食事を終え、中華街から腹ごなしにフランス山を登りました。
黒船来航によって、開港させられた日本は、
横浜に外国人の居留地を用意したのですが、
このフランス山には、フランス領事館があり、海兵隊が駐屯していたそうです。
上る途中に崩れた煉瓦の塀や風車でくみ上げる井戸の跡などが見られます。
14日でしたが、まだこの山には辛うじて紅葉が残っていました。
上り詰めたところが「港の見える丘公園」です。
雨は上がって少し空が明るんできました。
ここからは、海の向こうに微かにスカイツリーの姿も見えていました。
西洋館すべてを回る時間はなさそうなので、
まず、イギリス館の先にある111番館へ行ってみました。
玄関を入ってまず目に入ったのは、2階から下がったひらひらした布です。
シャンデリアの光で、波打つひだに微妙な色が浮き出て見えます。
(ああ、オーロラだ!)とすぐに気がつきました。
床には、わらで作った馬が飾られています。
オーロラは、北欧の国ではどこでも見られますが、馬の飾りがあるのは、
スウェーデンに違いないと思いました。
中に入ると、スウェーデンらしい色合いのテーブルセッテイングがされていました。
すべてスウェーデンの国のものを使っているとのことでしたが、
ワインのボトルをおいた木のトナカイがいいなと思いました。
ノーベル賞の晩餐会で使われたものと同じだというワイングラスが
並べてありました。
隣の部屋にあったティーセッティング。
テキスタイル、置物、カップと、どれも北欧らしさを感じます。
何気ない馬の飾りですが、洋館の窓に飾ると雰囲気が出ます。
今度は、「アルメニア」のクリスマスの飾りつけがされている
234番館へ移動しました。
「アルメニア」は、ほとんど未知の国でしたので、とても興味がありました。
入ったところにクリスマスツリーが飾られています。
毛糸を使った人形や、ボンボンが吊るしてあり、とても温かな感じの飾りです。
民族衣装を身にまとった男女の人形。
幾何学模様の敷物にもその国らしさが出ているように思います。
左のテーブルの上には、高級そうなお酒が飾ってあります。
この国は、良質なワインを産出するそうなので、
おそらく後ろにあるのはコニャックだろうと思います。
左の入れ物やビン、右のカップにもザクロがデザインされているので、
葡萄のほかにザクロもよくできる土地柄なのだろうと思いました。
クロスの模様は、独特で、どこかスラブの匂いを感じます。
この国の展示だけは、日本駐在のアルメニア大使が
直々におやりになったと聞きました。
おそらく、この国と日本との関係が今まであまりなく、
取引している業者やコーディネートする専門の方が少ないのではないかと思われます。
2階には、たいへん繊細なアルメニアレースが飾ってありましたが、
これはデザインの著作権があるようで、写真は撮れませんでした。
次は、道を挟んだベーリックホールへ。
ここは、常夏の国ベトナムのクリスマス。
想像通り、ランタンが下がっていました。
テーブルセッティングのお皿が気になりました。
黄色いお皿は、チェンマイで買ったお皿と似ていたので、
すぐに蓮の葉をデザインしたものだなと思いました。
仏教国では、蓮に対する思い入れが大きいのか
器のデザインにもよく取り入れられているようです。
ベトナムらしいツリーの飾りです。
ホールへ行くと、サンタクロースがオートバイに乗っていました。
(ああ、やっぱり!)
というのも、初めてアジアの国へ一人で出かけたのがベトナムだったので、
空港からホテルへ着くまでに見たおびただしいオートバイの数に
度胆を抜かれたのです。
今から20年近く前のことですから、ホーチミンの街は、
信号がほとんどありませんでした。
オートバイの波をどう乗り越えて道路を渡ればいいのかが
翌日からの街歩きの課題だったことを思い出したのです。
どうしたかというと、渡ろうとしている人のそばについて渡ること、
もう一つ、歩くスピードを変えないこと、この2つを体得したのです。
ということで、私の頭の中では、ベトナム=オートバイ なんです。
68番館でやっているブラジルのクリスマスというのも、
南半球の国なので興味がありましたが、時間がなくて
この日は、これで終わりにしました。
美しい飾りを見るだけでもうっとりしますが、
飾りの背後にあるその土地の生活や文化を知ることができるのが
西洋館のクリスマスを見る楽しみです。
おまけ
帰りは、結局桜木町まで歩くことにして、途中カフェ「オムニバス」で休憩。
ここは、旧第一銀行の建物なので、天井が高いのです。
一度は行ってみたいと思いつつ
まだ入ったことがなかったところです。
コーヒーは、3つの産地から選ぶようになっていました。
もう一つおまけ、
先日作ったツリー型のマッシュポテトです。
楽しいクリスマスを!