北海道の旅 その2 旭川

 出発の日(8日)は、横浜は雨こそ降っていなかったが雨の予報が出ていた。

 でも、私が家を出た午前5時には、傘を差さずに済んだ。

 東京駅ではやぶさ1号に乗車すれば、もうこっちのもの。北上するにしたがって天気

は良くなり、北海道に入ると空は青空、ピーカン状態。5日間ずっと天気に恵まれた。

 

 本当は、苫小牧の北、平取町にある二風谷を訪ねるつもりだったが、宿が取れなくて

急遽この日は旭川に向かった。札幌以北へ行くのは初めてだ。

 札幌で北斗号からライラック号に乗り換えて、1時間半。目的地の旭川に到着。

 駅を散策していたら、ここにも自由に演奏してよいピアノが置いてあった。

 ちょうど通りかかったときに聞こえてきた曲は、ウクライナを舞台にした映画「ひま

わり」のテーマ曲だった。どこで聴いても心にしみる名曲だ。

 

 旭川も駅前のビジネスホテルはいっぱいで、駅からちょっと遠いビジネスホテルに泊

まることになっていた。初めての町だが、札幌と同じように計画的に作られた都市なの

で、横の通りと縦の丁目さえ知っていれば、目的地に着くのもたやすい。

 

 初めての訪問先は旭川動物園。

 翌朝、始発のバスに乗り、開園よりずいぶん前に到着した。

 9時半にシャッターが開いた。

 気温は,20、4度。朝からカラッと晴れて空気がさわやかだった。

 

 旭川動物園は、シロクマやペンギンなど水中での生態も分かるように見せ方が工夫さ

れていて、お客さんが増えた動物園だと聞いていたので、とても楽しみだった。

 

まずシロクマ館。

 ちょうどシロクマ館に入ったときは、地上を歩いていたのだが、

すぐに水の中に入ってしまった。

 そこで、人間も階段を下りて水の中をみる。

 母クマ「ピリカ」と去年12月に生まれた子ども「ゆめ」(メス)が水中でじゃれあっ

ているところ。ほかに兄弟もいないので、母親と思いっきり遊ぶしかないんだなと思っ

た。 同じようなシーンを和歌山のパンダの親子でも見たことがあるなと思い出した。

 シロクマの足裏もご覧あれ! ちゃんと足裏にも毛が生えていることを見ることがで

きる。生足で氷の上を歩くわけだから、冷たさから身を守る秘密がこんなところにも

あるのがわかった。ゆっくりと時間をかけるともっといろんなことがわかるのだろう。

 

ほとんど水中にいたのは、カバ。

カバファミリーの紹介。お父さんの百吉は、太りすぎでダイエット中だそうだ。この同

じプールには不在だった。お母さんの「旭子(あさこ)」と子どもの「凪子(なぎ

こ)」がこのプールにいる。

 顔だけでは、親か子かわからないが、たぶん「旭子」だと思う。

 この子は、「凪子」だと思う。

 とっておきのツーショット。どっちがお母さんでどっちが子ども?

 首のくびれも同じようだし、しいて言えば足の大きさかなと。

 カバの親子も寄り添ってしっかりと遊んでいる。シロクマもカバも独り立ちするまで

はべったりスキンシップしているが、人間の親子はしっかりと遊んでいるかなとちょっ

と心配。

 

ふと見上げると レッサパンダが小屋から出て吊り橋を伝って左側へ歩いている。

 木登りしてしばらくしたら下りてきて

 また吊り橋を伝って右側の住処へ帰っていく。近くの動物園にもいるので、わざわざ

見に行く予定もなかったが、通路の上を歩いているので目に入ってしまった。木を伝え

ば外にも出られるはずだが、出ようとしないのはなぜなのか聞いてみたいと思った。こ

れもこの動物園の工夫の一つなのだろう。

 

 (つづく)