20日の木曜日、横浜駅に用事があったついでに山手に寄ってきました。
クリスマスの対象の国が毎年変わるので、まだ知らない国があるとちょっと見てこようかということになるのです。
エストニアは、バルト3国のうちの一つで古い街並みが美しいと今年夏に行った友人から聞きました。クリスマスのツリーを飾り始めた国だそうですしクリスマスマーケットはとてもにぎわうのだそうです。今年は、111番館で展示されていました。
窓辺に下がっていた 民族衣装を来た女性の人形が気に入りました。
もう一つ気になっていたのが、モナコ公国。エリスマン邸の食堂に注目しました。
モナコでは、クリスマスにはオリーブの葉をデザインしたパンを用意してその上に5個~7個のクルミを十字架の形に並べ、その家の主人にあたる人が切って家族に配るのだそうです。パンの横にはオリーブの葉が置かれています。パンは、キリストの体を表わす神聖なものですからこのパンには特別の思いが込められているようです。
モナコのクリスマスの伝統的なお菓子にフガスクッキーというのがあるそうです。
このクッキーは、アニスとオレンジのつぼみで香りをつけた水を使って作り、焼いたクッキーの上にも赤と白に色づけしたアニスの種を飾ります。左の鳥は男の子用、右は女の子用だそうです。
イタリア山外交官の家は、スペインのクリスマス。
スペインは、カトリックでもあるので、アメリカナイズされたクリスマスとは一線を画しているのか、やはりキリスト生誕を祝うものとしてクリスマスがあると聞きました。暖炉の前にヨゼフとマリア、真ん中にイエスキリストという古典的な飾りが設えてありました。
食卓に目を移すと、スペインのお菓子が盛られています。係の人に聞いたら、トゥロン、アサパン、ポルポロンという3つのお菓子だそうです。
(トゥロンはアーモンドとハチミツ、アサパンはアーモンドと砂糖と玉子を使った菓子、ポルポロンは、小麦粉とラードと砂糖を使って作る)
もう一つは、クルミなどの木の実が食べられるそうです。ディスプレイ用で殻をつけたままのクルミや松ぼっくりや飾り用の赤い実が置かれていますが、本来はすぐつまめる状態のものが置かれるのだとか。伝統的なクリスマスの食べ物というのは、たいへん質素な感じがしました。
スペインでは、1月5日がクリスマスのお祝いをする日になっているのだとか。
最後は、外交官の家の隣にあるブラフ18番館。ノルウエーのクリスマスです。
もう4時45分、いつの間にか月も上ってきてイルミネーションがきらきらと輝きはじめました。
入口で、「あと10分ですから階段の上り下りには気をつけて回ってください。」と言われ、そそくさと中へ入りました。
部屋は花の香りに満ち満ちていました。ヒヤシンスの香りです。ノルウエーは、ヨールといって、冬の間昼間の時間が極端に短いので、冬至を境にこれから春に向かっていくのだというお祭りの意味も込められているのだそうです。
本当は、どうなのかわかりませんが、ヒヤシンスやアマリリスを球根のまま植えこむアレンジメントがあるのだとか。
モミやモス(こけ)を間に敷き詰めてオーナメントを置くとクリスマスの飾りに変身です。とにかく家の中が花の香りでいっぱいになるのでいいかもしれないなと思いながら5時の鐘を聞き、急いで出ました。
近頃は、本当の国の事情がどうなのか分からないくらい担当のフラワーアーティストさんたちがきれいに飾りつけをするので、正直言ってどこまでがその国を表現しているのかわからなくて係のボランティアの方にお聞きすることが多くなりました。その国の本来のクリスマスを紹介するのだとしたら、もう少し忠実に計画をしてくれるとありがたいなと思いながら帰ってきました。
夕方図書館に「養生訓」という貝原益軒の本を返却に出かけました。日ごろから食は少な目にしてという養生訓の教えに背いてケーキ屋の前を素通りできずにボッチ用のミニデコを買って食べてしまいました。本当に益軒のいう内欲に弱くて・・・