初めての大阪その2

翌日は、朝から太陽が顔を出しまずまずの晴天に恵まれました。

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 皆さんはもうご存知かもしれませんが、「あべのハルカス」という名前の高層ビルです。JRの「天王寺」駅とほぼ同じところに近鉄の「阿部野橋」駅があります。このビルの中に近鉄百貨店の本店も入っています。横浜の桜木町にあるランドマークよりも4m高く300mの日本一高いビルだそうです。

 展望台には上らず、駅前の天王寺公園を散策しました。

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 公園の両側にはカフェなどのお店が並んでいます。そこを過ぎて右側を見ると長屋門がありました。黒田藩のお屋敷の長屋門を移築してきたようです。長屋門をくぐると大阪市立美術館がありました。

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 ちょうどフェルメール展が開催されていました。フェルメールを彷彿とさせる紫のバンジーが階段を飾っています。

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 美術館と反対側は、あの通天閣が見えます。こういう景色を見ると、ここが大阪を見渡せる位置にあり、ここに陣を築いたことが頷ける気がしました。

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 美術館の奥に池がありました。向こう側に見える小高いところに古墳があったという説もあるようです。

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 まわりの桜の木を見てみるとまだ開花しているようすが見られませんでしたが、一枝に数個花を開かせているものがありました。花の色が白っぽいので、ソメイヨシノでなくオオシマザクラかもしれませんが、これだけ開けば大阪もこの日開花というニュースがあってもいいだろうと思いました。それでも横浜よりも数日遅いです。

 桜の開花というのは春の気温だけで計ることができないんですね。冬の寒さも関係しているし、複雑な自然の摂理があることが実感としてわかりました。

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 駅前の公園に戻ってきました。「てんしば」と呼ばれる公園にはおにぎりをほおばりながらよちよち歩く子どもたちの姿も見られとてものどかな空気に包まれていました。私も公園内にある産直で買ったサバずしを芝生に座って食べました。

 阿部野橋駅から近鉄に乗り、富田林というところまで行きます。もちろん初めての所なので、前日に時刻表を調べて約束の時間に間に合うように準備したのですが、何となく不安なものでずっと駅の名前を見ながら乗っていました。それでも最後ちらっと眠ってしまい、一駅戻るという失敗をしでかしました。10分待って上りの電車が来たのでほっとしました。

 

 

 富田林というのは、ずいぶん田舎だということしか聞いてなかったので、観光ができるとは思っていませんでしたが、この街にも見るべきものがあったのです。

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 駅から東の方へ行くと「寺内町」という町がありました。この一角だけ石畳と白壁の古い家屋や寺が並んでいるのです。

 17世紀中ごろから明治にかけての町屋が多く平成9年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されたそうです。関西ということもあり、私は全く知りませんでしたが、ゆっくり時間をかけてみて回りたいところでした。

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 「富田林寺内町について」から抜粋

 16世紀半ばごろ興正寺の門跡証秀上人がこの辺りの荒芝地を買い近くの4か村の庄屋株2人、計8人で興正寺別院の建立、畑屋敷町割りなどの建設を要請したのがはじまりとされています。

 上の写真が確かその興正寺の別院だったと思います。

 

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 南北6筋、東西七町の道路で整然と区画され下水路完備、周囲には竹藪のある土居をめぐらし、外部からの出入りは、4か所にかぎられていました。

 早くから自治的都市特権を得て、町政の運営には年寄り役となった8人があっていました。

 ここは、東高野街道と富田林街道が交わる交通の要所であり、収穫された米、綿、菜種などの農産物にも良質の水に恵まれ、南河内一の商業地として発展しました。

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 富田林の駅を降りると、左手の丘の方に白い塔が見えたので、「あれは何?」と聞いたところ、「PL教団の塔」だとのこと。

 この街のどこからもランドマークのように見える塔です。もちろん寺内町の街からも見えていました。PL教団のことはよく知らなくても、高校野球の「PL高校」の名前はよく知っているという私のような方は多いのではないでしょうか。

 法事の後先にちょこっと観光しただけなので中途半端ですが、とにかく知らないところへ前知識がなくて行くと、それはそれで面白いものだというのが今回の旅の感想です。