チャイナ・スタディー 葬られた「第二のマクガバン報告」

チャイナ・スタディー 葬られた「第二のマクガバン報告」(合本版)

 先々週読み終わった本である。

 アメリカの栄養学者が2006年にアメリカで出版し、

2016年になって日本語版が出版された。

 内容を読めばわかるが、食べ物の本なのに、学界で発表された後、

食品、酪農食肉、薬品、医療業界・・と全米社会を震撼させた本でもある。

 国家全体を揺るがすことにもなる内容だ。

 

 ひょんなところから知ることになり、図書館にリクエストを出して待つこと2か月

やっと手元にやってきた。

 800ページを超す洋書の訳本だったので、

手’に取った重さに読み切れるかちょっと戸惑ったのだが、

学術書にしては、中身が読みやすくその衝撃的な内容に

ドキドキしながら読み進めることができた。

 

 作者のコリン・キャンベルは、フィリピンの子どもたちの

栄養失調の調査研究を依頼され、フィリッピンへと赴く。

 食べているものの中に含まれる発がん物質と

タンパク質の関係に気がつくところから話は始まる。

 

 動物実験である一つの確信をつかむが、彼は、人間はどうなのかという

またとない機会を得る。

 1970年代初め、中国の周恩来首相がガンで死にかけていた時に、

この病気の情報を収集するために中国全土に及ぶ調査を

中国の「栄養・食品衛生研究所」依頼したのだ。

 中国のチェン・ジュンシ博士がアメリカを訪れ、

キャンベル博士に調査の協力を依頼した。

 このプロジェクトに参加することができたのは、幸運だった。

 中国全土の住民8億8千万人を対象に

112種にわたるガンに関する途方もない調査だったのだ。

 この本の題名は、この中国の調査研究から来ているようだ。

 今では、絶対考えられないこの大きな調査により、

彼の問題意識は深まり、ある結論を持つことになった。

 

 「正しく食べることこそが、あなたの命を救う」

 正しい食べ物というのは、プラントベース(植物性食品中心)の

ホールフード(未精製・未加工)で構成された食事をすること

 

 私は、昨年自分のまわりにガンを患った人が二人いて、

放射線治療にしろ抗がん剤にしろ、健康な細胞まで壊してしまうものなので

とにかく免疫を上げる食べ物を食べることだと信じて支援をしてきた。

 

 とにかく、野菜(主に緑黄色野菜)キノコ、ニンニクなどを摂取し続けたら、

胃ガンは小さくなり、3分の1の切除で済み、大腸ガンは、手術をする前の検査では

消えてしまっていたという結果が出た。

 どちらもステージ3bだったので、医者は驚いていたとのことだ。

 ところが、この二人の医者は、食べ物について

全くと言っていいほど指導をすることがなかった。

 医者は、薬剤とか放射線や外科的な方法だけがガンを治すと思っているが、

この本を読むとそれはおかしいということがはっきりとわかる。

 

 こういう経験を見聞きしているので、この本の結論はほぼ無条件で受け入れることが

できるのだが、長年の食習慣を全面的に変えるというのはとても難しい。

 

 例えば あなたは、

「牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品は食べてはいけないよ。」

と言われたら、どうだろうか。

 もともと嫌いな人は別として、牛乳は学校で強制的に飲まされてきているし、

牛乳を飲まないと大きくなれないと親にもいわれ続けてきた大半の人にとって

乳製品を摂らないことがすぐにできるだろうか。

 乳製品には、生クリームやバターも含まれるので、当然ケーキ、クッキー類も

ダメということになる。

 もちろん、肉も玉子も魚も食べないということだ。

 こんなことを突然言われても、すぐには信じがたいと思うが

今や、日本でも食の西洋化によってガンになる人は

3人に1人だという時代を迎えて確実に増えている。

 試しに読んでみるのはどうだろうか。

 国家がこの事実を知っていたとして、たぶん知らぬふりをするだろう。

 健康保険が破たんを起こしているのだから、

国としても積極的に考えてもいいのではないかと思うが・・・。

 真実は隠されているものだから、自分で見つけ出さねばならない。

 自分のまわりの大事な人にこの本の存在を知ってもらえるよう努力中。

 

 私は、まだベジタリアンになれていないが、

この食革命をやり遂げようと日に三回頑張っている。

 

 時間がない人には、似た内容のDVDもお勧め。

フォークス・オーバー・ナイブズ~いのちを救う食卓革命 [DVD]