荒野に希望の灯をともす

 うっかりしていた。

 土曜日から横浜の名画座で中村 哲さんの映画が始まっていることを忘れていたこと

に今朝気づいた。

 

 時間は、午後1時35分から。台風が去ってもまだ熱風が吹いている。始まったばか

りなのできっと混んでいるに違いないと思ったが、ひどい暑さなのでそれが災いしてか

えって混まないかもしれないと思って出かけた。

 

 ところが支配人が入口に立っている。ああ、いっぱいなのかなと思ったところやっぱ

り補助席も含め今日は、すでに満席だとのこと。がっがりだ。

 自分の予想が甘かったとは言え、この映画にこんなに人が集まってくれることは嬉し

い。

 仕方なく、チケット売り場で明日の予約をして帰ってきた。当分混雑が予想される。

 

 この映画は、「荒野に希望の灯をともす」というタイトルのドキュメンタリーだ。

 私はテレビを見ていないので、これまでも何回か断片的な映像が流されてきているそ

うだが、20年以上にわたり撮りためた映像素材から医師 中村哲の生き方を辿る劇場

用に仕上げたものということだ。

 

 予告の断片的な映像の中にも、哲さんが現地のアフガニスタンの人たちと用水路を掘

っているときに上空をアメリカ軍の軍用ヘリコプターが飛んでいる映像が見られる。

 どちらが現地の人の生活を豊かにし信頼を勝ち得るのか、それだけでもわかる。

 

 安部元首相と同じ凶弾に倒れ亡くなった中村哲さんこそ、誇りをもって弔える人では

ないか。権力を誇示するための「国葬」が決定されてしまったが、庶民はちゃんと知っ

ている。中村哲さんを弔うためなら権力など振りかざし号令を出さずとも心からその

死を悼むだろう。

 

 この映画、東京ではポレポレ東中野、そのほか順次全国で上映が決定されている。

 皆さんもぜひ脚を運んでもらえると嬉しい。