古民家山十邸吊るしびな

 二月は、逃げるとはよく言ったもの、今日は、もう26日で、あと3日すると3月。

 そこで思い出したのが、1月の初旬に作った粘土のお雛様のこと。

 朝電話をして焼き上がっているのを確かめてから午後愛川町へ出かけた。

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 1月11日に愛川工芸工房村で作った時のひな人形

 形は、長い三角形を丸めるだけなので難しいことはないけれども

焼いてから絵付けに通うわけにはいかないので

ここでは色付きの粘土を使って模様や道具などを作ることになっていた。

 この日は、水曜日でしかも寒くて、ほかにはだれも作る人がいなかった。

 先生に手取り足取り丁寧に教えてもらえたが、根っからの不器用もの。

 あちこち破たんが見え隠れ。

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 焼き上がったひな人形

 団子のような顔、どことなく私に似ていなくもない。

 まあ、それでも愛嬌があるので、よしとしよう。

 幼少時は、母のひな人形がそのまま私と妹のひな人形になっていたが、

うちは男の子しかいないので、必然的に姪っ子のところへ行ってしまった。

 今回私のひな人形と言えるものができて、この年になってもちょっぴり嬉しい。

 

 

山十邸藥医門

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 せっかく愛川町まで来たので、

前回お休みで入れなかった古民家山十邸へ行ってみた。

 この古民家は、明治時代に建てられたこの辺りの豪農の屋敷だったところ。

 その後持ち主は変わってきたが、

今は国登録有形文化財として愛川町が管理している。

 

 中津往還と呼ばれる古道に沿ったところには、この建物のほかにも歴史を感じさせる

ものがそこここに残っている。

 

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 玄関には、ヤブ椿の花が飾られていた。

 暗い部屋の中にぼやっと見えているのは雛飾り。

 ちょうど、吊るしびな展が開催されていた。

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 土間の方から入ると、蚕のまゆが並べられ、

この辺りもお蚕さんを農家で飼っていたことがわかる。

 木の枝には、繭玉の代わりにだるまやさるぼぼなど

縁起物と思われるものが吊るされている。

 

 靴を脱いで座敷に入る。

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 部屋いっぱいに飾られた吊るしびな。

 あまりの鮮やかさに目が奪われる。

 

 一つ一つ作るのにどれだけの時間がかかるのだろうか。

 豪華なお雛様が飾れない代わりに吊るされたという吊るしびな。

 素朴だけれども、一針一針縫う人の気持ちが込められていて人の温かさを感じる。

 

 一つの小さな輪に数本吊るされているが、

みんな何かテーマがあって面白い。

 動物だったり、女性だったり、柿だったり、スズメだったり・・・

 

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 今年の干支、酉に因んだ飾りも。

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 最後に一つ、お雛様。

 樹脂でできたお顔の新しい段飾りが多い中、比較的古いお雛様。

 お雛様のお顔は、古い方が断然いい。

 

 雛飾りを飾るのは、すごく楽しみだったのに、母は忙しかったのだろう、

なかなか出してくれなくて、ずいぶんせっついたことを思い出した。