鎌倉紅葉再び2

 昨日は、風もなく雲一つない青空、びっくりするくらいいいお天気でした。

 国道一号線を走るバスの窓からも雪を被った富士山が見え、

すごくついているなと自分でもびっくりしました。

 

 駅の改札で友人に会うなり、

 「今日はいい天気でよかったねえ。」

の挨拶がみんなの口からついて出てきます。

 空気はまだ冷気を含んでいましたが、歩くうちに汗ばんでくるくらい

風がなく穏やかな小春日和です。

 

 まず、先日横目で通り過ぎた報国寺へ。

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 報国寺の大イチョウと鐘楼の屋根。

 (逆光でぼやけてしまっています。)

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 竹の寺ですから、竹林ともみじ。

 この先にはもっとすごい竹林があるのに、

みなさん、私が下見をした華頂宮邸へ行こうというので、またもや報国寺はスルー。

 報国寺さん、また拝観料を払わずにごめんなさい。

 

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 こちらは、華頂宮邸。

 先日と違うのは、空の色。雲が1つもありません。

 結局華頂宮邸のベランダのベンチで一休み。

 ウイークデーのせいか、スケッチをしている人が大勢いました。

 ここで11時半になっていたので、通りの向かいの浄妙寺へ向かいます。

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 浄妙寺の本堂の屋根の空と飛行機雲。

 空気も澄んでいるのか、山の紅葉も鮮やかに見えます。

 ここで「石窯ガーデンテラス」のランチです。

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 先日は、パスタランチを食べたので、今回は、ガーデンランチの方にしました。

 お魚の方を選んだので、鰆とオマールエビのソテーです。

 この鰆、脂がのっていてとっても美味しかったです。

 美味しいものを食べるといつも幸せです。

 後は、先週とほぼ同じ。

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 浄妙寺から駅の方へ戻りながら、杉本寺へ。

 ここ杉本寺は、鎌倉最古のお寺で、三体の十一面観音がご本尊。

 坂東三十三番観音霊場の一番札所。

 ということは、うちの近くの弘明寺観音が14番札所ですから

お仲間ということになります。

一番というのは、古いということでしょうか。

 

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 通りから、細い階段を上がっていくと、仁王門があり、

先はもっと階段が細くて苔むしています。

 階段を保護するためでしょうか。

 ここから先は、左の新しい階段を上ることになります。

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 境内には、やはり大イチョウがありました。

 報国寺華頂宮邸、浄妙寺、そして杉本寺も

黄金色に色づいたイチョウが見事です。

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 イチョウの木のそばの五輪塔

 苔もカビも生えてずいぶん古いもののような気がしました。

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 鐘と衣張山。

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 衣張山も錦をまとって美しいです。

 この山の由来は諸説あるようですが、夏の暑い日、源頼朝

幕府のあった大蔵から見えるこの山に

白い絹を被せ、雪に見立てて政子を喜ばせたという説が

ロマンがあって一番いいなあと思っています。

そんな長い白衣を用意できるはずもなし、権勢を誇ったお話なんでしょう。

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 本堂の写真を撮るのを忘れましたが、

夏みかん越しに見える茅葺の屋根が本堂です。

 傾いてきたお日様を追いかけるように、駅へと向かいました。

 これで、鎌倉散策は終わりです。 

鎌倉紅葉再び

 半年前から決まっていた鎌倉散策、とうとう明日となってしまいました。

 友人は、みな都区内や三多摩から電車賃をかけてくるので、

できれば自分の知るベストの鎌倉を案内したいと思って、

13日は西側を探り、26日の土曜日は東側を探りに参りました。

 

 鎌倉駅東口から、八幡様の通りへ出て、すぐに東側の路地へ入り

小町大路を北上、金沢街道へと入っていきます。

 今回は、報国寺方面へ行ってみました。

 歩いて約30分、浄妙寺のバス停から右手の道へ入ると、報国寺

 報国寺は、竹の寺として有名です。

 竹林が日本情緒を感じさせるせいでしょうか、

ミュシュランガイドブックにも載っているらしく、

外国人の団体さんがたくさん来ているようでした。

 ここは、以前来たことがあるので、庭のイチョウの葉の色づくさまを

横目で見ながら、その先にある華頂宮邸へ。

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 鎌倉には、3つの西洋館が保存されているそうで、その一つです。

 報国寺のにぎわいとは打って変わり、観光客もまばらです。

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 門を入ったところにあるモミジは、赤く染まっています。

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 庭の方へ回ると黄色く染まったのもありました。

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 庭から見た建物の全景です。

 老朽化しているので、春と秋の決まった日以外は、中に入ることができません。

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 外側から見える意匠にもこの時代の粋を垣間見ることができます。

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 この日の私の大事な課題は、食事をどこでするかということでした。

 駅の付近まで戻るには時間もかかるので、

道の反対側の浄妙寺の境内にあるレストランを下見してみることにしました。

 

 この浄妙寺は、鎌倉五山の第五位、格式のある寺です。

 今は、建物も新しく面影がありませんが、昔は、7つの塔頭があったそうです。

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 もみじの色づきもいいし、

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 イチョウも大きく黄金色に輝いています。

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 散策路には、この季節を静かに花が彩っていました。

 左から、十月桜、ホトトギス、びっくりして咲いたツツジ

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 ここが境内の奥にある’お目当てのレストラン、「石窯ガーデンテラス」です。

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 まわりの山が借景となり、すぐ前の庭は、ハーブガーデンになっています。

 スノードロップ?の小人さんもかわいいなと思いましたが、

真紅のバラが鮮やかで、目に飛び込んできました。

 なぜか、風と共に去りぬのスカーレットのドレスを思い浮かべてしまいます。

 

 ロケーションは、申し分ないのであとは、お味。

 

 メニューは、パスタランチと主菜を選べるランチと二通りです。

 私は、パスタランチ(税込み3000円)を選びました。

 鎌倉は、その土地柄ゆったりと食事ができるところは、ちょっとお高めですが、

我慢してもらうことにしました。

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 左から、前菜、パン、パスタ(ラムのラグーソース

デザート(パンナコッタのベリーソースがけ)とコーヒー

 パスタは3種類の中から、飲み物も選べます。

 ラグーソースのパスタが美味しかったので、ここに決めることにしました。

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 ここは、名前の由来にもなっている石窯でパンを焼いているので、

パンもレストランの中で買うことができます。

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 パンを焼く煙に送られて、この日の下見を終えることにしました。

 

 私のブログは、いつも長くていけない、いけないと思いながら

またもや長ったらしくてすみません。

 欲張りで、写した写真はみんな使ってみたくなってしまうのです。

 申し訳ありません。

うちの近くの紅葉

 今年の紅葉は、素晴らしい!!

 どこかへでかけなくとも うちの近くで十分楽しめる。

 11月22日は、晴天。

 青い空が特別なものに見えた。

 

 モミジバフウ 

 黄緑、黄色、朱色、臙脂 と まるで刺繍を施しているように美しい。    

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ハゼ (「小さい秋」の3番の歌詞に登場)

・・・・・・

むかしのむかしのかざみのとりの

ぼやけたとさかにはぜのはひとつ

はぜのはあかくていりひいろ

ちいさいあき ちいさいあき ちいさいあきみつけた

 はぜは、やっぱりいりひいろ。

 サトウハチローは、素敵な言葉をみつけたなと 

ハゼの葉を見るたび感心する。

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 モミジ

 団地の中庭のモミジもこんなに鮮やかに紅葉。

 捨てたものじゃないです。 

 炎のように燃え盛るモミジ

 揺らぐ乙女心のような色モミジ

 心静かに深まるモミジ

 どんなモミジもやがて散り、土に帰っていくのですが・・・

 

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 ベランダ越しに毎日見ているケヤキには、愛着がある。

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 左のは、11月12日 黄色く色づき始め、

 秋がようやくやってきたとちょっぴり嬉しくなった。

 

 右のは、11月21日 オレンジ色に染まってケヤキが一番輝いて見えた。

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 そして、11月24日 紅葉に雪。

 ここへ9年住んでいて初めての光景。

 

 この日の昼、雪が降る様を見ながら、静かに里芋を煮付けた。

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 ここ15年くらい会っていなかった友人に 10月に永田町でばったり出会った。

 彼女は、もう15年くらい自分で畑を借りて有機栽培の野菜を作っている。

 その友人から、先日タケノコ芋と里芋とゆずが届いたのだ。

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 私は、イカのワタも入れて煮る里芋が好きなのだが、

近頃、不漁らしくとんとイカを見かけない。

 ところが、この前日の夕方、皮もワタも取ったイカが半額になっているのを見つけ

これ幸いと購入した。

 

 ワタがないのは残念だったが、そのイカと里芋を煮たのだった。

 とってもねっとりとした美味しい里芋で、口に入れる度に思わず

「美味しい!」と 口走ってしまう。

 今度は、初物のタケノコ芋。

 どうやって食べようか思案中だ。

鎌倉紅葉2

 鎌倉駅の西口まで来て、もう一つ見ておこうと

また線路沿いを歩いて北の方へ向かいました。

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 化粧坂へ入る道をもう少し進むと海蔵寺という寺があります。

 ここは、折々の花が庭を彩り、紅葉のもみじでも有名です。

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 山門の前のもみじ。

 まだちょっと早いのか、オレンジ色のもみじです。

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 庫裏の屋根にかかるもみじ。

 ところどころ赤くなっていますが、まだまだです。

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 目を下に向けると鮮やかなリンドウが目に飛び込んできます。

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 昨年の夏、紫陽花の季節に訪ねたきりでしたので、

この深い青のリンドウを見て、今日来た甲斐があったなと思いました。

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 境内から参道を見たところです。

 あと2週間すれば、もみじはいい頃合いになっているだろうと胸算用をしました。

 

 ここから帰るには、鎌倉駅へ戻るか北鎌倉へ進むかどっちつかずの道のり。

 同じ道を歩くのもつまらないと思って、

亀ヶ谷を通り、北鎌倉へ出ることにしました。

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 亀ヶ谷は、切通しががけ崩れの危険性が高いというのもあって

(釈迦堂はすでに通行止め)歩行者とバイクのみの通行になっています。

 その薄暗い道を歩いて行くと、

塀の壁にこの羊歯のような植物が覆っているところがありました。

 羊歯も紅葉?

と不思議に思って写真を撮ってきたのですが、

この植物を、調べたところイヌカタヒバ

あるいはカタヒバらしいことまではわかりました。

 そういえば、ヒバの葉に似ている気がしました。

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 うちのそばまできたら、お月様がメタセコイヤモミジバフウの間から見えました。

 そういえば、明日はスーパームーン

 前夜のお月様ですが、いつもよりは大きい気がしました。

 

 この日、北鎌倉から山を越えて長谷、鎌倉、北鎌倉とざっと西側を一回りしたので

うちに帰って万歩計を見ると23000歩になっておりました。

 ちょっと歩き過ぎで股関節に痛みが。

 まったく体調を考えない年寄りは、困りものです。

  

鎌倉紅葉

鎌倉円覚寺

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 12月の初旬の散策に向けて、紅葉スポットの下見に行ってきました。

 北鎌倉で下車。

 鎌倉は、紅葉の名所ですが、

温暖な気候ですので、どうしても紅葉の時期はおそくなります。

 ところが、今年は割合早かったようで、駅の改札真ん前の円覚寺の門前のもみじは

もうかなり赤くなっていました。

 今回は、例年割合早く紅葉する源氏山へ行こうと、

浄智寺の横の道から山道へ入ってみました。

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 11月は、サザンカツワブキが花のない季節を彩ってくれていますが、

山道の傍らで白いサラシナショウマが咲いているのを見つけました。

 本格的な冬になる前の白い金平糖のような花の輝きに見惚れました。

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 開けたところからは、周りの山々が見渡せます。

 赤や黄色に色づき始めた木々が見えますが、紅葉にはもう少し時間が必要です。

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 かなり南へ来ました。

 手前は、材木座や由比ガ浜の海、その向こうには逗子も見えています。

 山の上から海が見えると、私は、いつもとっても嬉しくなってくるので

 鎌倉の山歩きは、楽しみがあって好きです。

 

 源氏山公園に到着。

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 まず、黄色いもみじ。

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 指先を赤く染めたもみじ。

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 赤いもみじ。

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 そして、いろいろもみじ。

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 イチョウも負けてません。

 源氏山は、もう紅葉狩りOK、ということにして、

長谷の方へ山を下りました。

 

 鎌倉へ来た日本人の観光客は、神社仏閣を見て

小町通りで買い物をするというのが一般的なパターンですが、

長谷の大仏を見てからわざわざ山を登ってくる外国の人が多いのでびっくりしました。

 楽しみ方のちがいでしょうか。

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 化粧直しが終わった高徳院の大仏は、またの機会にして。

高徳院の裏道を鎌倉駅の方へと向かいました。

 いつもここに咲くサザンカが、

今年も見事なピンクのバラのような花をつけています。

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 高徳院の庭もだいぶ色づき始めました。

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 いつも、ここを通ると、大仏のお姿を一目でもと思うのですが、

なかなか見えないものなんです。

 ハイキングコースからも後姿が微かに見えるというのですが、

まだ見たことがありません。

 今回は、庭の木々のすきまから、大仏の頭の螺髪(らほつ)を

見つけることができました。

 お分かりいただけましたか?

 大きいはずの大仏が、拝観料を払わないと見えないように

うまく配置しているものだと感心しながら、

長谷の大谷戸の信号へと向かいました。

 (つづく)

 

 

冬鳥の飛来地を訪ねてー伊豆沼・内沼その4

 「また鳥~」という声が聞こえそうですが、自分の記録ですので、勘弁してください。

 この旅を計画したのは、9月。

 11月6日の伊豆沼のサンクチュアリセンターの観察会に参加したいと思って

申し込んだので、この日が旅のメインだったのです。

 

 というわけで、6日は、午前5時半集合に間に合うように、

午前5時に宿舎を出発して懐中電灯で道を照らしながら

真っ暗な道をサンクチュアリセンターまで歩きました。

 この日の観察会は、ラムサール条約に登録されている

伊豆沼・蕪栗沼・化女沼のラムサールトライアングルを回るツアーでした。

 マイクロバスに乗せて運んでくれますし、研究員の先生たちのレクチャーや

望遠鏡つきです。

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 まずはじめは、5日にも個人で行った「獅子が鼻」でのガンの飛び立ち観察。

 やっぱり飛び立つ気配をつかみきれないので、

またシャッターを切るのが一瞬遅れました。

 でも、今までで一番多くのガンを低い位置で捕らえることができました。

 この日は、北西風が強く、飛び立ったはいいのですが、強い風に押し戻され、

翼を一生懸命動かしながらもなかなか先へ進めない群れが多く、

途中から方向を変えて飛んでいったり、沼へ戻って下りたりするものもありました。

 日本海オホーツク海を渡る時にも同じようなことがきっとあっただろうと

渡りの苦労を垣間見た気がしました。

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 ガンの飛び立ちの後、しばし沼に静寂が訪れます。

 残っているオオハクチョウヒシクイが浅瀬で餌をついばんでいるところも

望遠鏡を使って見せてくれました。

 この日先生方に教わって、初めてヒシクイがこの沼にやってきていることを

知ったわけです。

 外見は、ガンとあまり変わりがないので、気づかないのです。

 

 気温はさほど低くはないのですが、とにかく風が強く

帽子はもちろん、マフラーで口まで覆っていました。

 飛び立ちの前に、温かいコーヒーやココアのサービスがあり、

暖を取ることができました。

 この見学会は、飲み物付き、朝ごはん、バス代、保険料込みで1500円なんです。

 

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 7時少し前にサンクチュアリセンターへ戻り、朝ごはんを食べました。

 日曜日のお昼だけご夫婦で営業している「四季味」さん。

 その日は、ツアーに合わせて、朝早くから準備してくれた特別な朝ごはんです。

 「農家なレストランなので、うちで作っている野菜を中心にした献立です。」

と、奥さんが挨拶されていました。

 寒い外から帰ってきたので、野菜たっぷりの豚汁や、出汁で伸ばした山芋、

湯気の立つ新米のご飯、ダイコンの酢漬け、きんぴらごぼう、野菜の煮びたし

ボリュームたっぷりの美味しい朝ごはんがいただけて本当に幸せでした。

 ご飯は、ご主人がはいつくばって作った有機栽培米だと奥さんが紹介されていたのが

心に残っています。

 8時前にまたマイクロバスに乗り、次の目的地へ出発。

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 10キロくらい離れているかと思いましたが、ここが蕪栗沼です。

 伊豆沼に比べると面積は狭くて、観察するにはちょうどいいのかもしれません。

 枯れ野に2つの沼が見えます。

 2つの沼の間の道を10分ほど歩き、右側の沼へ向かいました。

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 柳の木の間から、まどろむオオハクチョウヒシクイなどが見えています。

 ヒシクイは、ガンの仲間ですが、名前の通りヒシの実を食べる鳥なので、

マガンと一緒に飛んでいく必要がないのでしょう。

 

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 研究員の先生が、沼の向こう側にいた1羽のヘラサギを見つけて教えてくれました。

 ダイサギくらいの大きさですが、嘴が黒くてしゃもじの形をしています。

 この辺りに飛来するのは珍しくて、1年に数回しか見られない鳥なので

ラッキーだとおっしゃっていました。

 前で眠っているのが、ヒシクイです。

胸の毛は、モフモフしていて毛布に使いたいくらいです。

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 お目目がかわいらしいのは、先ほど紹介したモフモフ ヒシクイです。

 オオヒシクイより少し小型です。

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 オオバンです。

 昨年、大岡川にも飛来してきたのでお馴染みさんです。

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 オオハクチョウの飛来。

 二羽仲良く飛んできたので、たぶんカップルでしょう。

 ハクチョウは、夫婦仲がいいですね。いつも一緒です。

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 オオハクチョウの着水。

 5羽でやってきました。

 よく見ると、白いのが2羽、灰色が3羽ですから

これはご夫婦と3羽の子どもの家族に違いないでしょう。

 夫婦愛だけでなく、家族に対しても強い絆で結ばれていますね。

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 これは、ハマシギ

 かわいいでしょう。

 ほかの鳥から比べると、かなり小さくて

浅瀬をちょこちょこと動き回っていました。

 アラスカあたりから越冬するためにやってくるのだそうです。

 写真はありませんが、タゲリというのも教えてもらいました。

 湘南の平塚辺りにも少数ですが渡ってきている鳥です。

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 またバスに乗り、向かったのは、化女沼

ここは、ダム湖になっています。

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 ダム湖に浮かぶカモたち。

 

 遠くだったので、ぼけた写真しか撮れませんでしたが、

ここには、ホシくんと同じ首が茶色いホシハジロがたくさん来ていました。

 手前の首が黒いのは、キンクロハジロです。

 カモたちだけで、それも数少なくちょっとがっかりでした。

 陽が陰って風もあり、なんだかとっても寒そうなカモたちでした。

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 化女沼の観察館です。

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 ダムの説明板。

 化女沼から、バスに乗り、伊豆沼のサンクチュアリセンターへ戻りました。

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 朝は、忙しくて気がつきませんでしたが、玄関を入ると、

模型のマガンが出迎えてくれていました。

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 入ったところにある1階の展示ホールです。

 白い壁一面にイラストやはく製や模型などの資料がおしゃれに配置されています。

 子どもたちが触って確かめるようになっているものもたくさんあって

広々とした素敵な空間でした。

 階段を上って2階へ行くと朝ごはんを食べた「四季味」さんがあります。

 昼ご飯は、費用には含まれていないのですが、とっても美味しかったので、

食べることにしました。

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 おかずはブッフェ形式です。

上段左から、野菜の煮びたし、サンマの煮つけ、里芋の揚げ団子、から揚げ、

真ん中、味噌の紫蘇巻、蓮の煮もの、酢ゴボウ、

下段、レンコンなどのサラダ、ウリの味噌漬け、ダイコンの酢漬け

 

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 有機栽培の新米と野菜たっぷりの豚汁

 これで1000円です。

 お変わり自由ですし、すごく満足感があります。

 こんな安心安全な外食ができることは、本当に貴重なことだと思います。

  食べ物は、大事です。

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 サンクチュアリセンターの外観です。

 蓮の葉をデザインしたような屋根が目を引きます。

 建て替えられたばかりのようで、美しいです。

 

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 高台なので、庭からも伊豆沼を見下ろすことができます。

ドウダンツツジが見事に紅葉していました。

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 この日夕方の列車で帰ることになっていたので、歩いて宿まで戻りました。

 二泊お世話になった「ウエットランド交流館」です。

 

 隣の部屋の音が気になりましたが、

1人でも泊めてくれる安い宿舎で私にはとてもありがたかったです。

 冬場は、もっぱら野鳥の観察で訪れる人が多いようです。

 宿舎の管理をされている方がとても親切で

初めてだと知って、いろいろ教えてくれて有り難かったです。

 これで、今回の冬鳥の飛来地を訪ねては、終わりです。

 

 読んでいただいた方々ありがとうございました。

  

冬鳥の飛来地を訪ねてー伊豆沼・内沼その3

 朝食を済ませ、一休みしてから

伊豆沼・内沼の周辺のようすを歩いて見て回ることにしました。

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 内沼の前には、昆虫館があります。

 この地域に生息する昆虫の標本や映像、

それに研究者が集めた世界の昆虫標本もたくさん陳列されています。

 

 私が気になったのは、この地域にいるという「チョウトンボ」。

 トンボの後ろ羽が太く、光線の具合で紫色に見えたり、

エメラルドグリーンに輝いて見えたり、とても美しい色のトンボです。

 夏に来たらみられるのかと係の方に聞いたところ、

素人がすぐに見つけられるようなトンボではないようです。

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 子どもがお母さんとエサやりするのどかな風景です。

 昆虫館で100円で売っているハクチョウのエサ(お米を膨らませたもの)を持って

子どもでも簡単に鳥たちと交流できるようになっています。

 ハクチョウたちもだいぶ警戒心が取れたのか、土のところへ上がってきています。

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 バス道を歩きながら、キュルキュル、キュルキュルとガンの声が聞こえると

どうしても空を見上げてしまいます。

 彼らは鳴きながら飛びます。

 私もその度に上を見上げるので

回らなかった首が回るようになり、だいぶ楽になりました

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 時々、田んぼの畔を突っ切りますが、

この日は、風もない小春日和でしたので、

2羽で飛び交うチョウやペアーになった赤とんぼをずいぶん見ました。

 寒い冬に突入する前のこんな日には、最後の命の輝きを感じます。

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 朝、沼を飛び立ったガンたちは、こうやって刈り取った田んぼにやってきて

日がな一日落穂ひろいをやっているのです。

 サンクチュアリセンターで教えてもらったのですが、

ガンは、一日に6500粒の米、300粒の大豆を食べるのだそうです。

 ガンたちにとっては、こうした田んぼがまわりにないと、

越冬地になりません。

 この地域は、すでにラムサール条約で認定されているので

勝手に開発ができないことになっていますが、

もし、この地域で米を作らなくなったら、やがてガンは飛来しなくなるかもしれません。

 

 話は飛躍しますが、十月に生協から新米が届きました。

 偶然ですがその米は、この地域の有機栽培米でした。

 人間にとっても有機栽培米を食べられるというのは、ありがたいことなのですが、

渡り鳥にとっても化学肥料や農薬を使わないで作られた落穂は、最高のエサ。

 この地域のたくさんの農家の取り組みに改めて感謝したいと思いました。

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 伊豆沼の東側にあたる登米市迫町までやってきました。

 マンホールも郵便局の看板もハクチョウをデザインしたもの。

 1軒だけあるコンビニの名前もスワンなので、ちょっと笑ってしまいました。

 この伊豆沼近辺には、ほかのコンビニはありません。

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 在来の東北線の列車は、2両編成、新田駅もローカルな感じです。

 ここまで約3時間くらい歩きました。

 何せ、伊豆沼のまわりには、新田駅の周辺にしか食べ物を売る店も食堂もないと

聞かされていたので、車のない私は、昼ご飯にありつくために歩いてここまでやってきたのです。

 午後1時半、お腹もすいていたので

この駅の先にある農産物直売所とレストランへ急ぎました。

 

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  この地域の豚肉(赤豚)やハム、ソーセージをメインにしたメニューのレストラン、「くんペル」で

私は、この地域の伊豆沼から取り出した酵母で作ったピザを食べました。

 天然酵母の香ばしいピザ生地に、この地域の農畜産物や近くの牧場でできたチーズという組み合わせで作ったピザは、

たいへん満足感がありました。

 「くんペル」というのは、ドイツ語でなかまという意味なんだそうです。

 地域の生産者が手を携えて頑張っているのがピザ一つ食べてもよくわかりました。

 レストランの横の工房では、ハムやソーセージが作られ、申し込めば料理教室にも参加できるシステムになっています。

 

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  レストランのそばには、ヤギが飼われていて、子どもたちがエサをやることができるようになっています。

 私が歩いてそばまで行くと、このヤギさんは、エサがもらえると思って、柵の間から一生懸命首を出そうとしています。

 

  踏切を渡ると、サンクチュアリの淡水魚館があり、伊豆沼に生息する魚が展示されています。

  

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  ようやく伊豆沼の向こう岸へ渡る道へでましたが、日の入り間近です。

  ここで、朝車に乗せてもらった「Oさん」に出会い、いっしょにねぐら入りを見ることになりました。

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 前に見える田んぼでは、まだガンとハクチョウが食事中でした。

 この鳥たちがねぐら入りするのを目の前で見られるといいと思っていましたが、

なかなか飛び立とうとしません。

 ほかの鳥たちがあちこちから帰ってき始めました。

 結局この集団は、すぐ沼が近かったせいなのか、かなり暗くなってからようやく飛び立ちました。

 それも、三々五々という感じでしたので、ちょっと拍子抜けでした。

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  沼に下りたガンのおしゃべりの声と空高く上った三日月に見送られ、車で宿にもどりました。