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 弘明寺の門の所にあるおかめザクラの花にヒヨドリが。

 近くに人がいても警戒することなく一心不乱に花の蜜を吸う。

 春が来てよかったね。

 

 

 今年ヒヨドリに目がいくのにはわけがある。

 昨年の5月、うちのベランダに植えてある「カレーリーフ」が近年になく花を付けた。

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 10月、その花に驚くほどたくさんの実が付いた。

 はじめは緑、それがだんだんと赤くなり紫に変わり、熟しきると黒ずんでくる。ところが毎日黒ずんだ実が減っていく。

 ある日うちにいると、ベランダから鳥の嬉しそうな鳴き声が聞こえてくる。あまりにも嬉々としているので何事かと覗いてみると、カレーリーフにまとわりついている鳥ガいた。そのとたんあわてて逃げていった。熟した実を採っていた犯人はヒヨドリだった。

 ヒヨドリが甲高い声でキー、キーと叫ぶ声や、ヒーヨ、ヒーヨと飛びながらの声は始終耳にしているが、この時の鳴き声は特別だった。

 ピチュルピチュル、チュチュチュと いかにも心地よさそうな声だ。人間が美味しいものを食べた時に、「ウー、うまい!」「とろけそう!」などと発するのと同じなんだろう。

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 たくさんあった実も最後になった時、どんな味なのか一粒食べてみた。カレー風味のほのかに甘い味がした。

 

 そして冬。

 エアコンに頼らず、今年は湯たんぽと毛布で寒さをしのいでいたので、寒さには敏感になっていた。

 りんごを食べた時に捨てる芯のところをベランダの手すりのところに置いておくと、どこで見ているのかヒヨドリがやってくる。

 餌付けするつもりはないが、こんなに寒い日にはエサを見つけるのも大変だろうとちょっとしたお助けのつもりだった。

 

 3月10日

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 雨がそぼ降る日だった。

 建物のメンテナンスで翌日から組み立てた足場がネットで覆われる予定になっていた。最後なので、この日は大奮発。ジャム用のりんごの芯をたくさん置いておいた。

 警戒心が強いのでレースのカーテン越しでしか写真は撮れない。

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 一口食べてはまわりを見まわしつつリンゴを食べる。

 私が動いたのがわかったようで、次の瞬間銜えたまま飛び去った。

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 前にあるケヤキの枝へ停まった。しばらく見ていると落とさないで食べきった。

 残ったリンゴはどうしただろう・・・と私が外出から戻ると一つも残っていなかった。1羽で全部食べきったのか、以前二羽でやってきたこともあるので友だち、いやパートナーと一緒だったのかもしれない。

 

 横浜も開花宣言はまだだが、サクラが咲き始めたので一安心。

 ヒヨドリの大好物の花の蜜を思う存分堪能できるからだ。