茅ヶ崎その2

 

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 昨日は、植物観察のことだけ書きましたが、

今日は、その後のことです。

 せっかく茅ヶ崎へ行くので周辺を調べたところ

ラチエン通りに「開高健記念館」というのがあるのを知りました。

 ドイツ人の貿易商、ルドルフ・ラチエンさんがこの通りに沿ったところに

邸宅を建てたということから、この通りの名前がついたそうです。

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 曇っていたとはいえ、時折太陽が顔を出すと夏を感じました。

 道の左側にアメリカデイゴ、右側にはキョウチクトウの赤い花が咲いて

茅ヶ崎はすでに盛夏です。

 

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 通りに入って10分弱歩くと、左側の路地を入ったところに

開高健記念館」がありました。

 1974年に都内から茅ヶ崎へ引っ越して、死ぬまで

ここを拠点にして活動していたということです。

 伴侶の羊子さんが亡くなられてから、市に寄贈された建物が記念館になっています。

 右の門柱に表札を見ると、夫婦別姓で通したのだなと思いました。

 

 入ったところが常設展で、開高健の若かりし頃の写真や家族の写真、

更に原稿や出版された本、ベトナム戦争に従軍した時のヘルメットや持ち物など

彼の年代別の概要を知る手掛かりになるものが展示されています。

 開高健の丸いお顔しか知らなかったので、

やっぱり若い時は、きりっとした文学青年だったんだなと思いました。

 

 今回の特別展示は「愛する妻よー開高健からの手紙展」だということで

手紙の優れた書き手だという話も聞いていたので期待をして出かけたのですが、

大きく引き伸ばしたものは少なく、暗い照明の部屋で小さなはがきに書かれた文字を

読むことがほとんどできませんでした。

 残念でしたので、帰りに係の方に正直にお話ししましたら、

私からも話しておきますと言ってくださいました。

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 門を入るとパッと目に入ったのが、この石碑。

 

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 玄関の右横にありました。

 この言葉、残りの人生が短くなっている私には、

結構響くものがありました。

 この脇を下りて、書斎まで歩く道は、「哲学の小径」と名付けられ、

いくつかの名言が刻まれていました。

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 こんな名言がたくさんあって、本にもなっていることを知りませんでした。

 短い文章で深いものを言い表すのは、偉大な才能ですね。

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 書斎です。

 ここで寝起きし、机に向かって原稿を書いていたそのままが残されているそうです。

 

 開高健は、芥川賞作家ですが、

ベトナム戦争に従軍記者として赴き、九死に一生を得て以来

いろんな冒険をしてノンフィクションの文章を書くようになったようです。

 その一つが釣りだったようで、大きな魚の剥製やルアーなどの釣り道具が

たくさん壁を飾り、奥の部屋には黒い毛皮まで貼ってありました。

 

 この記念館は、金・土・日のみ開館。

 入館料は珍しく無料ですが、10月から変わるそうです。

 「私は、いい時に来たようですね。」

と、言うと

 「そうかもしれませんね。」

と、答えが返ってきました。

 

 お昼に近くなったので、ここを後にして

また海のそばまで出て、この通りの1本西にある一中通りにある

「ちょうたら」へ歩いて行きました。

 

 その「ちょうたら」というのは、南インド料理のカフェなんです。

 日本では、南インド料理というのはとても珍しいです。

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 一中と通りを挟んだ二階にあります。

 私も、いろんなところへ旅行をしましたが、

南インドには、チェンナイを中心に、約4週間ほど滞在したことがあります。

 それも自由旅行でしたから結構印象に残っていることが多いです。

 

 茅ヶ崎を調べていたところ、このお店を見つけ、

ミールス」(南インドの定食)が懐かしくなったのです。

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 インドでは、お皿はバナナの葉っぱでしたから

おかずは、その上に直接置かれます。

 外国人なので、気を遣ってくれてスプーンを出してくれますが、

普通は、右手をうまく使って口に運びます。

 

 これが、ちょうたらのミールスです。

 私は、べジのミールスにしましたが、チキンの入ったノンべジのものもあります。

 南インドは、ほとんどの人が菜食でしたので、べジが普通でした。

 ご飯は、インディアカ米(長粒米)で注文が入ってから蒸すので、

20分くらいは待つ必要があります。

 米の上にのっているのは、マメで作った煎餅でパリパリと細かくしてご飯の上にのせ

右側のサブジ(カレースープ)をかけて食べ始めます。

 今日のメインのおかずは、カリフラワーとジャガイモのカレー風味の煮ものです。

 あと酸味の聞いた野菜の漬物やダル(豆)のカレー煮、

あとちょっとした薬味のようなものが2つついてます。

 朝起きた時からサブジのにおいがそこらじゅう漂うそんな環境にいると

当分カレーはいらないと思ったものですが、

この日は、美味しくいただきました。

 タイのカレーはすごく辛いですが、南インドのものは辛くはないんです。

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 ランチには、飲み物がつきます。

 私は、チャイを注文しました。

 このチャイはいろんなスパイスが効いていて

とても美味しかったです。

 因みにこのミールスは1230円。

 チェンナイでは、20ルピー(約60円)、しかもおかずがなくなると’

いらないと言わないとすぐにお代わりのおかずをのせてくれるので、

すごい量を食べることになってしまいます。

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 お腹もいっぱいになったので、茅ヶ崎駅までとろとろ30分くらい歩きました。

 朝は、気づきませんでしたが、ここにも赤いデイゴが咲いていました。

 ここ茅ヶ崎は、サザンの桑田佳祐の出身地ですから、

JRの発車用のメロディーは、「希望のわだち」でした。