3日目、ソウルを囲む漢陽(ソウルの旧称)都城をハイキングしました。
この都城は、長さ18,6kmの朝鮮時代にできたものですが、平地にあるものは、電車の敷設などの理由により、取り壊され、現在は、山城城郭10,5kmのみが残っています。
そのうちの北岳山部分の2,3kmのコースを歩いてみました。
万里の長城のような大規模なものではありませんが、この都城の道からは、ソウルの全景が一望できるので、その頃のソウルを想像できる場所として貴重な歴史遺産です。
この城郭は、1392年に開城(ケソン)で朝鮮王朝を開いた太祖がすぐにソウルに遷都し、1395年景福宮などが完成するとすぐに城郭築造を計画し、翌年には、そのほとんどを造り上げたといわれています。
城郭の石垣は、3種類あります。
この写真の大きな形の四角にそろった石垣は、1704年粛宗の時代のもので、小さな石の石垣は、1396年太祖の時代のものだそうです。見つけられませんでしたが、もう一つ、1422年世宗の時代の石垣も残されています。
私たちは、地下鉄の3号線の安国(アングッ)から鐘路02番のバスに乗り、成均館大後門で降り、馬岩(マルバウイ)案内所で手続きをして、登り始め、粛靖門まで歩きました。
外国人は、手続きにパスポートが必要で、登録が済むと、首から下げるIDカードをもらいます。このカードを上着の中に入れ込んだりして見えなかったりすると、注意されます。
なぜならここは、1968年北朝鮮の124部隊と30人の武装ゲリラが青瓦台を襲撃するために侵入し、韓国の国防軍と銃撃戦のあったところでもあるからです。今も、軍事施設があるので、軍の若者がこの道を数十メートルおきに警備しています。写真を撮ってはだめなところもあるので、気をつけなくてはなりません。この道は、2008年に公開されたばかりです。
ただ立っているだけでなく、銃を持って迷彩色の服を着て警備してる場所もあり、それなりに緊張をしますが、挨拶をしたり、話しかけると、丁寧な返事も返ってきます。
曇っていたので、見通しが悪く遠くはボーッとしか映っていませんが、一番高くなっているところが北岳山コースの一番高い地点、青雲台(チョンウンデ)です。
周りは、松の木が多く、できたてのうす緑の松ぼっくりが季節を感じさせました。
青雲台は、眺望のよいところで、みなさん一休みするところですが、ここで韓国のハイカーの人から冷えた黄色いトマトをご馳走してもらいました。
ひょうたん型でとても甘いトマトでした。われらもお返しをということで、一番気が利くメンバーの一人が羽田空港で調達した、北海道のジャガイモのポテトチップの小袋を手渡していました。
草の根の文化交流というところでしょうか。
ゆっくり休みながら歩いても約2時間、靖粛門(チャンエムン)へ到着。
北岳山とは反対側に展望台の名所、南山タワーがありますが、ソウルを見渡すためにも、この城郭をお勧めします。
なぜなら、展望だけでなく、地元の人との交流もできるし、もっといろんなことを知ることになるからです。
門を出て、坂をちょっと下ったところにある饅頭(マンドゥ)で有名なお店「紫霞(ジャハ)ソンマンドゥ」でお昼を食べました。
左は、マンドゥのみが牛肉を煮込んで取ったスープに入ったもの、右側のは、四色の皮の小さなマンドゥに雪だるまのような形をした小さなお餅がたくさんスープに入ったものです。どちらにも牛肉の細切りと葱の刻んだものがのせてあります。スープは薄味で、こちらのものとしは珍しいと思いました。
雪だるま型のお餅がたくさん入っていて、食べ残してしまいました。