初夏の浜中町の旅 その8

 朝起きてみたら、やっぱり曇っていた。朝日が見えるわけでもなかったが、前の晩、宿主に裏の海へ行ってみたらと勧められていたので、出かけてみた。

 宿の前の道を右手に300mくらい行くと湿原の間に車が通れるくらいの道ができている。その道を堤防に向かって200mくらい歩くと海である。

 

 途中、私が知っている数少ない鳥、コチドリを見つけた。もしかしたらこの姿は御取込み中だったのかもしれない。コチドリは、川原の石があるようなところに巣を作るというのでまさにここは繁殖の適地のような気がする。刺激をしないようそうっと離れた。

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 堤防を上り、砂浜へ下りると、見慣れた砂植物。しばらく茅ヶ崎にも行っていないので、なんだか懐かしい。

 

1 ハマボウフウ              2 ハマエンドウ

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3 ケカモノハシ              4 ハマニガナ

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5センダイハギ             6?

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※ 1は、ハマボウフウだと思われるがそれにしては横に這うというより上にのびているのでシシウドの仲間かもしれない。

  5のセンダイハギは、茅ヶ崎辺りでは見られなかったので海浜植物というより北の    方の植物かもしれない。

  6は、見たことがあるが名前がわからない。

 

  ここで見える海は、北太平洋の海だ。やはり海霧でかすんでいる。

 昨日見た海は琵琶瀬湾、ここは浜中湾になる。

 ずっと北の方まで長い砂浜が続いている。

 

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  波打ち際に大型のカモメが2羽エサを物色していた。

 右側のは、これ以上開かないというくらい嘴を拡げて貝を挟んでいる。

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  どこへ持って行くというのだろうか。おそらく昨日も一昨日も食べたホッキガイのような気がする。悪食といわれるカモメだが、北寄貝(ホッキガイ)とは美食ではないか。

 

 浜にはたくさんの海藻が打ち上げられているが、中には昆布も流れ着いている。しばらく見ていると、北の方から昆布の山を集めている人が軽トラックでやってきた。

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 車を降りて昆布の山を脇に抱えるようにして海の中へざぶざぶと入っていく。海の水で砂を洗い落としているようだ。

 

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 この辺りは、日本の中でも一番夜明けが早いところだ。おそらく4時ごろにはここへやってきて広い砂浜に流れ着いた昆布を集めていたのだろう。

 軽トラに洗った昆布を積み上げ 通り過ぎて行くのを見送った。

 朝食の時に、宿主にこの話をしたら昆布を拾うのもちゃんと縄張りが決まっていて誰でもが取っていいわけではないのだそうである。