冬鳥の飛来地を訪ねて2 新潟県福島潟

 福島潟

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 11月の伊豆沼の旅から2週間後、新潟県の福島潟へ行ってきました。

 私は、去年まで鳥の名前をほとんど知りませんでした。

 ところが大岡川を通るようになり、たくさんの冬鳥がやってきているのを知ってから

俄然鳥、特に渡りの鳥に興味が湧いてきました。

 バードウオッチャー歴、たったの一年なんです。

 

 いろんな本も読みましたが、その中で梨木香歩著「渡りの足跡」を読んで

オオヒシクイが福島潟へ飛来してくることを知りました。

 オオヒシクイは、日本へやってくるガンの仲間で最大の鳥です。

 その頃は、オオヒシクイが一体どこから渡ってくるのかがわからなかったそうで、

それを調べるためにロシアと共同で衛星プロジェクトが立ちあげられたのです。

 そのいきさつを子どもにもわかりやすく書いた池内俊雄著「なぞの渡りを追う」を

読むことで、福島潟へ来るオオヒシクイ

この目で見たいという気持ちが強くなりました。

 

 

 このプロジェクトにより、オオヒシクイは、ロシアのカムチャカ半島の北の方から

3500キロを渡ってくるのがわかったのです。

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 福島潟へは、新潟から白新線に乗り換え20分ほどの豊栄駅で下車、

そこからは、タクシーで5分くらいで着きます。

 

 潟湖には、一面ヨシ原の浮島が点々と続き、

向こう側には、飯豊連峰の2000ⅿ級の雪を被った山も見えます。

 着いた16日は、天気がよく夕焼けにうっすらピンクに染まった潟のまわりを

少し散歩しました。

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 一年ぶりの対面です。

去年、大岡川へたった一羽やってきたカンムリカイツブリです。

 ここには、何羽もいました。

 彼らの仲間は、北へ帰らずにここで夏を越すものもいると聞いて

ここならきれいな夏毛をみることができるのだと嬉しくなりました。

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 もぐりんこと、お馴染みカワウです。

 カワウはこういうところが好きなようです。

 濡れた羽を乾かすにはとってもいい場所ですからね。

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 これも去年の冬、大岡川へもやってきたオオバンです。

 あいかわらず、首を前後にひょこひょこさせながら

ヨシ原に沿ってのんびりと泳いでいました。

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 遊歩道を回ってくると、先ほどのカワウたちの向こうに

「水の駅ビュー福島潟」の建物が見えます。

 この公園の拠点になる場所で、福島潟に生息する植物や鳥などの

情報を発信しています。

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 例えば、こんな情報も記録されています。

 鳥というのは、いつも同じ場所にいるわけではないので、

日によって増えたり、減ったりします。

 伊豆沼は、圧倒的な数のマガンとオオハクチョウ

それに少しヒシクイがいましたが、

ここはコハクチョウオオヒシクイが多いのです。

 これには、夏場ロシアのどのあたりで過ごしているかということと関係があるようで

日本海側を辿ってくるものと太平洋側を辿るものがあるということだと思います。

 

 売店やカフェ、ホールなどもありますが、

一番すごいのは、こちらからは見られない鳥たちのようすが

潟の対岸にあるレンズを通して手に取るように見ることができる機械が

設置されていることです。

 手元で、そのレンズの向きを変えたり、倍率を上げたり下げたりすると

スクリーンに映像が写ります。

 一機2000万円もすると係の人が話していました。

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 そうこうしてるうちに、周りの田んぼからクォーコーと鳴きながら

ハクチョウが帰ってきました。

 

 私も今夜泊まる宿に帰ることにしました。

 福島潟のすぐそばにある「菱風荘」。

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 宿泊蔵と呼ばれる和風のコテージです。

 6人泊まれるところですが、一人でも少し割増を払うことで泊めてもらえます。

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 私の蔵の名前は、「蓮」。

 キッチン、トイレ、お風呂が設置してあります。

 鍋釜、食器もそろっているので、食べ物を持ち込んで自炊できるようになっています。

 食事は、基本自分で賄うのですが、朝だけは仕出し弁当を注文できます。

 広くて清潔なお部屋で1人ではもったいないないようでした。

 

おまけ

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 この日の昼は、新潟駅の回転ずしやでお寿司を食べました。

 左のは、ランチサービスのセットもの、それに地物の魚を追加しました。

 真ん中のが「キジハタ」右のが「アラ」、セットものの中に「フナベタ」

という、やはり白身の魚が入っていました。

 どれも初めて聞く魚でしたが、割とさっぱりした味の白身魚でした。

 食べ物は、旅の楽しみです。