北海道の旅 その4 旭川

 旅に出る前にアイヌのことを知りたいと、図書館で検索して一番トップに出ていた

石村博子さんの書いた「ピリカチカッポ 美しい鳥 知里幸恵 アイヌ神謡集」という

本を借りたのだが、時間がなくて読むことができなかった。

 

 もし、行く前にこの本を読み終えていたならば、知里幸恵さんが旭川尋常小学校

尋常高等小学校時代を過ごしていたことを知りもっと訪ねて歩けたのだろうが、今回は

旭川博物館を訪ねることしかできなかった。

 

 知里幸恵さんは、アイヌに口承で伝わる話をアイヌのことば(ローマ字表記)を

日本語に表した初めての人だった。心臓が弱く、19才で彼女の書いた原稿が本になる前

にこの世を去ってしまったそうだ。

 

 先日本屋さんで北海道旅行の話のついでに知里幸恵さんの話をしていたら、

 「今その人のことを扱ったNHKBSのテキストがあるよ。」

というので見せてもらった。

 「100分で名著を読む」というタイトルのテキストだ。なんでNHKで取り上げられて

いるのかと思ったら、今年が彼女の没後100年にあたるからだという。

 それに「カムイ伝」というコミックが若い人に人気があって、アイヌの話が話

題になっているからじゃないかと話してくれた。

 

旭川駅



 ちょっと横道にそれてしまったが、動物園からの帰り、駅のうら側へ出た。

 駅のすぐそばを忠別川が流れている。河川敷は、散策路が作られ散歩にはちょうど良

さそうだ。

道路標識

 駅を挟んで二本の通りがあり、往きは川にかかる「氷点橋」を渡り、「氷点通り」

と書かれた道を辿る。氷点と言えば、ずいぶん昔に読んだことがあったなあ と思い出

した。

 

 

大雪クリスタルホール

 駅から15分くらい歩くと、大きな公園があり、その一角に「大雪クリスタルホール」

という大きな建物があった。

 入口を飾るモニュメントはいかにもクリスタルという感じが出ている。

 中に 音楽堂ホール、博物館、会議場が入っている。

 

 博物館に入ると、1階はアイヌの暮らしや生活、文化にかかわる展示がされ、地下に

普通の博物館のような石器時代からの歴史を追った生活全般、そして自然史的な鉱物、

生物などの展示がされていた。

 だいぶ疲れていて、たぶん写真も許可されていたものがあったのだろうが、見て歩く

だけで精いっぱいで写真がない。たった一枚だけ撮った写真がこれだ。

上川盆地を一望する嵐山

文章が読めるように大きくしたもの

 石狩川の上流に住んだ「上川アイヌ」は、「川は山へ遡る生き物」と考え、激流が逆

巻く川を無事通過できるよう、神に祈りをささげていた。

 アイヌの精神性がよくわかる文章だと思った。

旭川駅の立ち食いソバ

 旭川の名物は、旭川ラーメンしか知らなかったが、なんだか日本そばが食べたくて、

幌加内そば」という幟に引き寄せられ、遅い昼ご飯を駅で食べた。天ぷらをつけたか

ったが、もうすべて売れていてかけそばになってしまった。

 店の前にテーブルと椅子も用意され、座ってたべることができて助かった。

 

 幌加内というのは、旭川よりさらに北でコメの減反作物としてそばを生産し始め、結

果的に日本一の生産となったところだ。

 旭川が、最低気温41度を記録した後、幌加内は、それよりマイナス0点2度低い、41,

2度を記録したことでも有名だそうだ。

 

 (つづく)