ここでの滞在も最後の日はカヌーに乗ることになっていた。
相変わらず曇った朝だが雨は降りそうもない。車の上にカヌーを2台乗せ出発。
先日訪ねた霧多布湿原センターへ行く道を進む。途中の橋の脇の駐車スペースに車を停めそこで、カヌーを下した。
橋の下に小さな階段状の降り口があって、そこからカヌーを川に乗せる。
カヌーに乗るのは3回目だ。以前乗ったことがあるカヌーはもう少し軽かったような記憶だが、それはもう20年くらい前なので年を取って筋力が落ちたということだろうか。
口には出さなかったが、私としては重くてたいへんだった。
パドルの動かし方をおさらいして出発。右と左の腕の力の差があるのでどうしても曲がってしまうが、岸にぶつかっても大したことはない。カヌーは水に近い分自然との一体感があっていつ乗ってもいいなと思う。パドリングが下手なので、どうしても宿主には追いつけない。
ちょっと川幅が広くなったところで、茂みから出てきた鳥が旋回しながら激しく鳴きたてる。「怪しいやつが来ているぞ。早く出て行け。」とでも言っているようだ。
宿主に「あれはアカアシシギだよ。」と教えてもらい、写真を撮ろうとカメラを構えるまでの間にカヌーが進んでしまい、いざ撮ろうとした時は後ろ斜めになってやっと姿が入ったという感じだった。
わざわざ高いところに乗って威嚇しているのだ。
東京港野鳥公園で見たことがあるのは、キアシシギとアオアシシギ。アカアシシギは初認だ。
私たちのほかにも侵入者がいた。カラスだ。追い払おうと必死な様子がうかがえたので、おそらく茂みの中で抱卵中なのだろう。カラスよりもずっと体が小さいのに親は偉大だ。
動く乗り物に乗っていると写真を撮るのが難しい。ボケボケだが、初めてなので残しておく。オオジュリン
以前は、もう少し河口に近いところまでカヌーで進めたのだそうだが、出入りする漁船の邪魔になるというので、ずっと手前で引き返すことになった。
本当に1時間もあっという間。琵琶瀬橋に到着してしまった。
カヌーを持ち上げて車に乗せてから この後どうするか聞かれたが、湿原センターでお昼を食べるので、後は自分で帰ると告げて宿主と分かれた。
湿原センターで食べたランチ。
前日ホッキカレーは食べたので、その日はクラムチャウダーとパン、そこまでが普通だろうけれど、珍しいなと思って鮭カレーパンも注文。クラムチャウダーにはあさりと昆布の細切りも入り、鮭も含めて地場産の材料が生きたメニューが嬉しい。
デザートには、地元の牛乳から作ったアイスクリーム。二つ頼んだのではなく、二つも入っていたのだ。
それにしても常々少食にしなければと思いつつ、根がいやしいので人の1・5倍食べてしまう。 反省の日々が続く。
帰りは、湿原センターの前の道は、湿原を切り裂くように作ったので、道の下には、流れが止まらないようにところどころにトンネルが通してあるそうだ。
湿原の環境を壊さないよう配慮されていることに感心した。
後ろを向いているがノビタキ。
その後ろに見える白いのはワタスゲ。
広い湿原なので、場所場所で植生が違うし、育ち方もまちまち。この辺りのはまだ丸い。
ホサキシモツケ
普通のシモツケは表面が丸いが、これは穂のような形に花が咲く。
M・Gロードのまっすぐな道をひたすら歩く。T字路があるところまで3キロ、左に曲がって4キロで宿に着く。
歩道に咲く白い花は、いわゆるこちらのヒメジョオンとかではなく、全部ノコギリソウ。ちょっとしたすきまにもたくましく生える。
宿の前まで来ると、湿原の中にエゾシカが2頭。しばらくこちらのようすを見ていたが、そのまま奥の方へ入って行った。
(つづく)