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二郎は鮨の夢を見る JIRO DREAMES OF SUSHI

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 ミシュランガイド6年連続で三ツ星に輝く「すきやばし次郎」の鮨職人「小野二郎」の生き方を描いたドキュメンタリー映画です。

 ただし、この映画は、日本の監督が撮った映画でなく、デヴィッド・ゲルブというアメリカ人が製作、監督、撮影をした映画で、わずか2館で公開、口コミでうわさが広がり、全米でドキュメンタリー映画としては異例の大ヒットを記録をして、世界三十カ国で公開された映画が日本に逆輸入されたものです。

 以前、テレビで「すきやばし次郎」の店のことは見たような気がしますが、しっかりと記憶にはありませんでした。

 数寄屋橋の地下街の一角、カウンター10席の小さなお店にもかかわらず、昼も夜も予約のみ、メニューもお任せのにぎりのみで、お酒も肴もありません。

 と聞くと、一体どんな鮨を出しているのか興味が湧きます。

 飽食、一部の人だけが高級な食材を手に入れられるこの時代をいいこととは考えていませんが、鮨が好きな私としては、どんな鮨なのか知りたいと思いました。

 まず、次郎では、築地の卸売り市場で、いつも最高のネタを仕入れています。 市場の人も次郎さんのところにということで、常に用意をして待っているという関係がすでに築けているからこそ、最高のネタを仕入れることができるのでしょう。お互いがプロで、売る方も自分が最高のものを仕入れることができることを自負しています。

 良いネタがない時に無理に数だけそろえるよりも、そのときに一番よいものを出すことが重要だということで、お任せのみというメニューができあがったということです。

 マグロだけは、代替品というわけにもいかず、いいマグロが入った日は、機嫌がいいのが分かるそうです。 

 鮨のネタの下ごしらえです。映像を通してもすごく大変で、生のいい魚を仕入れさえすればいい鮨が提供できるわけではないことが今回良く分かりました。

 若い職人さんが弟子入りしてまずやることは、熱いお湯で「お絞り」を絞ることだそうです。それができてから、次の仕事が与えられるようです。

 玉子焼きを焼けるようになるまで、何年もかかるそうですが、何回もやってやっとオーケーが出た時は、涙が出るほど嬉しかったと若い職人さんが回想していました。

 二郎さんは、静かで大きな声を出すような方ではなさそうですが、自分にも厳しい人なので、他人に対しても職人としての姿勢は厳しいものがあるのだと思います。

 鮨は、魚としゃりのコラボレーションなので、お米にもこだわりがあり、炊き方も独特の圧力のかけ方をしているようです。米がよくても、普通の人には使いこなせない米だと米屋さんが話していました。

 息子さんが二人いて、長男が今のお店のほとんどを任せられ、市場の買出しから下準備までほとんどのことをこなしているようですが、カウンターで鮨をにぎるのは、二郎さんで、

 「今は、一番かっこいいところだけやらしてもらっています。」

 と話していました。

 二男は、すでに六本木に支店を出して店を切り盛りしているそうです。

 二郎さんは、映画を撮っている当時87歳の現役ミシュラン三ツ星シェフで、ギネスにも登録されているそうです。 

 お任せの値段は、最低3万円なので、それ以上を用意していかないと食べられません。何ヶ月も前に予約を入れてやっといただくことができます。

 それこそ、20カンの構成をフルコースのように考え、その日のネタをどういう順番で出していくか、席の配置、シャリの量(お客が20カンをすべて食べられるように女性だとシャリを少なくにぎる)など、細かいところにまで神経を行き届かせているようです。

 職人として決して手を抜かないばかりか、どうしたらもっと美味しい鮨を出せるか夢の中でも考えるというくらい仕事一筋です。

 好きな仕事なら、とにかく一筋に頑張ることが大事なことだと語っていましたが、実践している人の言葉は、重いです。

お・任・せ握り寿し 

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 せっかくなので、帰りに映画館の近くにある「つかさ鮨」で、ランチメニューのお・任・せ・にぎりを注文。この店は、雑誌「大人の休日」に横浜では、ただ一軒紹介された、通な方にも人気のお店だそうです。

 映画の世界から急に現実に引き戻されましたが、1500円なので、私にもお・任・せ握りを食べられました。