箱根旧街道を歩く

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 8日金曜日に友人と箱根旧街道を歩きました。

 膝の具合が悪いので、ずっとハイキングは避けてきましたが、

せっかくのお誘いでしたので、試しに歩いてみることにしました。

 

 本来は、箱根湯本から歩きはじめるのが筋なのでしょうが、

不安をかかえていたので、バスで元箱根へ行き、そこから逆に辿りました。

 このコースは、バスの通りとところどころ交差するので、

もし歩けなくなってもバスに乗れるという安心感があります。

 

 朝9時45分のバスに乗り、元箱根には10時15分ごろ到着。

 遊覧船の港でトイレを借りたりして身支度を整え、

10時半過ぎにこの標識のところから歩きはじめました。

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 山道に入るとすぐに目についたのがこのネコノメソウと

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 ミヤマカタバミ

 深山とは言えない山だけれども、カタバミの葉によく似た白い花をつけています。

 二つとも街中では、まず見かけないので、

まだまだこの辺りは自然がちゃんと残っているなと思いました。

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 その先に、この看板が立っていました。

 ドイツ人のケンペルは、約300年前日本を訪れ、

箱根の自然のすばらしさを本に著した方だそうです。

 バーニーさんもこよなく箱根を愛し、第二の故郷の箱根にケンペルの本を引用し

芦ノ湖畔に石碑を立てたそうです。

 お二人の意志を継いで、箱根の素晴らしい自然を残そうと、箱根を守る会では

毎年4月にケンペル・バーニー祭というお祭りを催しているとのこと。

 因みに今年は、17日の日曜日だそうです。

 

 ケンペルが長崎から江戸へ向かう同じ道を歩いていると思うと

なんだか嬉しくなります。

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 まだほんの登り口なんですが、そろそろ両側に杉並木も見えてきて

街道らしくなってきました。

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 道を横切る歩道橋ですが、ご覧の通り木でできているので、

木のいい香りがしていい気持です。f:id:yporcini:20160408103718j:plain

 歩道橋の上から振り返ると杉並木の向こうに元箱根がちらちらと見えています。

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 歩道橋を渡ると間もなく昔の石畳の道へ入りました。

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 前日は、箱根もかなり雨が降ったらしく苔むした石の上を歩くのはたいへんでした。

 無造作に足を出すと滑ってバランスを崩してしまうのです。

 なんどか おっとっとっと と危うく転びそうになりました。

 脇に石のしいていない土の細い道があったので、

少々ぬかるんでいましたがそちらを通って進みました。

 

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 道の左に見晴台という標識があったので、入ってみました。

 芦ノ湖が見えるのかと期待しましたが、目の前に見えたのは駒ヶ岳です。

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 駒ヶ岳の右側は、二子山です。

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 この日は、天気予報では、午前中は’晴れだったのにずっと雲に覆われ、

太陽の顔を見ることはありませんでしたが、

見晴台に来た時に 一瞬顔を出した感じがしました。 

 白い馬酔木の大きな木も心なし明るく見えました。

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 道には、巨大な苔球のような大きな岩もあります。

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 バスの通りと交差するところに標識がありました。

 まだ1,2キロしか来ていないのですが、もうすぐお目当ての甘酒茶屋です。

 

 歩いている間、ずっとウグイスの声が聞こえていたので

あっちの木の枝、こっちの木の枝とウグイスの姿を探したり

花が咲いていると写真に撮ったりしているので、

ここまで一時間以上かかってしまいました。

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 ちょうど裏から茶屋へ入っていくと、

フジザクラの小さな花が咲いていました。

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 表のバス通りへ回ると、茅葺の屋根、中には囲炉裏の板の間もあり、

江戸情緒を漂わせた佇まいの茶屋でした。

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 入口には、桜が無造作に飾られ、緋毛氈の敷かれた板の椅子もあり、

歌舞伎でもみているような気分になります。

 外国の方も見えていて、茶屋の方と英語でおしゃべりされていました。

 茶屋のおかみさんの英会話力のすごさに圧倒されました。

 

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 お店のメニューの中に 一日限定15食の唐芋甘酒 というのがありました。

 限定物に弱いというのもありますが、

説明を聞いただけでおいしそうだと思いました。

 それをいただくことにしました。

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 サツマイモと甘酒の自然の甘さで、ほっこり気分になれる甘酒でした。

 紅白の焼きもちが入っていたので、結構お腹もいっぱいになります。

 口直しの蕗の漬物も美味しかったです。

 これに持ってきたおにぎりを二つも食べ、ちょっと食べすぎた感あり。 

 

 昔の人もここでお団子や甘酒をいただくと、

また歩く勇気が湧いたのでしょう。

 私たちもここで小一時間も休んで勇気をもらい、

残り2時間半に挑戦しました。

 続きは次回に。