お天気も良かったので、三浦半島の小網代の森へ行ってきました。
この森は、何も予備知識がないまま行ったとしたら
おそらくちょっとした小さなハイキングコースくらいにしか
思わないでしょう。
ところが、この森は、源流から海までの生態系が自然のままに残っている
関東では唯一の森なのです。
京浜急行の三崎口駅から徒歩15分でこの森の入口(バスで来ると引橋のバス停でおります)へたどりつきます。
134号線の通る道がこの森の最高地点。
そこから下っていきます。
虹のような色付きの天使の階段が森へ差し込んでいます。
昔は、田んぼがあり、周りの森の木々は、炭焼き材て利用される
いわゆる里山として存在していた場所だそうです。
だんだんと耕作されなくなり、炭焼きも行われなくなり
この森は荒れ果ててしまっていたのですが、
この森の価値に気付いた人たちにより
手入れがおこなわれ、散策路が作られ
今年の夏に一般に公開されるようになったのです。
まず、乾燥した荒れ地の笹や外来植物を刈り取り、
川の流れを変え、湿地を形成したそうです。
すると、湿り気のあるところを好む植物が生えてきました。
ざっと見ただけですが、セリや葦、
それに、ガマも生えています。
植生が整えられると、昆虫が生育し、野鳥も集まってきます。
夏には、カワニナが育ち、ホタルも飛び交うようになったようです。
森の一番低いところに辿り着きました。
ここは、柳の木が数本生えているので、
柳テラスと呼ばれていて、ちょっと休めるようにサークル状の広場になっています。
入口からゆっくり歩いて一時間、
源流が海へと注ぐ河口へ到着です。
先日の台風で、かなり海の水が遡り、
たくさんの葦がなぎ倒され、散策路が荒れていたので
ボランティアの方が大勢で修復作業をされていました。
小網代湾の海です。
向こうには、ヨットハーバーが見えます。
潮だまりには、小さなヤドカリ、ウミウシ。
干潮からそろそろ潮が満ちてくると
小さな魚たちも泳いできました。
ちょっと大き目のヤドカリ。
彼らは、短い脚を使ってとても速く移動できるので驚きです。
砂地にたくさん穴が開いているので、カニがいるのはわかっていましたが、
人の気配を感じると、すぐに潜ってしまうので
ほかの人がいなくなるのを見計らって、
しゃがんだまましばらく静かに待っていると
小さなカニが姿を現しました。
砂と同じような体色なので、わかりにくいです。
こんなに小さくても、砂を挟んでは海水の中の養分を取り込んでいるのか
はさみがカチカチとぶつかり合う音が聞こえます。
実は、この森は、アカテガニという、普段は森に住むカニの生息で有名なのです。
残念ながら、そろそろ冬眠にはいっているらしく見ることは叶いませんでした。
森の斜面にこんな穴があったので、
たぶんこれが巣穴なんだと思いました。
森に住み、夏の大潮の晩に海へとやってきて、
産卵するのだとか。
アカテガニのほかにも数十種のカニが生息しているそうです。
少なくとも神奈川県では、
基本の生態系が丸ごと見られるのは、この森しかないことを知り、
次世代に自然を引き継ぐ大切さを考えさせられるハイキングとなりました。
続く
(*パソコンの具合が悪く、デイスプレイが見にくく、目も悪いので、打つのに
とっても時間がかかり、字のまちがいが多く後で打ち直すことが多いです。申し訳ありません。)