*今回も、写真がないので、写真はお借りしました。
旅の最終日
前日の晩、予定を聞いてくれたペンションのオーナーは、
私の希望を聞いて旅程を立ててくれました。
前日雨が降ったので、新宮へ出てしまったので、
この日は、発心門王子へバスで行って、本宮大社まで歩き、
その後、新宮へ出てもう帰る予定でおりました。
オーナーが、それなら歩いた後、那智大社まで行けるというので、バスの時間を調べてくれました。
那智は別の機会にと思っていたのですが、
それなら行ってみようかという気になりました。
必要最低限のものを入れる小さなリュックを貸してもらい、
旅の荷物は、本宮大社のインフォメーションへを届けてくれるというので、
お言葉に甘えました。
ペンション前から朝7時半発のバスに乗ることになりました。
この日は、昨日までの雨も上がり、
太陽が雲の間から顔を出しさわやかな朝を迎えました。
川の水量が減って、仙人風呂の石の囲いが見えてきています。
川湯温泉仙人風呂(*写真はお借りしました)
バスに乗り、発心門王子の手前の伏拝王子まで行くことにしました。
まだ膝に痛みが残っているので、時間に余裕を持たせたかったのです。
バスは、貸し切りでした。
民家が点在している小道を登っていくと、
畑へ出かける私より年配のおばさんと会いました。
お茶畑があったので、
「この辺りはお茶を作っているんですね。」
というと、
「もう、年で手入れが大変で難儀しているんよ。この辺は、若い人がおらんからね。」
とのこと。(後で聞いたら、84歳とのこと。)
私たちが都会から気まぐれにやってきて、
自然の豊かさを感じ、いいところだなと思う反面、
どこも、地方や山間地などは過疎になり、
現金収入を得ることが難しくなってきていることをひしひしと感じます。
小高い畑に首のあたりを赤や緑でキラキラさせ、丸々としたキジがいました。
私が近づくとちょっとひるみましたが、
逃げることもなく何かをついばみながら、並行して歩いています。
物おじしないキジです。
これではと、作物を作っている農家の方の苦労を思いました。
(*画像はお借りしました。)
伏拝王子(ふしおがみおうじ)へ着くと、
大きなカメラを抱えた先客が一人いました。
雨あがりの雲がたなびく山々の重なりと
その間から見える鳥居の写真を撮りにきたようです。
伏拝王子には休憩所もあり、視界が開けた展望台になっています。
ここからは大斎原の鳥居が見下ろせるのです。
雲間から見え隠れする大斎原の鳥居は、
いくつもの峠を超え、何十キロと苦行をして歩いてきた古人が
初めて見る熊野本宮大社の姿なのです。
私も展望しながら、
伏して拝みたくなるという名前の由来が分かったような気がしました。
これが見たくてここへやってきたのですが、
古人の情感を共有することなど到底できるはずもなく、
ただ想いを馳せるだけでした。
ここからは、本宮大社の裏手の森まで、木漏れ日の林間を下って行きます。
ウグイスの声が響き渡る雨あがりの森は、その匂いをいっぱいに
深呼吸したくなります。
前日は、表階段から本宮大社を訪れましたが、
この道を歩いていくとちょうど大社の真裏から入っていくことになりました。
続く