梅雨の晴れ間の鎌倉散策 その1

 今日は、梅雨もたじたじするほどの青空。

 2年ぶりに かつての同僚ご夫妻と鎌倉で会食の予定になっていた。

 なんと運のよいことであろうか。

 

 紫陽花時期の鎌倉は、東京周辺の人たちが大移動してきたのではないかと

思うほど、電車も道路も混雑している。

 今日は、そんな混雑を避けて食事をする場所を選んだ。

 

 西口に降りて、市役所の前から御成町を通って、由比ガ浜へ向かう。

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 ひときわ目を引く小学校の正門。

 中の建物がすべて古い木造の校舎になっているわけではないが、

歴史的な建造物ということで、この門だけは残しているようだ。

 今にも、お殿様が出てきそうな門である。

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 そのちょっと先を右へ曲がる。

 鎌倉図書館へ抜ける路地である。

 車はほとんど通らず、地元の人しか通らない。

 子どもの手を引いたお母さんや、のんびりとペダルをこぐ自転車が

行きかうような道である。

 

 紫陽花の葉に午前中の陽がちらちらしている。

 人いきれの中で紫陽花を観ずとも、

こんな路地でひっそりと咲く紫陽花に心を寄せる方が

ずっと心地がいいではないか。

 右側のグランドからは、野球少年たちの声も聞こえてくる。

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 鎌倉の真髄は、路地にあり。

 通りに出る前に、こんな柴垣のある家を見つけた。

 

 通りに出たところにお目当ての今日の食事処 「神宗」がある。

 この周りにはめぼしい観光名所もなく、

静かな住宅街という佇まいのところである。

 初めて来る人は、こんなところに と、驚くようである。

 

 ここのお昼は、予約は取らない。

 30分ほど早く行って席を確保する。

  さて、11時半に席に着き、早速 「行平膳」をいただく。

 

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 まず、「水無月豆腐」

 出汁と小豆粒と豆乳を 寒天で固めたもの

 プルリンとして旨みがある。

 「水無月」という外郎(ういろう)に小豆をのせた和菓子があるように、

小豆は、邪気を払うものとして使われる。

 このお豆腐にも小豆がいくつか入っていたので、

これであと半年、無病息災でいられるということだ。

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  おかず六種

(左上)

 鶏とパプリカの南蛮漬け、

 鯵の胡麻和え(細ネギと紫蘇の花穂)

 天ぷら(あられの付いたエビ、オクラ、ベビーコーン)

(左下)

 ほうれん草のお浸し、茄子の煮びたし

 焼き物(鰆、はじかみ、すだち)

 出汁巻玉子

 

 これに香の物とみそ汁、ご飯が付く。

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 鯵茶漬け

 ご飯のお代わりができたので、

2杯目のご飯には 残しておいた鯵の胡麻和えとワサビをのせ、

出してくれたポットからこの店自慢のだし汁をかけて食べた。

 脂がのった鯵で とろっとして美味しい。

 まだ記憶に新しい鯛茶を思い出した。

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 デザート(コーヒーなどの飲みもの、アイス最中、わらび餅などから1点選ぶ)

 私は、出汁入りソフトクリーム

クリームの中に適量の出汁が入っていて

普通のクリームと比べると、味に深みが出ているのがわかる。

 いろんなソフトクリームがあるが、

この出汁入りというのは、初めてだ。

 

 このお店は、昆布やお出汁の材料がメインのショップ。

 大阪の淀屋橋に本店がある。

 お昼は、この行平膳のみだが、

税込2000円というのは、観光地鎌倉では、とても良心的な値段だ。

 ただ、ここは、8月半ばで閉店になるというので、

それまでに、ぜひ、湯葉がゆの朝膳も食べたいと思っている。

 (これは、朝9時半から予約のみである。)

 

 ひとしきり食べ物談義をし、いろんなおしゃべりをして、

午後の散策へ出かける。

 (その2へ続く)