奥多摩の春 その2

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 ワラビは今年も生えているかと雑木林の中に足を踏み入れたら、茶色の落ち葉に埋もれている小さな花を見つけた。(真ん中あたり)

 この林を抜けた草地にワラビが生えているので、今までそこへ行くことだけに気を取られていて気がつかなかったのか、花の時期が短くてタイミングが合わなかったのか、とにかく初めて見た花だ。踏まないように歩くのは、難しいほどそこここに生えていた。

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 丈は、10センチほど。春の空の色を映した淡いブルーの花を見た時は、出逢いが意外だったせいもあり、今日という日を選んだことに感謝したいくらい嬉しかった。この花の名はフデリンドウ。つぼみの形が筆の穂先に似た形から付いた名だろう。太陽の光が当たっている時だけ花弁を開き、曇天や雨天の時は、蕾のように閉じているそうである。

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 こんなにかわいい子を一株くらいと思う気持ちが沸き上がってきたが、都会へ持ち帰ればたちまち元気をなくし、枯れてしまうのはわかっていること、また来年こちらから会いにくるしかないと自分に言い聞かせ立ち去った。

 今、田中澄江さんの書いた「花の百名山」という本を読んでいるのだが、その中にも奥多摩の山々で出会った思い出深い植物が出てくる。この奥多摩地域は、石灰岩質の山でそういうところには、山野草が豊富なのだと書いてあるのを見て、これからもまだ知らない野草に逢う機会が持てるかもしれないと秘かに期待している。

 今回の収穫物は、もちろん花だけではない。タケノコ、コゴミ、ヤマブキ、ワラビのお土産もいただいた。

 収穫物を使った献立

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 *タケノコとコゴミとシイタケの天ぷら

 *コゴミの胡麻和え

 *タケノコのオカカ煮

 *タケノコと油揚げの炊き込みご飯

 *タケノコとワカメのお吸い物

 シイタケは、いつもランチを頂くレストランSAKAを運営する多摩学園の生徒さんたちが作る原木のもので、香りがとてもいい。

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 今年初めて作ったタケノコの揚げ物。

 人づてにすりおろして揚げ物にすると美味しいという話を聞いたものだから、早速試してみた。

 生のタケノコをおろして、片栗粉少々と玉子をくわえ空気を入れるようによくかきまぜ、油であげるだけでレシピは単純でたやすい。

 新しいタケノコだと灰汁は気にならない。すりおろしている時から、タケノコの香りを楽しめるのはいいのだが、固いのですりおろすのに労力も必要だし時間がかかるのが難点。灰汁が気になるようだったら、水煮にしたものをすりおろして作るほうがいいかもしれない。