個展をもたれたということでした。

 雪山の姿、氷河、雲や月や星たち、花たち、地下の鼓動・・・・どれもがシンプルで抽象化されている完成度の高い作品ばかりです。その世界にずっとたたずんでいたいそんな気持ちになりました。

 4月にたまたまパキスタンの北部のフンザで、カラコルム山脈の高い雪の峰やそこから流れ出る氷河を見てきたので、そのときの想いも重なって、とても気持ちのいい時間を過ごせました。

 その旅に添乗してくれた青年のお父様が5月20日に69歳でエベレストに登頂されたという話を先日聞き、ここのところ身辺ちょっと山付いている気がしています。(三浦さんの登頂で報道の影に隠れてしまったようです。)

 ギャラリーの方に許しを得て、いくつか作品の写真を撮りましたので、見てください。ただしガラスに影が映っていて本来の作品とはだいぶ違いますので、本物を見にいらしてください。

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 帰りの成城学園の駅の広場に大きなピレネー犬が寝そべっているのに出会いました。通る人誰もが触りたくて飼い主にことわってなでて写真なども撮って行き過ぎていきます。

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 私もしばらくそこにとどまって見ていました。犬は、この場所が好きで、一旦寝転んでしまうと長いときは一時間くらいそこにじっとしているそうです。

 もう年でお休みしないと疲れるのかもしれません。5歳だそうですが、大型犬としては老犬だとか。

 この犬は、2011年の震災(津波)で飼い主だった家族が全員亡くなられ、保護センターから引き取って今の飼い主が面倒をみているのだそうです。   時々、飼い主に似た人を見るとそちらへ付いて行くこともあると言っておられました。

 犬は、どんな気持ちでいるのだろうかと思いながら、突如立ち上がって帰っていく後姿を見送りました。