ハイキングから帰って、だいぶ暑くなったので、夏の風物詩「パッピンス」を食べようということになり、仁寺洞のホテルの近所にあるベトナムレストランに入りました。
これは、今風でなく昔から伝わっているタイプのパッピンスで、氷の中に練乳が入り、上に小豆の甘く煮たものと、更にその上に黄な粉もちがのっているというシンプルなものです。
ところが、韓国の氷は、日本のカキ氷とは違って、粉雪のように粒が小さく滑らかな感触の氷です。麻のごわごわ感と絹のすべすべ感くらいの差があります。
次の日空港でも同じタイプのパッピンスを食べることになるのですが、練乳の量がベトナムレストランの方が多く、小豆も美味しいという感想でした。
決して安くはないパッピンス(8000ウォン)ですが、氷の滑らかさに魅せられ、出る言葉は、「美味しかったね。」のみでした。
ほかのメンバーは、夕方から映画館へ行き、私は、一人北村(プクチョン)へ散歩に出かけました。
プクチョンは、昔ながらの韓国の家、韓屋(ハノク)が多く保存されている地区です。よく事情は分かりませんが、日本の文化財になっている家のように修理したりするのも勝手に変えたりしてはいけないところかもしれません。
坂を上っていくと、ハノクの屋根瓦が下に見えてきます。プクチョンは、こういう屋根瓦の家並みが続いているのです。
屋根の上からノウゼンカツラの朱色の花が下がっています。気候は、横浜付近と同じくらいだなと思いました。
こんな張り紙がされている家があります。書いてあることからも、新春に福を呼ぶためのものだと思います。中国なら、赤い紙ですが、韓国は白いです。
こうしてみると、漢字は、中国と韓国と日本のベースになるものと言えなくもないです。
家の前の道に植木鉢が置いてありますが、唐辛子が植えてありました。お国振りですね。日本だったら、この季節は、緑のカーテン作りに朝顔やゴーヤでしょうか。
こんな塀もありました。
御伽噺の世界にいるようでほっこりします。
坂道を下ってくると、塀の中から、お風呂に入っているのか、湯音が聞こえてきました。
かつて、幼少時に庭にたらいを出して行水をした懐かしい日々を思い出しました。
路地を抜けて歩いてくると、どこへ出てきたのかわからなくなりましたが、ようやく大通りへ出て、信号に下がっている方向地名を見てどの辺にいるのかつかめました。
このショーウィンドーは、韓国の家具のお店で、骨董ではありませんが、蝶の螺鈿細工をちりばめた小さな整理箪笥や、真ん中に灯りがつく箪笥などが飾ってあります。
夏至を迎え、いつまでも明るいと思っていましたが、やはり7時半を過ぎるとそろそろ灯りがともって、夜の帳が下りてきました。