土用の丑は過ぎたけれど・・・

駒形どぜう

f:id:yporcini:20120804113214j:plain

 先週の穴子に引き続き、今日は、どじょうを食べに行って来ました。場所は、浅草の「駒形どぜう」です。1800年代からこの浅草で浅草寺へ参詣にくる人たちを相手に商売をして大繁盛をしてきたお店で、今は、7代目の老舗です。

 いかにも、江戸情緒をかもし出すような店構えです。麻ののれんをくぐって中へ入ると、1階は、大広間になっていて、座布団を敷いて座るのですが、座卓があるわけではなく、高さ10センチ足らずの台が机の代わりになっていました。その大広間は、時代劇にでも出てきそうな雰囲気がありました。(地下や、2階は、いす席がちゃんと用意されています。)

f:id:yporcini:20120804123603j:plainf:id:yporcini:20120804130638j:plainf:id:yporcini:20120804121523j:plain

 どじょう鍋(さき)          どじょう汁        骨のから揚げ

 連れて行ってくれた方が、今回初めて食べに行く人が多かったので、骨を抜いた開きの形をした「さき」と、そのままの形の「まる」と二種類の鍋を注文して、食べ比べられるようにしてくれました。(「さき」のことを「ぬき」と呼ぶ店もあります。)

 炭の火鉢が運ばれ、その後、鉄の平らな鍋にどじょうが並べられてきます。それに、別に注文したささがきごぼうと刻みねぎをのせて、たれを回しがけし、味がしみたら、個皿に取り、山椒か、七味をかけて食べます。思ったより、どじょうが小さく、丸でも骨を感じることもないし、臭みもありません。ちょっと拍子抜けでしたが、柔らかくてくせがないので、美味しくいただきました。

 土用の丑の日は過ぎてしまったけれども、まだまだ暑さは続きますのでいい養生をさせてもらいました。

 お昼の定食でしたので、鍋の他に田楽とどじょう汁、それにお新香とご飯が付きました。この写真の骨のから揚げは、追加注文したもので、酒のつまみにもってこいでした。どじょう汁は、普通の味噌汁ではなく、西京味噌赤味噌のブレンドされた味噌がどろっとした感じでといてあり、ご飯にかけておかずの役目も引き受けている感じでした。

 豆知識 土用は各季節の分かれ目にあるのですが、たとえば、今年の夏の場合、土用の入りが7月16日、土用の終わりが8月6日(立秋の前日)で、7月の27日が丑の日にあたります。(年によっては、丑の日が2回のこともあります。)

 江戸時代、暑い夏にうなぎが売れなくて困っていた店の主人が、平賀源内に相談したところ、「丑の日に「う」の付くものを食べると夏バテしないというような宣伝をしたらどうか」とのこと。それから、土用の丑の日にうなぎを食べることが定着したそうです。