今日のお昼は、11月に宮城県の伊豆沼へ行った時に買ってきてあったあぶら麩の残りを使ってしまおうと思って、あぶら麩丼を作りました。
左側があぶらふ丼で、右側は昨日のきくらげを使った春雨スープです。
あぶら麩は、宮城県北部から岩手県の南部にかけての名産品です。
この辺りは、今でこそ美味しいお米がたくさん穫れる米どころですが、
江戸時代は、まだ東北の気候には適した品種がなかっただろうし、
収穫した米のすべてが年貢米になっていったような土地柄だったようで、
農民は、雑穀や麦を作って代用食にした歴史があると聞きました。
小麦の栽培はその頃から盛んだったようです。
その小麦とグルテンを使って練って熟成させたものを油で揚げて作ったのが
このあぶら麩です。
今でも、お盆の時期には、きり麦(小麦の細いうどん)や
はっと(ワンタンの皮状)の上にこのあぶら麩をのせて食べる伝統が
続いているそうです。
余談ですが、このはっと の名前の由来は、農民が小麦作りに熱心になって
米の収穫が減るのではないかと危機感をもった伊達藩が
「麦はご法度(はっと)」というおふれを出したからではないかといわれています。
伊豆沼へ行った時に、お昼を食べたレストランで、メニューの中に
はっとカレー というのがありました。
人の注文したものを注意深く見ていたら
ワンタン状のものにカレーがかかっている カレーうどんのようなものでした。
材料は、あぶら麩、玉ねぎ、シイタケ、サヤエンドウ、玉子、
それに調味料は麺つゆ、油少量。
私の買って来たあぶら麩は、お買い得品ですので、小さくて細いので、
それを2本使いました。
*あぶら麩は、輪切りにして湯につけて柔らかくしておきます。
*玉ねぎ小2分の⒈とシイタケを千切りにし、油を入れたフライパンで炒めます。
*次に麺つゆを適当な濃さにして加え、軽く水分を切ったあぶら麩を入れて煮ます。
*煮えたところに湯通ししたサヤエンドウをちらし、玉子を2個溶いたものを
流しいれ、ふたをして30秒ででき上がりです。
親子丼の肉なしバージョンだと思ってもらえばいいのです。
私は、高校生の頃、転勤族の親と仙台に住んでいました。
もちろん、その頃からこのあぶら麩もあったのでしょうが、
親が買わなかったので結局知らずに過ぎてきました。
退職してから料理に目覚め、数年前ようやく知ることになったあぶら麩です。
旅をするといろんな土地のいろんな食べ物に出会えるのが楽しみです。
肉がない時にこのあぶら麩があるとコクもあって満足感も得られます。
簡単で安くて美味しい丼です。
ついでにお手軽デザート「あぶらふのサヴァラン」です。
*あぶら麩を切ったものを、熱い紅茶とはちみつとレモン汁を入れたものに浸けて
柔らかくしておきます。
(サヴァランなので、私はこれにコアントローを少量入れましたが、好みでラム酒だとかワインだとか洋酒を少々入れると大人のデザートになります。)
*上にのせるのは、レシピでは柿なんですが、ないので
ドライフルーツの柿を使いました。
あぶら麩と同じところに浸けておきます。
*それをフライパンにバターを溶かして軽く砂糖を振ってソテーして冷まします。
*あぶら麩の上にホイップクリーム、その上にソテーした柿をのせて、
あればミントの葉をのせればなおおいしそうに見えます。
今日もあぶら麩色の鳥さんに登場してもらいます。
去年はうちの前では、ついぞ見なかった鳥です。
すごく用心深くて、私はカメラのピントを合わせているうちに
すぐに飛んで行ってしまうので、ここ数日何回も来ているのですが
こんな後ろ姿しか撮れていません。
くちばしが決め手ですが、色から察すると モズ(百舌鳥)だろうと思っています。
気性が荒くて、今日の昼間も例のツグミが地べたをほじくりながら歩いていたら、
「ここはおれのなわばりだ!」といわんばかり、
ツグミを追いかけて追い払っているところを見てしまいました。
小さい体なのに、モズは猛禽類なんです。