中華街で昼御膳

 雑誌のおまけでチケットが当たったので、

八王子の友人を誘って横浜美術館へ行きました。

 この日は、あいにく雨模様の天気だったので、桜木町で待ち合わせてから、

まず美術館へ直行してゆっくりと鑑賞しました。

 

 この日の展示は、BODY/PLAY/POLITICS,

身体を通じて立ち現れる肌の色の違いや性差、民族的習慣や生活スタイルなど、

時に歴史的な不幸を招いたりしてきたことを踏まえ、

将来へ向けて新たな意味を見出そうというようなインスタレーションが主の

現代作家さんたちのものでした。

 

 あまりにゆっくりと鑑賞していたせいで、ふと時計を見ると12時45分、

1時に萬珍楼でランチを予約してあったので、あわてて中華街へ向かいました。

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 萬珍楼へ入ると、細密な彫刻を施した壁面が目に飛び込みます。

 たくさんの獅子が刻まれているので、獅子の数を数えたりしていますが、

何匹いたかすぐに忘れてしまいます。

 横にある獅子には、灯りが点り、中国のお正月、春節も間近だなと想いました。

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 ここのダイニングは、昼間でも照明をやや落としてあり、

両サイドに赤い提灯が飾られていて、中国の映画に出てくる上海の雰囲気を感じます。

 日本に居ながらにして、異国を感じられるのもいいところです。

 

 荷物を座席に置くと、上から荷物を覆う布を被せてくれます。

 また、熱いものは、熱く、冷たくしてあるものは、皿からスプーンまですべて

冷たくしたものが出てくるなど、いい気分で食事ができる配慮がされています。

 

 中華街には、たくさんの食堂がありますが、すべてを食べることは叶いません。

 ウイークデーのランチは、800円も出せば、スープ、主菜、副菜、サラダとか漬物、

それに杏仁豆腐が付いたものが食べられます。

 

 近頃食材にこだわりが出てきたので、外食であっても

できれば安心安全なものが食べたいと思うようになりました。

 値段から材料の素性が見えるので、安いからといって

手を出すことができなくなりました。

 

 老い先短くなったからでしょうか。

 できれば少しでいいから多くの種類のお菜を食べたいと思うようにもなりました。

 私は、ここのところ中華街で会食をするときは、

萬珍楼の「昼御膳」と決めています。

 (*ウィークデーのみ限定30食、値段は2200円+サービス料10%)

 この日も、ウイークデーだったので、迷わずここを選びました。

 

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 まず、熱いスープが出てきます。

 

 

  1.   

 

 

レンコン料理3品

 先日出かけた宮城県の伊豆沼は、全面を蓮が覆っていました。

 ここへ飛来したハクチョウは、まわりの田んぼへ行って落穂を食べるのですが、

沼に生えているレンコンも好物でよく食べていることを知りました。

 

 今までも、お正月も近くなると

筑前煮だとか、酢ばすだとかにしてレンコンを食べてはいましたが、

ニンジンやゴボウのように日常的に始終食べることがありませんでした。

 

 単純な私は、このところハクチョウのパワーをいただこうと、

レンコンを毎週買って、いろんな方法で試し食いをしていました。

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 1番目は、焼きレンコンの塩昆布まぶし

 フライパンに油を引いて、レンコンを両面焼き目が付くくらい焼いて、

塩昆布をまぶし、一味唐辛子を振りかけるだけでできます。

 簡単ですが、ホクホクした食感がよく、

塩昆布からにじみ出た塩味と旨みだけの味付けですが、なかなか美味しいです。

 

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 2番目は、蒸し豚レンコン

 豚肉を日本酒と塩で下地をつけておきます。

 一口大に乱切りにしたレンコンをごま油を引いたフライパンで焼き、

 レンコンが焼けたところで、豚の細切れを上にのせ、

日本酒をふってふたをして蒸しあげます。

 最後に作っておいた酢醤油をかけ、さら青ネギの小口切りと白ごまをふりかけ

できあがりです。

 酢醤油が蒸し物によく合っていて、これも時間がかからないわりに美味しいです。

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 3番目は、すりおろしレンコンスープ

 レシピを見た時に、これはきっと美味しいだろうと楽しみにしていたスープです。

 昨日、材料に使う無農薬の春菊をもらえたので、作ってみました。

 鍋にサクラエビを小さじ1杯くらい入れ、香りが出てきたら

鶏ガラスープを人数分とすりおろしたレンコンを入れて煮ます。

 (*鶏ガラスープは、粉末のものを使いました。)

 さらにみじん切りにした春菊を入れ、軽く火を通して、塩と醤油で味を調えます。

 上にのっているのは、素揚げレンコンとニンジンです。

 あればなおいいと思いますが、なくても大丈夫です。

 

 このスープは、すごく体が温まります。

 今日は、気温が高いので汗をかいてしまいました。

 すりおろしたレンコンのこっくりとした舌触り、

エビと春菊の香ばしさもほんのり香り、とても気にりました。

 

 レンコンは、少々値段が張りますが、その分風邪に負けない体をつくるのに

役立つだろうと、秘かに期待している食材です。

 次回は、鶏ガラでスープを取って本物のスープで作ってみたいものです。

 

冬鳥の飛来地を訪ねて2 新潟県福島潟4

 20日は、福島潟の旅の最終日でした。

 やはり朝早起きをして、雁晴れ舎まで飛び立ちを見に行きました。

 まだ曇っていましたが、雨は降らない予報でした。

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 コハクチョウは、水かきで水面をたたきながら加速をつけていきます。

 結構体が重いので、本当に大変そうです。

 実際には、バシャバシャと水面を打つ水しぶきの音しか聞こえませんが、 

「わっせわっせ」という声が聞こえてきそうな気がしました。

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 前日と違って鳥は、天気をしっかりと読んでいるのか

コハクチョウオオヒシクイも次々と飛んでいきます。

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 体が浮くと見ている方もほっとします。

 まわりのカモたちは、ハクチョウの大騒ぎにもさして驚く風もなく

平然としたものです。

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 今日は、いい日和になりそうです。

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 帰り道のハンノキにツグミが止まっていました。

 ツグミと出会ったのも去年の今頃、1年ぶりの再会です。

 去年、突然姿と名前がわかった鳥です。

 興味がないと、たとえ目の前に来ていたとしても’目に入らないものだということを

このツグミを知ることで経験しました。

 

 このツグミシベリアから長い旅を経てやってきた渡り鳥だと知って、

思い入れも一段と強くなりました。

 今年は、うちの方へはまだ来ていません。

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 青い空がのぞき始めました。

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 昨日の雨のしずくを宿したノイバラの赤い実。

 

 この日は、午前十時から福島潟の鳥の観察会へ申し込んでいたので

宿へ帰って朝ごはんを食べてから、ビュー福島潟まで出かけました。

 

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 私のほかには、近所に住む女性と佐潟のレンジャーの男性とお子さんを3人連れた

家族連れの参加でした。

 案内人は、福島潟のレンジャーの若い男性と女性。

 三脚付きの望遠鏡を持ちながらめぼしい鳥がいるとすぐに見せてくれます。

 

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 歩き始めてすぐに見つけたのがこのノハラショウブです。

 茎も私の背丈よりも高く、びっくりです。

 今年は、10月の終わりが寒かったりして植物も季節を違えてしまったようです。

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 遠くの木に止まっていたノスリです。

 草の中に潜む野ネズミなどを主に狙うようですが、猛禽類ですから小さい鳥は

油断できません。

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 遠くで、カルガモオオヒシクイか定かではありませんが、

嘴のところに空き缶が刺さっています。

 エサが取れないのではないかと心配な状態です。

 水鳥もいろんな困難に立ち向かわなければならず、

生を全うするのは大変なことだと思いました。

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 ヤシャブシに似た実をつけていたので、てっきりヤシャブシかと思ったら

ハンノキだそうです。

 ここは、湿地なのでハンノキの成育には適しているのでしょう。

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 そこここの樹の割れ目にカタツムリがいました。

 冬眠にちょうどいいのかもしれません。

 小さい子どもは、遠くの鳥よりもカタツムリだとか、

草原を飛ぶバッタに興味があるようで捕まえるのに一生懸命でした。

 

 ビュー福島潟へ戻ったのがちょうどお昼でしたので、

3階のカフェ「まこも」でお昼を食べました。

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 ヒシの実入りのちまき定食です。

 ヒシの実は、特にくせはなく、ゆでた落花生のようなホクホクした食感でした。

 オオヒシクイは、このヒシの実を食べるというところから名前がついているので

どんな食べ物なのかすごく興味がありました。

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 上の階に行くとヒシが展示されていました。

 左は、花と葉、右の黒いのは、オニビシの実です。

 どちらも菱形をしています。

 菱形の言葉の由来は、この植物からきたもののようです。

 ついでに、

忍者が撒いた「まきびし」は、この黒いとがったヒシの実を使ったそうです。

 

 ハクチョウの食べ物のレンコンも、ヒシクイのヒシの実も

長い旅を支える滋養のある食べ物だということがわかり、

自分の食べ物にも生かしたいなと思った次第です。

 

 旅から帰って、一週間くらいしたころ、福島潟からそんなに離れていない瓢湖

鳥インフルエンザのハクチョウが出たということでした。

 人間にとっても家禽に移ることは、死活問題ですが、

渡り鳥にも拡がらないよう祈りたい気持ちです。

 

 福島潟の旅はこれでおしまいです。 

 

冬鳥の飛来地を訪ねて2 新潟県福島潟3

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 雨が小降りになったので、潟口橋を渡りビュー福島潟の対岸にあるという

オニバスの自生地を訪ねてみました。

 オニバスというのは、東南アジア産の大きな蓮かと思っていましたら、

日本に昔から自生していたそうです。

 ここでも、潟を干拓して田んぼを増やしていく開発の過程で、

一時は絶滅したと思われていたのですが、

辛うじて残っていたものを保護して今日に至っているということです。

 日本の各地にあったものもどんどん消えていったそうです。

 現在では、福島潟が北限となっているので、観光資源にもなっています。

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 この辺りがその自生地らしいのですが・・・

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 どうもこれが茎の一部のようです。

 オニバスは、一年草の植物なので、冬は枯れて何もありません。

 葉や茎には大きな棘があり、葉は大きいものだと2m近いものがありますが、

花はそれに比してもっと大きいのかと思ったら、

直径10cmくらいの小さな花だそうです。

 違う季節に来る楽しみが1つできました。

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 自生地のすぐ後ろに水田が広がっています。

 朝飛び立っていったコハクチョウオオヒシクイが仲良く田んぼでお食事中です。

 

 いっしょに観察している人たちとお話しすると、米を食べに行くといわずに

「ここの鳥たちは、コシヒカリを食べに行くんだ。」と さも自慢げに話されるので、

この辺りの方は、コシヒカリのことをとても誇らしく思っている節が窺えました。

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 (ちょっと遠くからで、ぼけた写真ですみません。)

 オオヒシクイは、特に神経質な鳥なので、300mくらい離れたところでも

警戒して首を上げて様子をうかがうようなところが見られます。

 その中の一羽が飛び立つと仲間はことごとく飛び立ってしまいます。

 

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 行く途中にあった、カモ打ち小屋です。

 ちょうど、真ん中より右に寄ったところにあるヨシで作った小屋で、

ヨシ原と同じように見せて鳥に警戒感を持たれないようにして

猟をしていることがわかります。

 ここは、公園内になるので、実際には使われていないのだと思います。

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 ちょうど菱風荘の隣に、「環境と人間のふれあい館」があります。

 近くを流れる阿賀野川水系で起こった新潟水俣病の原因や現状などを

この地域の人々の生活のようすと合わせて展示されているところです。

 阿賀野川水系にあった昭和電工の工場からのメチル水銀を含んだ排水によって

引き起こされたのが新潟水俣病です。

 阿賀野川流域に住む人たちは、川の恵みの恩恵を受けて暮らしてきたので

当然魚も食べただろうし、ごく普通に生活していてこの病気にかかったわけです。

 たくさんの人が亡くなり、今もなおその病に苦しむ人もいます。

 熊本の水俣病と同様、まだ患者さんの認定などの裁判は続いており、

決して過去の問題ではないことを知ることになりました。

 この館は、将来にわたってこのような公害で苦しむことがないように

作られたものだそうです。

 

 おまけ

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 夕方になって、ビュー福島潟のカフェで食べたオニバス。

 抹茶色のオニバスの葉を模した焼き菓子です。

 (つづく)

冬鳥の飛来地を訪ねて2 新潟県福島潟2

19日朝の福島潟

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 朝、公園内の雁晴れ舎(がんばれ舎)まで行きました。

 展望塔の屋上から潟を眺めたところです。

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 先客が一人いて、後からもう一人来たので、3人でした。

 この日は、今にも雨が降りそうな天気で、6時半になっても薄暗いせいか

 コハクチョウオオヒシクイもなかなか飛び立って行きません。

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 11月15日は、狩猟の解禁でしたので、

周りからドーン、ドーンという不穏な音が響いてきます。

 この地域では、昔からカモ猟が切り離せないものとしてあったということなので、

当然と言えば当然のことなのでしょうが、

カモたちは、その音におびえて慌てふためくと聞きました。

 公園内は、もちろん禁猟です。

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 飛行機が滑走路まで移動してから飛び立つのにも似て、

開けたところへ少しずつ移動しては、三々五々飛び立っていくという感じで、

伊豆沼で見たマガンのような一斉の飛び立ちというのは、

ここでは見ることができませんでした。

 

 冷たい風が吹いてきたと思ったら、ポツポツと降り始めました。

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 帰る途中、小さな潟にダイサギが二羽、

風景の一部のような静かなたたずまいを見せていました。

 

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 潟を縫うように小道が続き、その傍らに晩秋の野草が彩りを添えています。

 左の金平糖のような花は、ミゾソバ、色とりどりの実は、ノブドウ

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 曇り空を「ガハハン、ガハハン」と鳴きながら、

オオヒシクイの編隊が通過していきました。

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  周辺には、「雁晴れ舎」をはじめ、面白いと思った名前がありました。

 *ポストは、「潟想い」(かたおもい)

 *囲炉裏がある田舎家は、「潟来亭」(かたらいてい)

  ここは、人の集まりに利用できる施設になっています。

 *橋の名前は、「雁かけ橋」(がんかけばし)

  放水路にかかる橋を渡るのは、主に車ですが、

 毎日何かしら願をかけて通るといいのかもしれません。

 *広場の名前は、「遊潟広場」(ゆうがたひろば)

  その日遊んでいたのは、カルガモたちでしたが、人も入れます。

  すべて、潟か、ガンが付いた名前になっていて、覚えやすいかもしれません。

おまけ

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 宿に帰ると、すでに7時半を回っていて、

玄関口のベンチに朝ごはんが届いていました。

 ご飯の弁当箱だけは、発泡スチロールの箱に入っていて、

温かいまま食べられるようにしてくれていました。

 旅に出ると、こうしたちょっとした気遣いがとても嬉しいものです。

 

 一歩きした後の朝ごはんは、美味しいです。

 この後、雨が強くなったので、しばらく休憩です。

(次につづく)

 

 

冬鳥の飛来地を訪ねて2 新潟県福島潟

 福島潟

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 11月の伊豆沼の旅から2週間後、新潟県の福島潟へ行ってきました。

 私は、去年まで鳥の名前をほとんど知りませんでした。

 ところが大岡川を通るようになり、たくさんの冬鳥がやってきているのを知ってから

俄然鳥、特に渡りの鳥に興味が湧いてきました。

 バードウオッチャー歴、たったの一年なんです。

 

 いろんな本も読みましたが、その中で梨木香歩著「渡りの足跡」を読んで

オオヒシクイが福島潟へ飛来してくることを知りました。

 オオヒシクイは、日本へやってくるガンの仲間で最大の鳥です。

 その頃は、オオヒシクイが一体どこから渡ってくるのかがわからなかったそうで、

それを調べるためにロシアと共同で衛星プロジェクトが立ちあげられたのです。

 そのいきさつを子どもにもわかりやすく書いた池内俊雄著「なぞの渡りを追う」を

読むことで、福島潟へ来るオオヒシクイ

この目で見たいという気持ちが強くなりました。

 

 

 このプロジェクトにより、オオヒシクイは、ロシアのカムチャカ半島の北の方から

3500キロを渡ってくるのがわかったのです。

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 福島潟へは、新潟から白新線に乗り換え20分ほどの豊栄駅で下車、

そこからは、タクシーで5分くらいで着きます。

 

 潟湖には、一面ヨシ原の浮島が点々と続き、

向こう側には、飯豊連峰の2000ⅿ級の雪を被った山も見えます。

 着いた16日は、天気がよく夕焼けにうっすらピンクに染まった潟のまわりを

少し散歩しました。

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 一年ぶりの対面です。

去年、大岡川へたった一羽やってきたカンムリカイツブリです。

 ここには、何羽もいました。

 彼らの仲間は、北へ帰らずにここで夏を越すものもいると聞いて

ここならきれいな夏毛をみることができるのだと嬉しくなりました。

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 もぐりんこと、お馴染みカワウです。

 カワウはこういうところが好きなようです。

 濡れた羽を乾かすにはとってもいい場所ですからね。

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 これも去年の冬、大岡川へもやってきたオオバンです。

 あいかわらず、首を前後にひょこひょこさせながら

ヨシ原に沿ってのんびりと泳いでいました。

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 遊歩道を回ってくると、先ほどのカワウたちの向こうに

「水の駅ビュー福島潟」の建物が見えます。

 この公園の拠点になる場所で、福島潟に生息する植物や鳥などの

情報を発信しています。

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 例えば、こんな情報も記録されています。

 鳥というのは、いつも同じ場所にいるわけではないので、

日によって増えたり、減ったりします。

 伊豆沼は、圧倒的な数のマガンとオオハクチョウ

それに少しヒシクイがいましたが、

ここはコハクチョウオオヒシクイが多いのです。

 これには、夏場ロシアのどのあたりで過ごしているかということと関係があるようで

日本海側を辿ってくるものと太平洋側を辿るものがあるということだと思います。

 

 売店やカフェ、ホールなどもありますが、

一番すごいのは、こちらからは見られない鳥たちのようすが

潟の対岸にあるレンズを通して手に取るように見ることができる機械が

設置されていることです。

 手元で、そのレンズの向きを変えたり、倍率を上げたり下げたりすると

スクリーンに映像が写ります。

 一機2000万円もすると係の人が話していました。

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 そうこうしてるうちに、周りの田んぼからクォーコーと鳴きながら

ハクチョウが帰ってきました。

 

 私も今夜泊まる宿に帰ることにしました。

 福島潟のすぐそばにある「菱風荘」。

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 宿泊蔵と呼ばれる和風のコテージです。

 6人泊まれるところですが、一人でも少し割増を払うことで泊めてもらえます。

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 私の蔵の名前は、「蓮」。

 キッチン、トイレ、お風呂が設置してあります。

 鍋釜、食器もそろっているので、食べ物を持ち込んで自炊できるようになっています。

 食事は、基本自分で賄うのですが、朝だけは仕出し弁当を注文できます。

 広くて清潔なお部屋で1人ではもったいないないようでした。

 

おまけ

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 この日の昼は、新潟駅の回転ずしやでお寿司を食べました。

 左のは、ランチサービスのセットもの、それに地物の魚を追加しました。

 真ん中のが「キジハタ」右のが「アラ」、セットものの中に「フナベタ」

という、やはり白身の魚が入っていました。

 どれも初めて聞く魚でしたが、割とさっぱりした味の白身魚でした。

 食べ物は、旅の楽しみです。

ホシハジロ日記 13

 *ご存知ない方へ

 このホシハジロは、去年の暮れに北の国から仲間と一緒に渡ってきたのですが、

左の羽を故障していて仲間が北へ帰る日が来ても、帰ることができずに

それ以来ずっとこの大岡川へ残って生活している鳥なんです。

 見守るしかできないけれども、この川を渡る時には必ず消息を訪ねて

時々記録しているものです。

 ホシハジロのオスなので、私は勝手に「ホシくん」と名前を付けて呼んでいます。

 

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 ようやく桜の葉の紅葉がはじまった10月25日大岡川

 もう一月以上前です。

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 この日は、浅瀬の石の上に立っているのを見つけました。

 

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 そろそろ潮がひたひたと寄せて来ています。

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 羽をばたつかせました。

 もうお尻のあたりまで水が上がってきたので、なせか

後ろ向きで座ってしまいました。

 「どっちを向こうと僕の勝手でしょ。」

と、聞こえてきそうです。

 23日には、川にいなかったホシくん、無事生きているのを確かめて安心しました。

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 いつものカワセミポイント。

 紅葉した桜の葉とカワセミの対比は、色がきれいでいいなと自画自賛!

 桜の葉と比べると大きさがわかると思いますが、思っているより小さい鳥です。

 

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 11月3日大岡川です。

 この翌日から宮城県の伊豆沼へ出かける予定になっていました。

 この日、渡り鳥の第一陣

白黒の鳥がやってきているのを遠くから発見しました。

 

 長い旅を終えてはるばる横浜までよくおいでになりました。

 さぞお疲れのことでしょう。

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 初陣を飾ったのは、ホシハジロでなくキンクロハジロです。

 この冬私が見る初めての渡り鳥です。

 

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 白い部分にまだ薄茶色が混じっているので、

完全に大人に成りきれていないオスです。

 

 キンクロハジロの名前の由来は、

 *目が金色

 *胸、首、腹、などが黒白(嘴が灰色)

 *翼を拡げた時に白い羽が見える

いうことから、

金(キン)黒(クロ)羽が白い(ハジロ)、羽白ガモの仲間です。

 この鳥、頭に寝癖の毛がはねています。

 たぶんブラシで梳かしてあげてもはねると思います。

 これで、鳥の名前が覚えられない人も覚えられると思います。

 覚えると、ずっと身近に感じられるものです。

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 いつもの土管跡には、ホシくんでなくカルガモくんが陣取っていました。

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 大井橋を過ぎて蒔田橋まで歩きました。

 夕焼けに染まった川面を見ていると、穏やかだった一日を感謝したくなるのですが、

この日は、残念ながらホシくんの姿を見つけることができませんでした。