昨年から今年にかけて大岡川にやってきた冬鳥たちの話。
以前のようにゆっくりと川沿いを歩ける時間がなくなったので、スポーツセンターへ行くときに橋の上から見渡すだけのことが多くなった。
以前は木枯らし一番というと鳥たちがやってきたのに、今季は12月になってもそんな日は来なくて、1月になってようやくユリカモメが大騒ぎをしているのを見かけた。
1月14日 観音橋付近
ユリカモメは、エサを撒いているとすぐに察知して大勢で押しかけすごい勢いで争奪戦を繰り広げる。思った通りパンをちぎってやっている人がいた。ほかの鳥ガやってきているかと探してみたら、ユリカモメの中に一羽のホシハジロが混じっていた。そんなところにいたらいじめられてしまうのではないかと心配して見ていたら、動じることなくパンくずにありついていた。飛んでいるユリカモメの下に、嘴が覗いているのがそうだ。
2年前の4月から10月までの半年間、けがをしたホシハジロのおっかけをしていたのでホシハジロには特別な思い入れがある。あの時のホシハジロはもういないが、去年の冬も今年の冬も仲間のホシハジロはやってきている。
その昔もけがをしたホシハジロが引き潮になると休息場所にしていた場所まで歩いて行くと一羽のオスがいた。
あの時と同じ赤い目をしてじっとたたずんでいる。違うのは、羽の色がとってもきれいでまるまるとしているところだ。水の中にいるのは、きっとメスだろうと思ったのだがどこか違う。カモのメスはどれも茶色で細部を見ないと判定できない。
目が黄色、嘴の上に白い部分がある、その特徴を基にうちへ帰ってから調べた結果、この鳥はスズガモのメスではないかという結論に達した。おおげさだが、知らない鳥を見て判定するのは結構手間がかかる。
2月18日
宮城県の伊豆沼辺りからは、ハクチョウやマガンなどが北へ帰り始めたという知らせを聞いていたが、カモたちはまだこの辺りにとどまっていた。
星座で行くとぎょしゃ座のように五角形に並んでいる鳥たち。真ん中がホシハジロのオス、右回りでスズガモのオス、3番目も同じ、4番目はオオバン、五番目がなぞだったスズガモのメス。
離れたところからも嘴の上が白くなっているのがわかる。この日は、頭の黒いのがたくさんいたのでキンクロハジロが来ているのかなと思ったら、背中がグレーで頭の黒いところが光線の具合で緑色に見える。ああ、スズガモが来ているんだとすぐにわかった。1月にも来ていたのだろうけれど、メスしか見つけていなかったので、何だろうと悩んでしまったのだ。
スズガモは山下公園の前の海に群れでやってきているのは見たことがあったが、ここでは初めてだ。海にいるカモといわれているからか、遠征してこなかったのだが、今年はどうした風の吹き回しか遙々大岡川までやってきた。
「ようこそ、スズガモ!」この日は、スズガモ祭りで写真もたくさん撮った。
大岡川のこの辺りまでは、汽水域らしく、春や秋にはボラらしき魚やクラゲも入ってくる。
ペアーと言えども、いつも一緒に泳いでくれないので、やっと仲良くフレームに入ってくれたスズガモのオスとメス。
こちらもフレームにやっと入ったホシハジロのオスとメス。二羽とも仲良くお休み中。 本当にカモのペアーは見つけるのが難しい。
新入りのスズガモに気を取られて写していなかったのだが、この日は、オオバンが10羽も来ていた。今までの私の記憶の中では最高。群れといってもいいくらいだ。オオバンは毎年やってくる。
最後にお馴染みのキンクロハジロだ。今年はホシハジロよりも少ない。メスも来ているのだろうが、新入りのスズガモのメスのことで頭がいっぱいで、キンクロのメスにまで気持ちが行かなかったということだ。
以上が今季の水鳥オールスターズだ。
3月15日 橋の袂のヨコハマヒザクラがぷっくらとした蕾を膨らませていた。
横浜のサクラの開花は18日だったようだが、この日ヨコハマヒザクラの隣のソメイヨシノは開花宣言といってもいいだろう。