翌日は、朝から曇っていてあまり良い天気ではありませんでしたが
早く行けば雨に降られることもないかと思い美ヶ原まで行きました。
宿から美ヶ原の駐車場まで20キロくらいです。
高原美術館のそばを通って木道を歩くこと15分くらいで牛伏山へ到着です。
心配していた眺望もまあまあで、北アルプスの山並みが雲の上に
しっかりと見えました。
美ヶ原はもともと2000m位の台地のようなところなので、
起伏があるといっても前日の湯の丸山のような高低差はありません。
誰でも歩けるハイキングコースなんですが、私にはこのわずかな起伏でさえも
膝に応えるので馬鹿にはできません。
そう、こんな感じのところをてくてくと歩いて行きます。
広い牧場がずっと続いています。
途中の牧場では、ソフトクリームも食べられますが、
この日は、曇っているうえに風も結構吹いていてとても寒くて
そんな気分にはなれません。
ここは標高が高く、吹きっさらしという感じですから、
ゴアテックスのレインコートを持ってきて正解でした。
JRのポスターにもよく登場する美しの塔です。
霧に包まれると何にも見えないので、
この塔にある鐘をならしてこの場所を知らせる役目があるのだそうです。
さあ、ここから王ヶ頭まで歩きます。
登山道は、ここからいったん下り、細い山道になります。
ようやく山らしくなってきました。
アルプス展望コースという名前がついているだけあって
ずっと北アルプスの眺望が続きます。
友人は、若い時に登山の経験が豊富なので、姿を見ただけで、
と、すらすらと出てくるけれども
私は、あの三角のとがった槍ヶ岳しかわかりませんでした。
下に見える街並みは、松本市街地です。
槍ヶ岳は、ズームすると恐ろしく尖っていて最後の登りは、鎖を伝っていくにしても
たいへんなんだろうなと思うばかりでした。
南側を見ると、ぼやけていましたが湖らしきものが見つかりました。
おそらく諏訪湖、街並みは、下諏訪か岡谷あたりでしょうか。
ここは、烏帽子岩といわれるところです。
この岩が崖にせり出していて、怖くて一番先に立つことはできませんでした。
通り過ぎてから見ると、やはり上が下より張り出しているので、
烏帽子岩という名前がついてのだとよくわかりました。
ここから、また少し登って、電波塔がたくさん建っている王ヶ頭をめざします。
王ヶ頭の頂上です。一応美ヶ原では、一番高く2034m。
この山の上には、部屋の窓から眺望が楽しめるだろう素敵なホテル、
それに長野県の主なラジオ局やテレビ局などの送信所があって、
アンテナが何本も立っています。
先を見ると、やはりアンテナが立っている王ヶ鼻が見えます。
(見苦しい写真ですみません。ちょっと寒いとレンズのふたがしっかりあかなくて)
そろそろ帰ろうかと歩いていると、キジくらいの鳥に出逢いました。
キジかなヤマドリかな・・と知った名前が浮かびますが、
決め手がみつかりません。
ようく見ようと思ったら、道の脇の草むらへ入って隠れてしまいました。
体を低くしてそうっと、近づいてとりあえず写真を撮ってみました。
大きいのが一羽と小さいのが2羽いたので、親子だろうなと思いました。
うちに帰って調べてみましたが、これは、もしかしたら雷鳥かなと
思っています。
ちょっと嬉しいのですが、ぬか喜びかもしれません。
まさかこんなところで、氷河期の生き残りに出会えるなんて!
膝が少々痛くても来た甲斐があったというものです。
帰りは、やっぱり一段と雲が出て時々山全体を覆ってまわりが見えなくなったり
雲が下からどんどん湧いてくるような感じで寒くなりました。
ここで、写真を撮ろうとしたときに、砂利をかかと辺りで踏んでバランスを崩し
しりもちをつきました。(いまだに膝の裏側に違和感あり)
山は下山が大事だといいますが、まさかこんな平らなところでころぶなんて
やっぱり油断があったのでしょうか。それとも柔軟性がなくなったからでしょうか。
初めての美ヶ原、こんなに人が少ない時期に来られ、
やっぱり今回の旅は付いていたのだと思いました。
翌日は、夜半の雨も止み、霧に覆われたちょっとロマンチックな朝でした。
赤く色づいたナナカマド、黄色く色づき始めた白樺に
秋の深まりを感じながら帰途につきました。