東京港野鳥公園を訪ねて

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 1か月も前のことである。

 オーストラリアなど南半球で越冬していた鳥が

何千キロから一万キロも飛行して北の繁殖地へ行く途中

立ち寄る場所が東京湾にもあると知り

その一つ、東京湾野鳥公園へ行ってみることにした。

 

 主にシギ類やチドリ類は、4月から5月にかけてここを訪れ、

栄養補給し羽を休める。

 干潟で餌をとるため、その日の干潮の時間を調べてから来ないと意味がない。

 毎日公園のブログでどんな鳥がやってきているかわかるようにしてくれているので、

それを見ていつ行くか思案していたが、

干潮の時刻がうまく合わなかったり自分の予定が立て込んでいたりして

結局出かけたのは、5月31日になってしまった。

 

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 しかも、この日の干潮時刻は、午後4時ごろというので、

薄暗くなりかけてからの入園だった。

 ネイチャーセンターを辿る道にはドクダミの白い花が咲きそろっていた。

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 ネイチャーセンターは、昨年の秋にリニューアルしたばかりで

広々とした窓から干潟が広がっているのが見えた。

 大きな望遠レンズを抱えたお客さんが一組いるほかは

もうだれもいないので、レンジャーさんに、遠慮なく話しかけることができた。

 

キアシシギはまだいますかねえ。」

と、問いかけると

「もう北へ旅立ってしまいましたよ。

今度は、繁殖が終わって7月から9月ごろここを通過していくから

その頃来るといいですよ。」

とのこと。

 がっくりしてしまったけれど、

コチドリは?」

と、聞くと

「下にいますよ。」

と指さして望遠鏡を見せてくれた。

目が慣れてくると、自分の目でも確認できた。

 あわてて、デジカメの倍率を最大にして撮ったのが、この写真。

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 日本産のチドリでは最小だそうで、体調は16cmくらいの小さな鳥である。

 このチドリは、夏鳥として北海道から渡ってくるらしい。

 私にとっては、初見の鳥である。

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 干潟の穴からはい出てきているのはオサガニ

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 ネイチャーセンターを後にして、次は、1号と2号観察小屋へ行ってみた。

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 1号観察小屋から見えたのは、カワウのペアー。

 こうやってペアーでいると、前の黒くて大きいのがオスで

3歩下がって泳いでいるのがメスなのかなと類推できるが、

本当のところはわからない。

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 こちらは、カイツブリ

 ペアーらしいが、カワウ同様オスとメスの差がカモのようにはっきりとわからない。

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 公園の端の繁みのカワウのコロニー。

 カワウもこんなに集まると、なんだか不気味な感じがする。

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 最後に行ったのが、東淡水池。

 (カルガモがいるのはわかるが、何でホシハジロがまだいるんだ。)

 ホシハジロのオスが2羽とメスが1羽。

 ここで、慌ててネイチャーセンターまで戻って

レンジャーさんに

「あのホシハジロは何で北へ飛んでいかないのですか。」

と 聞くと、

「人もそうだけど、鳥にもちょっと変わったやつがいるんだよ。」

との答え。

 どうもけがをしているわけでもなさそうだし、メスもいるし・・・

近くにいたカメラを抱えた先ほどのお客さんが

「ぼくらは、ここでホシハジロが繁殖しないかと期待しているんだよ。」

と嬉しそうに話してくれた。

 

 ブログを見ても、1か月たった今もまだホシハジロはここにいるようだ。

 去年の秋まで数年大岡川に住んでいたホシハジロが消えてしまってから

半年以上が立つ。

 あの子は、たった一羽だったからもちろん繁殖などあり得なかったけれど、

ここには、オスもメスもいるわけだからヒナが誕生することもあり得るわけだ。

 ヒナを見てみたい!

  「東京でホシハジロのヒナの誕生」

 なんて、ニュースにならないかと秘かに私も期待している。

 

 

 この公園へのアクセスは、JRの大森駅京浜急行線の平和島駅から

バスで野鳥公園前で下車をするとすぐである。