北海道旅行 その3 旭川

 私が旭川でこの動物園を訪ねたきっかけだったのは「シマフクロウ」。

シマフクロウ

 ふわふわモフモフした毛に被われ、北海道の森では鳥類の頂点に君臨する生き物なが

らどこかかわいげがある。大きさは、体長が70cm、翼開長は、180cm、体重は

4kgと言われる。思っていたより小柄である。

 フクロウの中でも、小さな哺乳類や両生類などを食べるよりも、川に生息する魚を主

な食べ物にしているフクロウだ。だからこそダムがあったり、河川改修したような川で

は魚もいなくてエサが足りない。広いテリトリーの森の中に自然な川がないとこのフク

ロウは生きていけない。北海道の原始的な森がないと命をつないでいけない鳥なのだ。

 

 現在北海道に140羽ほどしかいない絶滅危惧種

森を開発から守る活動や、太い巣を作る木が足りないところでは人工的にドラム缶のよ

うな巣を木に取り付ける活動や、エサが捕れない時期に魚をいけすに放ち給餌するなど

その保護活動が急がれている。

 シマフクロウは、人間の自然破壊や開発により滅び去ろう

としているのを何とか支えていかないと次に滅んでいくのは、人間だ。

 

 このフクロウ舎には、上の枝にも2羽いたので、合計4羽飼われている。

 夜行性の鳥なので、この時間はほとんど目を閉じて眠っている。目が合えばいいと思

っていたので、残念だ。

 

 私が今通っているヨガの時間の始めに未来瞑想をする時間がある。

 先生は、「将来ありたい自分、行ってみたいところ、やりたいことなどを自由に想い

描きなさい。」とおっしゃる。

 この頃の私の未来瞑想に登場するのは、シマフクロウ。なぜか北海道の森でシマフク

ロウに背中を掴んでもらいながら滑空する姿なのだ。

 いくら翼開長180㎝と広いとはいえ、常識的な左脳では私の体重を支えて飛び回る

ことは不可能だろうと考えつつも、右脳のどこかではその快感を味わっている。

 そんなこんなで、昔からこの丸顔のフクロウに親近感を持っていたのが、シマフクロ

ウを知ることで表面に出てきたのだと思うこの頃である。

 

 同じく北海道に生息するエゾフクロウ。

エゾフクロウ

 顔だけアップで大きそうだが、実際は体長50cm、翼開長100cm、体重600g

から800g。体長はさほど違わない気がするが、シマフクロウのおよそ半分の大きさ

だ。

 

 ほかにも、北海道舎には、エゾユキウサギや、エゾタヌキ、アカゲラオジロワシ

オオワシなどが一角に集められていた。

 

シンリンオオカミ

 オオカミは、北海道にも1頭もいないし、日本にはもう1頭もいない、絶滅してしま

った動物だ。それなのになぜ? と思ったら、この動物園に飼われているのは、カナダ

から譲ってもらったシンリンオオカミだという。 形状は、似ているのだろうが、これ

も夜行性のためか、日陰で眠ってしまっていて顔も立ち姿も見ることが叶わなかった。

 

 北海道の森林が開発されることにより、牧場の家畜を襲う邪魔者として1頭残らず殺

されてしまったらしい。肉食動物の頂点にいたオオカミがいなくなったことにより

エゾシカが増えすぎて困っている。動物をやたらに人間の手で殺してしまったつけがこ

うして回ってきたのだ。

 北海道ばかりでなく、日本中シカが増えすぎて、仕方がないのでジビエなどとシカの

肉を人間が食べているがそれだけではらちが開かない。

 

 生物多様性をいうのが遅すぎたようだ。オオカミが生きている頃は、生き物のバラン

スがうまく取れていたのに、これからが私には見えてこない。

 

 

ヒグマ

 ヒグマの頭数も減っているそうだ。

 肉食ではないはずだが、ちょっとしたアクシデントで、牧場に飼われている牛を襲う

クマがいたとか。一度味を覚えると、クマは人を襲うが食べたりしないとは言い切れな

くなる。人とクマの距離が近い北海道などでは人間のごみの管理がとても大事になって

くる。

 なんだかヒグマの将来も見えない気がする。

 

動物園の入口にある記念写真場所

 いかにも旭山らしい、そしてモダンで素敵なデザインのスタンドだ。もう1か所行き

たいところがあったので、午後1時半、ちょっと早い時間に動物園を後にした。

 

 

 お詫び 前回のブログで「旭山動物園」のことを旭川動物園と書いてしまいましたが、訂正します。もう一つ、ホッキョクグマのことをシロクマと言ってしまいました。正しくは、ホッキョクグマです。失礼しました。

 (つづく)