8月の観察会は、19日。ちょうど17日から急に涼しくなった3日目でした。
集合場所は、7月と同じ浜須賀災害無線塔。
手前の134号線は交通量が多いので横断歩道を渡ろうと待っていてもなかなか信号が変わりません。せっかちな私は、階段を上って歩道橋を渡ります。この日は、上に上り切った時に(わあー)と思わず声を出してしまいました。目の前の相模湾の海が水平線の彼方まで青く美しく見えたからです。右の端にうっすら見えるのは伊豆諸島の大島です。こんな日は、ここで深呼吸するだけで十分な気がします。
台風が過ぎ去った後でしたが、まだ波は高めでサーファーにとっては波日和。たくさんのサーファーが波と戯れておりました。
見ていると、1回だけでなく、寄せくる波を捕まえて、何回も乗りこなす人もいて見ているだけでワクワクします。
この日は、無線塔のある所から、東の方向(鵠沼海岸)へ向かって歩きました。竹で作られた垣根が砂丘とサイクリングロードの間に作られているのが見えます。この垣根は、「静砂垣」(せいさがき)と呼ばれています。サイクリングロードに砂が積もらないようにするのとサイクリングロードの後ろに植えてある黒松の防砂林を守る役目をしているのです。
ところが、このように静砂垣(せいさがき)が壊れているところがありました。手前に置いた棒が、指し示している方向は、南西です。冬の間、この浜には南西から強い風が吹くために垣根がこうして壊れてしまうのだそうです。冬は、南西から吹く強風で砂が舞い上がり大きく移動してしまうので、その砂を押さえる役目も果たすのも砂草なんです。
その南西から吹く風に乗ってやってくるのか、潮の流れが連れてくるのかわかりませんが、ヤシの実の落し物です。毎日ここを歩く人は、いろんなものが流れ着くのを見るのだと思います。島崎藤村の書いた「椰子の実」がちらっとよぎりました。
この日見た砂草
ツルナ マオリの人たちが食べていたのでニュージーランドスピナッチ、日本ではハマナ、ハマホウレンソウとも呼ばれている。食べられるが、シュウ酸があるのでゆでた方が良い。
オカヒジキ 生協の注文にもあるのでかなりメジャーな野菜になってきている。ここに生えているのは食用として作っているものではないので、茎も葉も太くてちょっと見た目が異なり、ずんぐりした葉である。
ハマニガナ 7月にものせたが、あえて載せたのはこれも食用になるからだ。出てきたばかりの若い葉を食べられるということがわかった。
砂草の中には、食べることが可能なものが多い。気候変動、天災、これからはなにがあってもおかしくない。知っているといいことがあるかもしれない。山に生えていれば、山菜。砂浜に生えていれば砂草。どちらも自然の贈り物だと思うがどうだろうか。
ケカモノハシ 群生しているケカモノハシを初めて見た。丈は50cmくらいで穂が出ている。似ている名前のケがついていないカモノハシは、湿地に生えている植物だそうだ。海岸のカモノハシは、強風と高温にさらされる過酷な状況の下に生えているのでケが保護する役目を負っているのだそうだ。
花はすでに咲き終わって、実ができている。実の回りにもケがたくさん生えているのがわかると思います。珍しいのは、この穂は1本じゃなくて2本がくっついて1本のように見えるというところだ。手前のは、開いて2本になっている。なぜこうなのかはまだ調査中。
「海と自転車」(この日の好きなスナップ。)
真ん中あたりの水平線に大島が見えるでしょうか。夏に見えるのはすごく珍しい。