子ども植物園 初夏2

 薬草園に入っていくと、傾いた太陽に照らされた

ノカンゾウが、咲いていました。

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 ノカンゾウが薬草園にあるのは、わけがあります。

 花の蕾を、熱湯でゆがいて日干しにし、

乾燥させた 金針菜(きんしんさい)や、

茎や葉には、補血作用や利尿作用があるそうです。

 金針菜の方は、中華料理のスープや炒め物に使いますし、

春早く出てきたばかりの葉や茎は、ゆがいて酢味噌和えにして食べます。

 鉄分が豊富なノカンゾウは、薬膳料理の食材として有名なのです。

 今年は、このノカンゾウも去年よりもずっと花が美しい気がしました。

 おいしそうな蕾がたくさんできていて、つい採りたくなってしまいます。

 

 薬草園から果樹園に降りてくると、大きなビワの木があります。

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 ノカンゾウと同じような色だなと見上げましたが、

実がよくついています。

 東京近辺では、ビワは木が大きくなっても、

冬に花が咲くので、なかなか実がつかないと思われていたのに、

近頃では庭に生えているビワの木には、

必ずと言っていいほどしっかりと実がなっているのには、驚きます。

 冬の気温がそれほど下がらないからだと 私は思っています。

 それとは別に、ビワには、特別な思いが付きまといます。

 この時期、サクランボとビワが果物屋さんに並び始めます。

 りんごやみかんやイチゴに比べると、値段が高いので、

もう少し安くなってからと思っていると、

いつのまにか店の棚からは消えてしまいます。

幼少期には、幻の果物の一つでした。

 それも昔のことで、今は、私の口にも入ってくるようになりましたが、

なんだか甘酸っぱい想いが重なる果物です。

 このビワは、この時期、青梅と並んで、植物園の事務室の入口で売っていますが、

この日は財布を持っていかなかったので、買えませんでした。

 売り物ではないので小さいですが、結構甘いです。

 一袋200円で購入できます。

 (続く)